5号館を出て

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札幌のインフルエンザもタミフル耐性

 タミフルというのは不運な薬なのかもしれません。今年は、世界中にタミフル耐性のインフルエンザウイルスが蔓延しているようです。

 私のサイトでも繰り返しタミフルについては言及してきました。カスタム検索してみると10件もあります。

 5号館のつぶやきで「タミフル」を検索

 一昨年は異常行動が問題になり、10代への使用中止が決まり、昨年になって安全宣言をしたと思ったら、そのデータ解析に問題が発覚して、中止が継続されているところへ、この冬はタミフル耐性ウイルスの大量発生です。

 札幌の保健所の調べによると「インフルエンザウイルスの検体検査をして100検体のうち9割がAソ連型そのほとんどがタミフル耐性だろう」ということです。

 札幌テレビ放送(2009年1月26日(月)「どさんこワイド180」)

 不思議なことにタミフルと同様に、ウイルスのノイラミニダーゼという酵素を阻害することによってウイルスの増殖を抑える働きをするリレンザという薬はこの耐性ウイルスにも効果があるとのことです。同じ酵素をブロックするために結合する場所がタミフルとリレンザでは異なっており、タミフルの結合部位には変異が起こり、そのことで結合力が弱まり耐性になりやすいのに対して、リレンザの結合部位には変異が起こりにくいことがその原因のようです。

 私の「進化から見た病気」にも書いてあるように、ウイルスや細菌、時には農作物の害虫、がん細胞でさえ薬物で対処しようとすると、必ず「耐性」が進化してきます。

 ところが、今はやっているAソ連型がタミフルがほとんど使われていない国でも耐性ウイルスが大量に発見されています。つまり、今回の耐性の出現はタミフルの使用とは関係なく発生した変異が原因ではないかと考えられています。とはいえ、耐性ウイルスが出現した後でタミフルを使うということは、タミフル耐性ウイルスを選択的に生き延びさせる(非耐性ウイルスを選択的に減少させる)ということになりますので、耐性ウイルスが出現してしまった以上、基本的にはタミフルを使うべきではない状況になったということだと、私は考えます。

 タミフル耐性ウイルスにはリレンザが効くといっても、タミフルが効くかどうか試しているうちに、リレンザの有効期限である感染から48時間以内という時間が過ぎてしまうという恐れもあります。

 というわけで、今年のインフルエンザにはタミフルを使うべきではないということになるでしょう。

 ところで、「新型インフルエンザ」対策と称して大量に備蓄しているタミフルですが、そちらが今回のAソ連型のような耐性を獲得してしまったらどうしたら良いのでしょう。Aソ連型では、こんなに簡単に耐性が出現したのですから、そちらも覚悟して別の方法を考えておいたほうが良いということにならないでしょうか。

 タミフルには不幸なことでしたが・・・。
by stochinai | 2009-01-26 20:39 | 医療・健康 | Comments(0)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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