2008年 12月 31日
横須賀市での原子力空母対策
今年の10月から横須賀港に米海軍の原子力空母「ジョージ・ワシントン」が配備されたというニュースを覚えていますが、当然のことながら横須賀市では放射能漏れ事故が起きる事態に備えて、安定ヨウ素剤(ヨウ化カリウム)を約30万錠備蓄しているのだそうです。
ところが、このヨウ化カリウムは放射性ヨウ素を取り込む前に服用する必要があり、4時間くらい時間が経過するとその効果が50%くらいになってしまうということで、危機感を持った人のために横須賀市の薬局が市販を始めたのだそうです。
情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)さんのブログによると、今月1日の東京新聞夕刊の1面トップ記事で報道されたこのニュースは他社がまったく追随しなかったということで、私もまったく知りませんでしたが、日本人ならば一人でも多くの人が知っているべきことだと思い、転載させていただきます。これが、件の記事です。

そもそも横須賀市が備蓄しているヨウ化カリウム剤を市民に配布すれば済むことなのに、例によって「横須賀市自らが安定ヨウ素の配布に関わると、原子力空母の危険性を広報することになり、住民の配備反対運動に火がつく可能性がある」ということで、備蓄はしているけれども事件が起こらない限り市民には周知しないということのようです。
原子力空母の配備に賛成であろうが反対であろうが事故が起こった時には同じように被害を受けるわけで、事故はないに越したことはありませんが、もしも起こった時のために最大限の対策を立てておくべきです。また、その対策は最小のコストで最大の効果が得られるように行われるべきであり、このヨウ化カリウム剤に関してはすでに購入して備蓄しているのですから、その効果を最大限に発揮するためには市民全員にあらかじめ配布しておくことがベストだと思います。もちろんなくしてしまった人の分を市が備蓄して避難所で再配布するということも必要だと思いますが、最大でも2倍購入すれば済むことです。市役所広報と一緒に行えば配布のコストもほとんどゼロですみます。
横須賀市では個人的に購入を希望する人も多いのではないかと思われますが、「安定ヨウ素剤の広告は厚労省の通達で禁止されており、口コミで購入を勧めるしかない」のだそうで、それもまたおかしなことです。事故に対して個々人が対策をとることが妨害されている状況といわざるを得ません。
記事によれば、原子力発電所を持つ欧州各国では各家庭にヨウ化カリウムを配布しているとのことですが、日本では原発の地元民には配布されているのでしょうか。少なくとも私の家には配布されておりません。事故が起こった時には一刻も早く飲むべきものならば、避難所で配布ではなく、非難する前に服用するというのが正しい手順でしょう。
原発に反対でも賛成でも、もしもの時のために配布するというのがリスク管理というものだと思います。日本の場合には「あってはならない事故は起こらない」という前提でリスク管理されることが多いようですが、「あってはならない事故も起こりうる」というのが科学的に正しい立場だと思います。
調べてみると、東京新聞の記事はネットで公開されていました。
被ばく予防剤 ひっそり市販 原子力空母拠点の横須賀
リスク管理は隠れてやるべきものではないと思います。
ところが、このヨウ化カリウムは放射性ヨウ素を取り込む前に服用する必要があり、4時間くらい時間が経過するとその効果が50%くらいになってしまうということで、危機感を持った人のために横須賀市の薬局が市販を始めたのだそうです。
情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)さんのブログによると、今月1日の東京新聞夕刊の1面トップ記事で報道されたこのニュースは他社がまったく追随しなかったということで、私もまったく知りませんでしたが、日本人ならば一人でも多くの人が知っているべきことだと思い、転載させていただきます。これが、件の記事です。

原子力空母の配備に賛成であろうが反対であろうが事故が起こった時には同じように被害を受けるわけで、事故はないに越したことはありませんが、もしも起こった時のために最大限の対策を立てておくべきです。また、その対策は最小のコストで最大の効果が得られるように行われるべきであり、このヨウ化カリウム剤に関してはすでに購入して備蓄しているのですから、その効果を最大限に発揮するためには市民全員にあらかじめ配布しておくことがベストだと思います。もちろんなくしてしまった人の分を市が備蓄して避難所で再配布するということも必要だと思いますが、最大でも2倍購入すれば済むことです。市役所広報と一緒に行えば配布のコストもほとんどゼロですみます。
横須賀市では個人的に購入を希望する人も多いのではないかと思われますが、「安定ヨウ素剤の広告は厚労省の通達で禁止されており、口コミで購入を勧めるしかない」のだそうで、それもまたおかしなことです。事故に対して個々人が対策をとることが妨害されている状況といわざるを得ません。
記事によれば、原子力発電所を持つ欧州各国では各家庭にヨウ化カリウムを配布しているとのことですが、日本では原発の地元民には配布されているのでしょうか。少なくとも私の家には配布されておりません。事故が起こった時には一刻も早く飲むべきものならば、避難所で配布ではなく、非難する前に服用するというのが正しい手順でしょう。
原発に反対でも賛成でも、もしもの時のために配布するというのがリスク管理というものだと思います。日本の場合には「あってはならない事故は起こらない」という前提でリスク管理されることが多いようですが、「あってはならない事故も起こりうる」というのが科学的に正しい立場だと思います。
調べてみると、東京新聞の記事はネットで公開されていました。
被ばく予防剤 ひっそり市販 原子力空母拠点の横須賀
リスク管理は隠れてやるべきものではないと思います。
by stochinai
| 2008-12-31 21:07
| 医療・健康
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