5号館を出て

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センター試験1日目(リスニング雑感)

 ひさびさにセンター試験の監督をやりました。4回目になるというリスニングの監督は始めてだったので、かなり久しぶりということになります。で、やっぱり疲れました。

 初日の今日は、午前中に公民と地理歴史、午後に国語と外国語それに英語のリスニングでした。比較的小さな30人規模の教室の監督を応援が一人ついたリスニング以外を二人で担当。午前中は人の出入りもありつつも、それぞれの科目で受験者が教室の3分の2ずつでしたが、午後は一人を除いて全員が受験という状況でした。朝日の記事によると、「志願者数に対する割合は次の通り。公民30万5639人(56.2%)▽地理歴史35万9936人(66.2%)▽国語48万4884人(89.1%)▽外国語50万1115人(92.1%)」とのことですから、ほぼ平均的受験状況だったようです。

 前回やったときと大きく違ったところは、受験生が50音順で割り当てられていたことで、我々が担当した教室は名字がすべて「なか」で始まる人ばかりでした(多くは「中」)。音では同姓同名で区別できない組み合わせも数組ありましたが、不思議なことにいずれも漢字は異なっておりました。受験生が札幌およびその周辺から来ていると考えると、もっと同姓同名がいても不思議がないと思われますので、ひょっとすると五十音順だけで機械的に分けてあるだけではなく、同じ「なか」で始まるグループが別の会場にもいたのかもしれません。

 いずれにしても、なんとその多くが平成2年と3年生まれです。まあ、今年が平成21年ですから、当たり前と言えばあたりまえなのですが、1990年-91年生まれが今年大学生になります。

 毎回、同じメンバーの教室を監督していますので、だんだんと顔や名前を覚えてきます。そうすると不思議なもので、休憩時間に廊下ですれ違ったりすると、「あっ、うちのクラスの子だ」と思ってしまいます。そうなってくると、うちのクラスの子達は是非とも希望の大学に合格して欲しい、いやさせてやりたいという「親心」が生じてくるのが不思議なものです。そして、試験監督中には彼ら・彼女らが最良のコンディションで試験に臨めるように、最大限に気を遣うようになっている自分を発見します。問題の答えさえも教えてやりたくなるほどの気持ちをグッと抑えて、部屋の明かりや温度の調節をこまめにしたり、マークシートの記入ミスを防止してやろうと一所懸命やっていると、本当に疲れてしまいました。

 最後の英語リスニングでは、この教室からは絶対にミスやトラブルを出さないぞという覚悟で臨みました。幸いなことにハードのトラブルもなく、順調に終わることができました。このリスニング試験は、正味はたった30分のものですが、それを実現するためにおそらく他の全科目を足しあわせた以上のコスト(実質コストに監督業務の精神的コスト)がかかっていることを実感しました。

 私は監督をしつつもリスニングテストをすべて実モニターする役割も与えられましたので、すべての問題を聴取しました。いずれも素晴らしくきれいな発音の英語で、ほぼ日常会話レベルのものですので、それなりの訓練を受けている受験生はほとんど苦労もなく聞き取れるものだと感じました。逆に言うと、街の英会話教室などに通っていると圧倒的に有利なのではないかという印象も持ちました。

 テレビのニュースでも、インタビューされた受験生が答えていたように、リスニングの最後の問題はかなり長いニュース原稿レベルの英文を聞き取って理解しなければならず、確かに高校生にとってはちょっとハードかとも思いましたが、逆にここで差がつくことが予想されますので、ある意味では良い問題だったかもしれません。その朗読の中に、website とか blog とかの単語が出てきていましたが、教科書などで扱っているのかについても、ちょっと心配になりました。

 リスニングに使った機械(デジタル・オーディオ・プレイヤー)は持ち帰っても良いことになっていますので、全員が持ち帰っていましたが、メモリーカードも含めて他の用途にはまったく使えないらしく、それではリサイクルを奨励する今の状況に逆行していると思いました。おそらくMP3プレイヤーではないかと思われますので、メモリーカードおよび再生する音声ファイルを一般の規格に合わせることで、持ち帰った受験生がそれを英語の勉強に使ったり、音楽や音声のpodcastingプレイヤーとして使ったりできるようにすべきだと思います。

 ともあれ、全国的にそれほど大きなトラブルもなく一日目が終了したのは幸運でした。受験生と我々監督員もあと一日がんばり抜きましょう。

 がんばれ、うちのクラス!
Commented by ある at 2009-01-18 15:48 x
>最後の英語リスニングでは、この教室からは絶対にミスやトラブルを出>さないぞという覚悟で臨みました。

機械が壊れていれば、いくら頑張っても無理ですよね。まわりのみなさん、そういってます。
Commented by stochinai at 2009-01-18 18:28
 もちろんその通りなのですが、(裏話で恐縮ですが)クレームの出た機械を後に調べてみると、まったく正常だったということも意外と多いのだそうです。
 それで今回は、受験生の精神的サポートも重要事項だと思って臨みました。聞こえないということで動揺している受験生に対する速やかな対処と機器の交換はもちろん、その前にまず受験生をリラックスさせるというところを目指しました。
Commented by ある at 2009-01-18 22:37 x
感服いたしましたm(_ _)m
by stochinai | 2009-01-17 22:57 | 教育 | Comments(3)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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