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大学院共通授業「研究者のための映像制作技法」

 CoSTEPの教員によって、今年から全学の大学院共通授業科目「研究者のための映像制作技法」が始まりました。1単位の授業なので4月から始まった講義なのですが今日が最終回ということで、受講生が制作した作品発表会が行われましたので、聴講させてもらいました。

 学生は4つのグループに分かれて、市販されている「太陽電池を理解するための教育実験キット」を使い、高校生くらいを対象にしたコミュニケーションビデオを作成するという実習を行ってきたということで、今日は完成作品が発表されました。
大学院共通授業「研究者のための映像制作技法」_c0025115_19574279.jpg
 それぞれが自由に作ったビデオ作品は次の通りです。

1. 1班 作品タイトル「太陽電池 ~光の色と発電~」
作品時間 2分29秒

2. 2班 作品タイトル「太陽光発電と農業への応用」
作品時間 4分41秒

3. 3班 作品タイトル「太陽電池 ~光の種類と電力の関係~」
作品時間 4分25秒

4. 4班 作品タイトル「暮らしに役立つソーラー発電」
作品時間 4分28秒

 授業の説明ページから、その目的を引用します。
映像は、イメージや現実に行われていることを的確に伝える手段の一つと考えられます。難解な科学技術も映像に置き換えることで、わかりやすく伝える事が可能となるのではないでしょうか。しかし、映像を使用し的確に伝えるためには、映像特有の表現スキルを身につけなければなりません。そこで、研究者にとって有用な、映像表現の理論と技法の習得を目指します。
 受講生の中には、このテーマに近い専門分野の学生もいたようで、その差が出てしまったところもあったのかもしれませんが、どのグループもこれまでのたった7回の授業の中で、よくここまでたどりつけたものだと感心しました。

 動画というのは、静止画と違って「時間」というファクターが加わる分、表現力が大きいのですが、その分他人に見せるものを作るのはかなりハードルが高いものです。

 作品を制作した学生さん達も、まず太陽電池キットというものを理解し、その上でそれを題材にある種の「教育番組」を作るということの難しさとおもしろさを同時に体験するという貴重な経験になったと思います。こんなちょっとしたことでも、経験があるとないとでは、自分が将来コミュニケーションの手段として動画を使うということがチョイスのひとつになるかならないか、というくらい大きな差になったのではないかと感じました。

 動画を「使えるコミュニケーション手段」にするためには、しっかりとした企画とシナリオ、ハードとソフトの使いこなしの技術というものがいかに大切か、そうしたものをクリアした上でなければ、コミュニケーションなどおぼつかないということが良くわかりました。

 逆に、そういうことを考えているだけでは、動画というのはやはりハードルの高さにひるんでしまう相手だと思いますので、こうした授業などで、半ば強制的に経験しておくというのは非常に有効な教育になるということも良くわかりました。

 学生の皆さん、そして彼らを教育・指導した教員のみなさん、お疲れさまでした。

 ソフトハードともに動画を扱うことの経済的障壁はどんどんなくなりつつある現代ですので、これは間違いなく今後の大学・大学院におけるコミュニケーション教育の中において重要な位置を占めるもののひとつになることでしょう。
Commented by はやおか at 2009-06-12 00:03 x
今週はいろいろとおつきあいいただき、ありがとうございました。

きれいに作ってしまうより、失敗して課題が多く見える方がいいだろうという判断と、時間が無いこともあって今回はほとんど好きなようにやらせました。

短時間で意外とがんばったなというのと、中身に関してはもうちょっと助けたほうがよかったかな、という思いが相半ばして、我々にもよい勉強になりました。

まだまだ試行錯誤です。学部生のもまた後ほどよろしくお願いします。
by stochinai | 2009-06-10 20:20 | 教育 | Comments(1)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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