2008年 12月 30日
認知神経科学者の霊感商法
一年以上前から告発を受けており、地元のメディアに取り上げられたこともあり、ある意味では前から「有名」だった事例ですが、このたびようやく大学が動きました。
「神世界」霊感商法:北大准教授が勧誘 諭旨解雇処分に
私も、同じ大学にいながら噂以上のことを知らなかったことは恥ずべきことだと思っていますが、ここにこの件に関する非常に詳しいレポートがあります。
准教授に対する北海道大学の対応
そこには、この「宗教」に関するもう一人北大文学部の准教授の関与も書かれており、びっくりなのですが、こちらはある意味で「被害者」に近い存在とされています。
処分を受けた准教授は現役の研究者で、専門は「聴覚・脳・言語」といったあたりのようです。小山(竹市)幸子が著者に加わっている論文などを参照してください。
2008. 4 - の論文
2007. 4 - 2008. 3の論文
こういう研究をしている北海道大学の電子科学研究所の准教授が、おそらく専門で得た知識を使って脳や心の話をしながら、霊感商法に荷担していたのだとしたら、諭旨解雇という処分は甘すぎると思います。
大学がその存在の基盤としている科学を悪用したということであれば、それは大学の存在そのものを否定する大犯罪であり、社会に対してはもとより、そこで学ぶ学生、さらには科学界全体への背信となりますから、大学としてはもっとも重い処罰をするべきだったと思います。
セクハラやアカハラはもちろん犯罪として処罰されるべきですが、今回の科学の悪用に関しては単なる犯罪を越えた糾弾をしなければ、北海道大学の科学に対する姿勢を疑われても仕方がないと思います。
「神世界」霊感商法:北大准教授が勧誘 諭旨解雇処分に
有限会社「神(しん)世界」(本部・山梨県甲斐市)による霊感商法事件で、北海道大は30日、北大電子科学研究所の小山幸子准教授(44)=認知神経科学=が自らの立場を悪用して勧誘行為をしていたとして、諭旨解雇処分にした。いやしくも脳科学の研究をしている人間がカルトにはまるだけではなく、その「知識」などを悪用して犯罪行為を行っていたということだと言えると思います。
北大によると、小山准教授は04年3月から08年秋ごろまで、札幌市中央区で所有するマンションを、「御霊光」と呼ばれる手かざし行為などを行うヒーリングのサロンとして神世界に提供。脳機能に関する専門知識や国立大准教授という立場を示し、訪れた人にヒーリングや高額商品購入などを勧誘した。また、サロン内では、神世界の解説書とされる「神書」の説明を行うこともあったという。
私も、同じ大学にいながら噂以上のことを知らなかったことは恥ずべきことだと思っていますが、ここにこの件に関する非常に詳しいレポートがあります。
准教授に対する北海道大学の対応
そこには、この「宗教」に関するもう一人北大文学部の准教授の関与も書かれており、びっくりなのですが、こちらはある意味で「被害者」に近い存在とされています。
処分を受けた准教授は現役の研究者で、専門は「聴覚・脳・言語」といったあたりのようです。小山(竹市)幸子が著者に加わっている論文などを参照してください。
2008. 4 - の論文
2007. 4 - 2008. 3の論文
こういう研究をしている北海道大学の電子科学研究所の准教授が、おそらく専門で得た知識を使って脳や心の話をしながら、霊感商法に荷担していたのだとしたら、諭旨解雇という処分は甘すぎると思います。
大学がその存在の基盤としている科学を悪用したということであれば、それは大学の存在そのものを否定する大犯罪であり、社会に対してはもとより、そこで学ぶ学生、さらには科学界全体への背信となりますから、大学としてはもっとも重い処罰をするべきだったと思います。
セクハラやアカハラはもちろん犯罪として処罰されるべきですが、今回の科学の悪用に関しては単なる犯罪を越えた糾弾をしなければ、北海道大学の科学に対する姿勢を疑われても仕方がないと思います。
by stochinai
| 2008-12-30 23:55
| 大学・高等教育
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