2009年 01月 18日
覚醒剤の誘惑
世の中にはもっともっとハードに働いているのは承知しているつもりなのですが、昨日今日とセンター試験の監督業務を努めて、へなちょこな話でお恥ずかしいのですが、精神的にも肉体的にもかなりつらい思いをしました。
受験生の間を音を出さないように何時間も歩き回っていると疲れますし、かといって座っていると睡魔に襲われそうになります。もちろん、睡魔に負けることは許されない状況です。受験生に負担を与えないように目立たずに、しかも彼らにミスをさせないようにしっかりと、音もなくサポートを続けるという作業は、いわゆる肉体労働と比べるとエネルギー消費では間違いなくかなり低いものだと思いますが、どんよりとまとわりつく疲労感は、単純な筋肉運動とは比べられない過酷なものと言えます。
食後の午後のつらい時間帯に、ふと「こんな時に覚醒剤を勧められたら、誘惑に乗ってしまうかもしれない」という思いが頭をよぎりました。
大学の教員などをしていると、普段の生活のかなりの部分が自己裁量に任されていますので、教育にしろ研究にしろ、結果のパフォーマンスが悪くなるようならば無理はしないということが多いものです。もちろん、締め切りのあるものに対しては、無理をしてがんばることはありますが、基本的に「自分のために」やっていると思えることが多いので、基本的には不合理な(あるいは不条理な)無理はあまりせずにすんでいます。ところが、試験監督のような組織的・社会的に強い強制力を持った作業の場合にはパフォーマンスよりも、決められた時間に決められた場所で決められたことを遂行することが要求されますので、個人の都合を越えた作業になります。
考えてみれば、夜間トラックの運転手さんとか、タクシーの運転手さんとか、ともかく覚醒していなければ仕事にならず、しかもスケジュールに従って働き続けなければならないというような職種の方は、常時センター試験の監督のような(もちろんそれ以上の過酷な)状態に置かれていると言えるかもしれません。
そんな時に、一服するだけであるいは一本鬱だけで、疲労感が解消し、脳が明晰になり、精神的にもハイになれる薬があったら、人はその誘惑に勝てるものでしょうか。
先日、ここでも取り上げたように脳機能増強剤という名の覚醒剤は、覚醒した脳を使い続けたい頭脳労働者にとっては強い魅力を持ったものであり、高名な科学者の中にも、その合法化を主張する人が少なくないようです。
人を過酷な労働(またはそれに類似した作業)に追い込む環境がある限り、覚醒剤の誘惑はかなりの人を落とすに違いないと確信しました。
解決策はただひとつ、覚醒剤を必要とするような環境(競争)をなくすることだと思いますが、それは現代社会(自由主義)を否定することにもつながるわけで、容易なことではなさそうです・・・。
受験生の間を音を出さないように何時間も歩き回っていると疲れますし、かといって座っていると睡魔に襲われそうになります。もちろん、睡魔に負けることは許されない状況です。受験生に負担を与えないように目立たずに、しかも彼らにミスをさせないようにしっかりと、音もなくサポートを続けるという作業は、いわゆる肉体労働と比べるとエネルギー消費では間違いなくかなり低いものだと思いますが、どんよりとまとわりつく疲労感は、単純な筋肉運動とは比べられない過酷なものと言えます。
食後の午後のつらい時間帯に、ふと「こんな時に覚醒剤を勧められたら、誘惑に乗ってしまうかもしれない」という思いが頭をよぎりました。
大学の教員などをしていると、普段の生活のかなりの部分が自己裁量に任されていますので、教育にしろ研究にしろ、結果のパフォーマンスが悪くなるようならば無理はしないということが多いものです。もちろん、締め切りのあるものに対しては、無理をしてがんばることはありますが、基本的に「自分のために」やっていると思えることが多いので、基本的には不合理な(あるいは不条理な)無理はあまりせずにすんでいます。ところが、試験監督のような組織的・社会的に強い強制力を持った作業の場合にはパフォーマンスよりも、決められた時間に決められた場所で決められたことを遂行することが要求されますので、個人の都合を越えた作業になります。
考えてみれば、夜間トラックの運転手さんとか、タクシーの運転手さんとか、ともかく覚醒していなければ仕事にならず、しかもスケジュールに従って働き続けなければならないというような職種の方は、常時センター試験の監督のような(もちろんそれ以上の過酷な)状態に置かれていると言えるかもしれません。
そんな時に、一服するだけであるいは一本鬱だけで、疲労感が解消し、脳が明晰になり、精神的にもハイになれる薬があったら、人はその誘惑に勝てるものでしょうか。
先日、ここでも取り上げたように脳機能増強剤という名の覚醒剤は、覚醒した脳を使い続けたい頭脳労働者にとっては強い魅力を持ったものであり、高名な科学者の中にも、その合法化を主張する人が少なくないようです。
人を過酷な労働(またはそれに類似した作業)に追い込む環境がある限り、覚醒剤の誘惑はかなりの人を落とすに違いないと確信しました。
解決策はただひとつ、覚醒剤を必要とするような環境(競争)をなくすることだと思いますが、それは現代社会(自由主義)を否定することにもつながるわけで、容易なことではなさそうです・・・。

>教育にしろ研究にしろ、結果のパフォーマンスが悪くなるようならば無>理はしないということが多いものです。
それは恵まれている方だと思いますよー。教育でも研究でもない業務が多すぎるとぼやいている先生多いです。結果のパフォーマンス(=教育、研究の対価)が悪くなるとわかっていてもしょうがないと思ってやっているようです。
それは恵まれている方だと思いますよー。教育でも研究でもない業務が多すぎるとぼやいている先生多いです。結果のパフォーマンス(=教育、研究の対価)が悪くなるとわかっていてもしょうがないと思ってやっているようです。
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確かに自分は恵まれていると思っています。そうなるためには、どうしてもくだらないと思う業務に関しては、平気でサボタージュすることができるかどうかが分かれ目かもしれませんね。明らかに無駄なことに対して必死に協力しても、誰も幸福になりませんし評価もされないということは、ある程度経験を積まなければわからないことかもしれませんが・・・。

突っ込みどころが多すぎるエントリですが、一点だけ。
> 食後の午後のつらい時間帯に、ふと「こんな時に覚醒剤を勧められたら、誘惑に乗ってしまうかもしれない」という思いが頭をよぎりました。
普通こういう場合、カフェイン入りのコーヒー紅茶とか、せいぜい行っても栄養ドリンクまでじゃないですか?
いきなり「覚醒剤を勧められた」ら、私ならビックリして一発で眠気が吹っ飛びますが。(苦笑)
> 食後の午後のつらい時間帯に、ふと「こんな時に覚醒剤を勧められたら、誘惑に乗ってしまうかもしれない」という思いが頭をよぎりました。
普通こういう場合、カフェイン入りのコーヒー紅茶とか、せいぜい行っても栄養ドリンクまでじゃないですか?
いきなり「覚醒剤を勧められた」ら、私ならビックリして一発で眠気が吹っ飛びますが。(苦笑)
今みたいに冷静な時にはそのように思えるのですが、現場において追いつめられた時には正直このような気持になりました。もちろん、実際に勧められたら目が醒めるでしょうが、それが真夜中にひとりでトラックを運転している時でも同じか、と自問してみたのです。

鬱で仕事ができなくなったときなど、リタリンに依存してしまう人もいるでしょうね。複数の医師に受診したりして。

これは大麻の話ですけど、軽い気持ちではじめた覚せい剤が、だんだん依存症になって、軽いのでは効果でなくなってだんだんキツイ薬物に手を出すようになって、幻覚が出て、人格障害がではじめて、最後は人生ボロボロになった人の特集をテレビでやってました。鬱が激しく、睡眠剤や抗鬱薬を飲んでいる人知っていますが、副作用もあるらしく、”基本”は薬物に依存しないことが大事だと思います。

コーヒー・紅茶などのカフェイン含有飲料は研究者の人は常習している人が多いです。ふだんから摂取しているこの手の飲料の摂取量を増やしてもあまり効果がありません(むしろ胃痛・不安・焦燥感の増大などの悪影響の方が大きい)。それ以上のものとなると・・・てな感じでしょう。
本当かどうか知りませんが、日本でも激務の医師が隠れてこの手の覚醒作用のある薬に手を出している・・・・なんて話はたまに聞きますね。
本当かどうか知りませんが、日本でも激務の医師が隠れてこの手の覚醒作用のある薬に手を出している・・・・なんて話はたまに聞きますね。

薬物って一時しのぎで、根本的解決にはなっていないですよね。私もぜいぜい、栄養ドリンクか、スポーツジムであせながすか。ストレス解消にはスポーツが一番でした(詳しくないですが、生理学的にも、実証されているのでは?)。
by stochinai
| 2009-01-18 23:24
| 教育
|
Comments(8)