5号館を出て

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【生物農薬】飛ばないテントウムシ

 一頃、天敵生物を人為的に使うことで「害虫」を駆除する「生物農薬」というものがはやったことがあります。

 しかし、外来生物を導入して移入種生物問題を引き起こしたり、定着しなかったりということで最近はあまり聞かなくなっていたと思います。

 この度、「近畿中国四国農業研究センター(福山市)総合的害虫管理研究チームの世古智一特命チーム員らが、飛行能力を持たないテントウムシを安定的に繁殖させる技術を開発した」という記事が山陽新聞に出ていました。

 飛ばないテントウムシを“開発” 害虫駆除に期待
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 テントウムシは飛べるので、アブラムシがふえるとどこからともなく集まってくれるのは良いのですが、まだアブラムシがたくさんいるのに、気ままにどこかへ飛び去ってしまってくやしい思いをしたことが何度もあります。

 このテントウムシは「飛べないことで個体の行動範囲が狭まり害虫のアブラムシを効率的に食べるため、農作物被害の軽減に向けた実用化が期待される」とのことで、私も期待してしまいます。

 作った方法も遺伝子組み換えとかではなく、古典的な育種交配です。
 世古特命チーム員らは、福山市で採集したナミテントウの成虫80匹を交配。飛行能力の低い個体を選んで交配を繰り返した結果、約25世代でほぼすべての個体が飛ぶ力を失った。

 このテントウムシを露地ナスの栽培地に60匹放して定着率を見たところ、通常のナミテントウは翌日にはほとんどいなくなったのに対し、飛ばない個体は2週間後も2割以上がとどまった。

 通常のナミテントウを放った栽培地では1カ月後、アブラムシの数がナス1葉当たり30匹ほどに達していたが、飛ばない個体のケースではほぼゼロ。キュウリのハウス栽培でも同様の結果だった。
 次の問題はテントウムシを襲う動物の出現ですね。アブラムシを守るアリにあっさりやられてしまいそうな気もするのですが・・・・。
Commented by Sekizuka at 2008-12-18 11:07 x
>最近はあまり聞かなくなっていたと思います。

既にポピュラーになってニュースバリューが無くなっただけ。
Commented by ぜのぱす at 2008-12-18 14:20 x
25世代も要していると云うことは、劇的な単一の突然変異ではなく、minorな様々な変異が積み重なった結果なのでしょうか。解剖学的にどう云う変化が起きて、飛べなくなったのか、どちらかと云えば、そっちの方に、より興味があります(笑)。
by stochinai | 2008-12-17 21:37 | 生物学 | Comments(2)

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