5号館を出て

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政権交代が最重要課題なのか

 千葉県知事に森田健作さんが大差で当選だそうです。

 自民党員だったこともあるはずの森田さんは、今回は自民党の正式な推薦は受けていなかったものの自民党県議の約半数が支援したということですし、事実上は自民党推薦ということは千葉県民も承知の上でしたでしょう。一方、民主党、社民党、国民新党、日本新党という政権交代を目指す連合勢力が推薦した吉田平さんが敗北したということで、この結果を政権交代に対する「ノー」を意味していると考える向きもあるようですが、マスコミ各社が騒ぎ立てているほど政権交代と連動した結果と見るのは、騒ぎすぎのような気がします。

 しかし、選挙民の投票行動などというものは、ちょっとしたことで大きく動くものですから、今回の結果に小沢一郎さんの公設第1秘書の逮捕・起訴が影響していることもまた事実なのでしょう。理由も良くわからない理由で、熱病に浮かされたように選挙結果が大きく動く可能性があることは、我々は小泉郵政選挙で経験済みです。

 そう考えてみると、ふわふわと動く世論の支持を得ることばかりに気を遣って、右往左往することが果たして政党の行動として正しいのかというところをもういちど考えて見た方が良いかもしれません。

 私も今回の小沢さんの秘書逮捕は明らかにおかしいと思いますし、それが国策捜査として行われたかどうかはさておいても、結果的に民主党に大きなダメージを与えることになっているということにも異論はほとんどないと思います。そして、それが今日の千葉県の知事選挙の結果にも影響を与えたことも確かなのかもしれません。

 しかし、さきほどテレビのインタビューを受けていた森田さんの言葉からは、(選挙戦の疲れで、普通ではなかったのかもしれませんが)この人を知事に選んだ千葉県民の方々には申し訳ありませんが、残念ながら「この人が知事になってしまって、本当に良いのですか」という印象しか受けませんでした。

 つまり、現在の日本という国が持っている民意あるいは民度というものはその程度のものであり、その民意ばかりを気にして世論調査を政治解析の最大のよりどころにしているように思えるマスコミの意見も、同じような程度になってしまっていることが感じられます。そんなマスコミが、今日の選挙結果を受けて判で押したように小沢退陣の論を張ったコメントを流すことは予想に難くないのですが、もうそろそろ聞き飽きてきた人も多いことと思います。

 私もついさっきまでは、小沢さんの秘書の逮捕は明らかすぎるほど政治的影響力を持った、不用意にあるいは意図的に行われたものであるとしか考えられないから、そんなことに負けないで戦って欲しいと思う一方で、それはそれとしてがんばりながらも、政権交代を目指す政党としては選挙における投票を得るために、最大限に効果的なタイミングとやり方で小沢退陣を実現し、選挙に勝利することを目指すべきだと思っていました。

 しかし、今日の選挙結果を見ていると選挙民の行動というものが、想像を遙かに超えて軽いものであり、そんなものを掴まえるために、正義や信条までも捨ててしまっていいのかどうか、はなはだ疑問に思えてきました。

 そんな吹けば飛ぶような「国民」の支持を得るために、時には小異を捨てて大同に付き、合従連衡を繰り返しながら進んでいくのが政治なのかもしれませんが、そのようなことを積み上げた結果として交代された政権などというものは、実はもう中身にはそれほどの違いがなくなってもいるのではないでしょうか。

 今、我々が求めている政権交代がそのようなものになっているのだとしたら、もはや政権交代のみを最優先課題として行動することの意味がわからなくなってきます。

 ひょっとすると、万年与党と万年野党がいた50年55年(^^;)体制下の日本の方が、落ち着いて住みやすかったのではないか、などと思えてきたりもする選挙結果でした。
Commented by 通りすがり at 2009-03-31 00:52 x
万年与党と野党が良いと思わせるのが、情報操作のねらいじゃないかと最近思います。

Wikipediaの”情報操作”の項目の一部を抜き書きします。

マスメディアの編集方針による情報操作は偏向報道とされる。顕著なものは
1)やらせ報道
2)誘導的な質問をした後の回答のみを報道
3)長いインタビューの一部を切り貼りして、発言者の意図と異なる趣旨の内容に編集して報道(言質による報道)
4)根拠が薄弱なまま「○○の恐れがある」と不安のみを煽る報道
5)事実と異なる報道を行った後、その取り消しを行わない
6)アンケート対象の意図的な絞り込み、自由記述型にすべき回答欄を故意に多肢選択型にして結果を操作する
7)マスメディアやその支援者に都合の悪い事実を報道しない
8)情報源を「関係筋」として詳細を公開しない
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このリストの基準は、3月初めの小沢氏秘書逮捕以降の報道に多く当てはまるので驚きました。特に8)です。「関係者の話でわかった。」という報道が、毎日のようにされました。
Commented by 通りすがり at 2009-03-31 01:13 x
上記のWikiの最後に
“常に情報操作を行うのではなく、必要な時だけ行い、それ以外は避けて真実を報道し続けることが最も効果的な情報操作である。”
とあります。

千葉の選挙後に、かんぽの宿疑惑や、森田健作の無所属隠しを報道し始めたマスコミと重なり、嫌な思いです。

偶然でしょうか?
読売と毎日の、森田氏の報道の最初の文の構造が同一です。下記のように()で情報を除くと、同じ文です。

 千葉県知事選で(100万票余を獲得して)初当選した(元衆院議員の)森田健作氏(59)が、現在も東京都の自民党支部長を務めていたことがわかった。(読売新聞)
ttp://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090330-OYT1T00515.htm

千葉県知事選で(政党色を出さない選挙運動で)初当選した森田健作氏が、自民党の政党支部「自民党東京都衆院選挙区第2支部」の代表を現在も務め、(この支部が受けた企業献金の一部を森田氏の資金管理団体に寄付し)ていたことが分かった。(毎日新聞)
ttp://mainichi.jp/photo/news/20090330k0000e010071000c.html

情報操作 Wikipedia
ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%83%85%E5%A0%B1%E6%93%8D%E4%BD%9C
Commented by ある at 2009-03-31 01:22 x
森田健作が当選したのは、大阪府知事や宮崎県知事、古くは長野県知事や東京都知事と知名度のあるアピール性の強い県知事が重要だと考えるのが妥当じゃないでしょうか?もちろん、ちょっと情報操作の疑いも強いですが、小沢の件で民主党がダークなイメージをもってしまったので、反自民という集票組織になりにくくなったというのもあるでしょうが(無党派層がソッポを向いた)。
Commented by 通りすがり at 2009-03-31 01:37 x
小沢氏のダークなイメージは情報操作の影響だと思いますが、

森田健作の当選は情報操作ではありません。

森田健作の当選で、内閣や与党の支持率に歯止めがかかり、情報操作の目的達成を確かめた上で、真実の報道らしきもの(森田健作の無所属隠し)を、報道し、
”マスコミはちゃんと不偏不党で事実を伝えてますよ”
という態度をとることが、Wikiが指摘する
“常に情報操作を行うのではなく、必要な時だけ行い、それ以外は避けて真実を報道し続けることが最も効果的な情報操作である。”
と一致すると思うのです。

考え過ぎかもしれませんが、偶然にも、別な記者が書いたはずの報道内容の書き出しの文が同一で、故意にそろえた様に見えるのです。
Commented by ある at 2009-03-31 01:55 x
通りすがりさん。これは由々しき問題ですね。日本は民主主義といいつつ、マスコミが操る情報に国民が操られて踊らされて、投票するという「民主主義国家」には程遠い国なのかもしれません。読売新聞のナベツネが自民党と蜜に連絡を持っているとのうわさはありますし。
Commented by 通りすがり at 2009-03-31 02:29 x
あるさん、僕は誰が操作してるか、本当に情報操作があるか、わかりません。
ただ、状況証拠はそろっている気がします。

例えば、小沢氏の秘書逮捕の件ですが、
秘書の逮捕: 自分が目を通した海外の主要メディアの半数程度は報道。
秘書の起訴: 自分が目を通した海外の主要メディアのほぼ全てが報道
これらは事実です。

一方、3月中に、“関係者の話で、xxxxがわかった”という、スタイルで、小沢氏の贈収賄関与が連日報道されました。しかし、海外メディアは1社も、関係者の話を報道していません。きわめて不自然です。おそらくウラがとれない記事なのでしょう。

海外メディアが報じない日本のマスコミ報道が、Wikipediaの捏造報道の例の
“8)情報源を「関係筋」として詳細を公開しない”
と一致するのは偶然なのでしょうか??
Commented by ある at 2009-03-31 09:23 x
通りすがりさん なるほどです。
Commented by chibakenmin at 2009-04-01 14:27 x
今回は今までになく投票したい人がいない状況でした・・・

それと、県知事を選ぶときには党所属は関係ない気がします。議員じゃなく一人で決められる部分が大きいですし
Commented by 通りすがり at 2009-04-12 22:31 x
私は、世論操作はあると思います。必要な時だけ、巧みに、報道に織り交ぜられます。千葉県知事選は、世論操作の効果を見る節目でだったと思います。

3月の報道では、ニュースソースが「関係者の話では。。。」という西松建設関連の記事が大変多く、ほとんど毎日、何処かの新聞、テレビが報道しました。ところが、千葉県知事選後、フェードアウトし、関係者の話の報道が消えました。

関係者は、何処へ行ったのでしょう?3月の新聞記事をスクラップすると、点と線が繋がり、世論操作が目的と分かります。。

この種の世論操作が目的の記事は、報道機関が異なっても、内容や文の構造までも似ています。ソースは「関係者の配布文書」でしょう。記事を注意深く整理すると、3月のニュースソースの「関係者」は、特捜部ではなく、政権側と思える記載がありました。
Commented by 通りすがり at 2009-04-12 22:36 x
最近、森田知事批判の、報道を目にしますが、これも世論操作の、一部でしょう。自民党寄りの政治家を、適当に叩くことで、公平性をカモフラージュしている気がします。

郵政選挙は、マスコミが誘導しました。小泉首相が、森氏と、茶番の会談をするまで、小泉内閣の支持率は低く、選挙に負けると言われていました。今回と構図は同じです。ところが、結果は大勝利です。私は、秋の衆議選は自民党が勝つと思います。

麻生氏が、解散を口にしないのは、6月以降になると、小沢氏の秘書の公判が始まります。。公判の報道の中での選挙の方が確実に有利です。また、裁判は陪審員制です。陪審員に政治献金に厳しい判決を出せる様に誘導も可能です(裁判官は誘導されません)。
by stochinai | 2009-03-29 23:26 | つぶやき | Comments(10)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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