2009年 01月 30日
米軍兵士だって戦争に行きたくない
BBC NEWS に米軍兵士の自殺が増えているという記事がありました。
US army suicides hit record high
2008年のアメリカ陸軍(?US army)における自殺者の数が128名(それプラス調査中が15名)だったそうです。昨年も同じような記事があって、2007年もも記録的に自殺者が多かったというニュースだったのですが、その時で115名です。
US army suicides at record level
この時にも、2006年よりも13%増加したということで問題になっていました。今年も増加傾向が続いているということです。
もちろん、背景にイラク・アフガニスタン戦争があるわけですが、派兵される前に自殺した人が35%、派兵中に自殺した人が30%(そのうちの4分の3が最初に派遣された時)、そしてアメリカ帰還後に自殺した人が35%です。原因はいろいろなところにあるのでしょうが、最初の派兵の時に自殺する人が多いということは、やはり戦争という現実を目の当たりにして耐えられなくなったということなのかもしれません。ニュースなどを見ていると、米軍の兵士は勇敢にどんどん殺戮をしているように思えますが、この自殺者の数を考えると彼らの多くも「普通の人」なのだろうと感じます。
もちろん誰だって殺されたくないでしょうが、「普通の人」ならば殺すのもいやなはずです。アメリカの兵士の多くは、不法移民やアフリカ系などの貧しい階層の人だと聞きます。アメリカの正義を信じて戦争に参加するというよりは、貧困から逃れるための手段として軍隊に参加した人にとって、本当に殺したり殺されたりする戦場で平気でいられるはずはありません。これだけ自殺する人が多いということは、その寸前まで心を病んでいる人がその何十倍もいるのではないかと推測されます。
それを考えると、400人の子どもを含めたガザの人々を1300人以上も殺したイスラエルの兵士の中にも心を病んでいる人がたくさんいることが推測されます。
たとえ勝ったとしても、死にたくなるような結果になるのだとしたら、やはり戦争はヒトという動物にとって受け入れられるものではない異常行動なのでしょう。
権力闘争としての戦争で国レベルでは勝ち負けが決まったとしても、それに参加した兵士は両軍ともに敗北ということになる気がします。だとしたら、兵士にとってそれは自分のための戦いではないでしょう。
戦争なんて、やっぱり愚かすぎます。
【追記】
戦争をしていない日本の自衛隊でも自殺者が多いことが問題になっているようですね。こちらにまとめがあります。
自衛隊員の自殺が止まらない
戦争をするために存在する軍隊という組織そのものにも問題がありそうです。
US army suicides hit record high
2008年のアメリカ陸軍(?US army)における自殺者の数が128名(それプラス調査中が15名)だったそうです。昨年も同じような記事があって、2007年もも記録的に自殺者が多かったというニュースだったのですが、その時で115名です。
US army suicides at record level
この時にも、2006年よりも13%増加したということで問題になっていました。今年も増加傾向が続いているということです。
もちろん、背景にイラク・アフガニスタン戦争があるわけですが、派兵される前に自殺した人が35%、派兵中に自殺した人が30%(そのうちの4分の3が最初に派遣された時)、そしてアメリカ帰還後に自殺した人が35%です。原因はいろいろなところにあるのでしょうが、最初の派兵の時に自殺する人が多いということは、やはり戦争という現実を目の当たりにして耐えられなくなったということなのかもしれません。ニュースなどを見ていると、米軍の兵士は勇敢にどんどん殺戮をしているように思えますが、この自殺者の数を考えると彼らの多くも「普通の人」なのだろうと感じます。
もちろん誰だって殺されたくないでしょうが、「普通の人」ならば殺すのもいやなはずです。アメリカの兵士の多くは、不法移民やアフリカ系などの貧しい階層の人だと聞きます。アメリカの正義を信じて戦争に参加するというよりは、貧困から逃れるための手段として軍隊に参加した人にとって、本当に殺したり殺されたりする戦場で平気でいられるはずはありません。これだけ自殺する人が多いということは、その寸前まで心を病んでいる人がその何十倍もいるのではないかと推測されます。
それを考えると、400人の子どもを含めたガザの人々を1300人以上も殺したイスラエルの兵士の中にも心を病んでいる人がたくさんいることが推測されます。
たとえ勝ったとしても、死にたくなるような結果になるのだとしたら、やはり戦争はヒトという動物にとって受け入れられるものではない異常行動なのでしょう。
権力闘争としての戦争で国レベルでは勝ち負けが決まったとしても、それに参加した兵士は両軍ともに敗北ということになる気がします。だとしたら、兵士にとってそれは自分のための戦いではないでしょう。
戦争なんて、やっぱり愚かすぎます。
【追記】
戦争をしていない日本の自衛隊でも自殺者が多いことが問題になっているようですね。こちらにまとめがあります。
自衛隊員の自殺が止まらない
戦争をするために存在する軍隊という組織そのものにも問題がありそうです。
Commented
by
ある
at 2009-01-30 23:40
x
自殺といえば、動物も自殺すると聞いたことあります。自然の摂理なんでしょうか?それとも、人間ならではの”特性”なのでしょうか?
0
Commented
by
stochinai at 2009-01-30 23:49
動物の自殺って、「集団自殺するレミング」の話でしょうか。ネットで調べてもわかるとおり、作り話のようです。それを除くと、私は自殺する動物に関する情報は持ち合わせません。ないと思います。
アポトーシスという「細胞の自殺」として知られる現象がありますが、脳のない細胞に「意志」はありませんので、ヒトの自殺とはまったく異なるものです。
アポトーシスという「細胞の自殺」として知られる現象がありますが、脳のない細胞に「意志」はありませんので、ヒトの自殺とはまったく異なるものです。
Commented
by
lba
at 2009-01-31 00:41
x
国内を攻撃されてるイスラエル兵と大儀を失ったイラク内の米兵とではモチベーションが違ってくると思いますよ。
Commented
by
Stochinaiさん
at 2009-01-31 01:22
x
ありがとうございます。人間がなぜ、自殺するかについて考えさせられます。この記事、ご存知でしょうか?
ttp://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1115213661
ttp://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1115213661
Commented
by
stochinai at 2009-01-31 07:44
lbaさん
イスラエルは男女を問わず国民皆兵ですから、軍隊内部には必ず異論を持った人がいて、アメリカ軍とはまた違った問題があるはずだと思います。でも、そういうことはほとんど表に出てこないですよね。
確かに親族を殺されたイスラエル兵もいるでしょうが、それにしても数人の被害を100倍にして返すモチベーションって狂ってると思います。
イスラエルは男女を問わず国民皆兵ですから、軍隊内部には必ず異論を持った人がいて、アメリカ軍とはまた違った問題があるはずだと思います。でも、そういうことはほとんど表に出てこないですよね。
確かに親族を殺されたイスラエル兵もいるでしょうが、それにしても数人の被害を100倍にして返すモチベーションって狂ってると思います。
Commented
by
stochinai at 2009-01-31 07:47
Yahoo!知恵袋のやりとり、おもしろく読ませていただきました。しかし、こういう議論の中に、たくさん「事実ではない情報」が混じっているのは、話を混乱させるもとになりますね。そうした情報を欲しがっている人が出会うと、あっさりと信じてしまいそうでちょっと怖いと思いました。
Commented
by
風来坊
at 2009-01-31 10:19
x
戦争は愚かではあるけど、双方ともやりたくてやるものではなく、必要悪であって、”戦争=犯罪”と誤解している日本国の方が、より愚かと存じます。
Commented
by
【な】
at 2009-01-31 12:19
x
by stochinai
| 2009-01-30 20:47
| つぶやき
|
Comments(8)