2009年 02月 26日
Natureが研究者にブログで研究成果を公表することを勧めている
Natureに掲載が決まった論文については、論文を掲載した号が出版される当日まではマスコミ報道してはならないというルールは有名です。
このことから、Natureは自分のところに掲載される論文についての情報の発表を禁じていると信じている人が多いと思います。私もそうだと思っていました。それで、ブログを推薦しているNatureのEditorial記事「ブログはいいぞ It's good to blog」をざっと流し読みした時にも、科学者が自分の出した論文について、解説したり読者と議論したりするのにブログが良いというような一般的な話かと思い、あまり真面目に読んでいなかったのですが、さきほど全文を読んで、ちょっと驚きました。
なんと、Natureに掲載が決まった論文の内容について、出版前にブログで取り上げて解説したり、議論したりすることは禁止しないと宣言しているのです。
Editorial
Nature 457, 1058 (26 February 2009) | doi:10.1038/4571058a; Published online 25 February 2009
It's good to blog (ブログをすることはいいことだ)
More researchers should engage with the blogosphere, including authors of papers in press. (論文の印刷を待っている人を含め、もっとたくさんの科学者がブログの世界に関わるべきだ)
私もちょっと誤解していたのですが、Natureは掲載前にその論文の研究成果を学会で発表したり、投稿前のプレプリントを個人サーバーやリポジトリで公開することを禁止していたことはない、のだそうです。
ここでは、それが積極的にマスコミに売り込まれたということでない限り、印刷公表前にマスコミの取材を受けて、ある事象について科学的に正しいかどうかを答えたりすることが、たとえそれがNature掲載論文の内容に引っかかっていたとしても、それはNatureの印刷前公表禁止ポリシーに抵触しないということを公式に認められています。
もちろん、掲載が決まった論文の内容がNatureに出るぞという情報とともに公表されることは厳に禁止されていることは、ご存じの通りです。
ただし、そうは言ってもNatureにしょっちゅう論文が載るような人が、ブログをやるかどうかということは、また別問題のような気はしますが(笑)。
このことから、Natureは自分のところに掲載される論文についての情報の発表を禁じていると信じている人が多いと思います。私もそうだと思っていました。それで、ブログを推薦しているNatureのEditorial記事「ブログはいいぞ It's good to blog」をざっと流し読みした時にも、科学者が自分の出した論文について、解説したり読者と議論したりするのにブログが良いというような一般的な話かと思い、あまり真面目に読んでいなかったのですが、さきほど全文を読んで、ちょっと驚きました。
なんと、Natureに掲載が決まった論文の内容について、出版前にブログで取り上げて解説したり、議論したりすることは禁止しないと宣言しているのです。
Editorial
Nature 457, 1058 (26 February 2009) | doi:10.1038/4571058a; Published online 25 February 2009
It's good to blog (ブログをすることはいいことだ)
More researchers should engage with the blogosphere, including authors of papers in press. (論文の印刷を待っている人を含め、もっとたくさんの科学者がブログの世界に関わるべきだ)
私もちょっと誤解していたのですが、Natureは掲載前にその論文の研究成果を学会で発表したり、投稿前のプレプリントを個人サーバーやリポジトリで公開することを禁止していたことはない、のだそうです。
if Nature journalists or those from any other publication should hear results presented at a meeting, or find them on a preprint server, the findings are fair game for coverage — even if that coverage is ahead of the paper's publication. This is not considered a breaking of Nature's embargo. Nor is it a violation if scientists respond to journalists' queries in ensuring that the facts are correct — so long as they don't actively promote media coverage.とりあえず、私はNatureに掲載されるようなネタを持っておりませんので関係ありませんが(汗)、ここに書いていることはとても重要だと思います。
ここでは、それが積極的にマスコミに売り込まれたということでない限り、印刷公表前にマスコミの取材を受けて、ある事象について科学的に正しいかどうかを答えたりすることが、たとえそれがNature掲載論文の内容に引っかかっていたとしても、それはNatureの印刷前公表禁止ポリシーに抵触しないということを公式に認められています。
もちろん、掲載が決まった論文の内容がNatureに出るぞという情報とともに公表されることは厳に禁止されていることは、ご存じの通りです。
we ask that authors refrain from actively promoting their work to the media and public ahead of its publication.こうした文脈で、Natureが積極的にブログを勧めているということは、彼らがブログというものを学会における討論と同じように位置づけたという意味で重要なことかもしれません。
ただし、そうは言ってもNatureにしょっちゅう論文が載るような人が、ブログをやるかどうかということは、また別問題のような気はしますが(笑)。

何回かNatureへの投稿論文に関係しましたが、Nature の方針はこの数年で明らかに変化しています。これは、オンラインプレプリントの普及と、他の雑誌との競争、および研究機関がプレス発表を大々的に行う風潮が関係していると思います。あまり縛り過ぎると、めざましい研究成果を投稿してもらえなくなるためでしょう。
2年前でも、研究者の間で発表・議論するのはかまわないが、プレスの取材がはいっている学会では発表するな、主たる内容が他のメディアに先に出たら、自動的に掲載拒否になると警告されていましたが、この記事のところまで緩和されれば、まあ、執筆者側としては気が楽になります。
2年前でも、研究者の間で発表・議論するのはかまわないが、プレスの取材がはいっている学会では発表するな、主たる内容が他のメディアに先に出たら、自動的に掲載拒否になると警告されていましたが、この記事のところまで緩和されれば、まあ、執筆者側としては気が楽になります。
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やはりそうですよね。掲載拒否事件もありましたので、なんだか昔と言ってることが違うと感じていたのですが、すっきりしました。いずれにせよ、この動きは歓迎したいところですね。
nature の記事を読んで、一瞬「よし!出版前にブログで宣伝できる!」と意気込んだのですが、まず、nature に載るような研究をするのが先でしたね。がっかり。
>Natureにしょっちゅう論文が載るような人が、ブログをやるかどうかということは、また別問題のような気はしますが
ブログ辞めた方がいいでしょうかね・・・ <逆は真ならず
>Natureにしょっちゅう論文が載るような人が、ブログをやるかどうかということは、また別問題のような気はしますが
ブログ辞めた方がいいでしょうかね・・・ <逆は真ならず
ブログをやっている研究者の方も、時折「よっしゃNature通ったぞ」というようなエントリーを書いていらっしゃるのを見かけますので、おそらくブログをやっていようがいまいが、Natureに掲載されるような論文が書ける確率はそう違わないような気がします。逆に、NatureがOKしているということは、業界のスタンダードになる可能性もあると思いますので、流れはそちらへ向かっているということで、ブロガー研究者に一日の長があると思っておきましょう!
by stochinai
| 2009-02-26 18:48
| コンピューター・ネット
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Comments(4)