5号館を出て

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足なしガエルの謎が解けた

 BBC EARTH NEWS の記事です。

Legless frogs mystery solved
足なしガエルの謎が解けた


 こういうカエルの写真が「環境汚染」のキャンペーンでよく使われることがあります。

 奇形のカエルで足が多くなる多肢症は寄生虫が直接の原因だという研究結果がありました。まあ、その元には肥料のやりすぎによる「環境破壊」があったので、そちらはまあ環境派と言われる方々にもなんとなく納得されていたかもしれません。

 今日のニュース記事は、足のないカエルは農薬などの化学薬品や、オゾン層の破壊によるUV-Bの増加などによるものではなく、トンボのヤゴがオタマジャクシの足を食べたことが原因で生じたものだという、身も蓋もないお話です。

 こちらにオタマジャクシの足だけを食べて逃げられたトンボのヤゴの動画があります。
c0025115_213133.jpg

http://news.bbc.co.uk/earth/hi/earth_news/newsid_8117000/8117495.stm

 まあ、ヤゴだけではなくオタマジャクシの足を食べる可能性のある動物は他にもいて、トゲウオ、イモリ、ゲンゴロウ、タガメやミズカマキリなどすべてにその犯行の可能性があると言っています。

 それにしても調べたフィールドでは1.2%から9.8%にものぼる足のないオタマジャクシや幼ガエルがいますので、本当に食べられかけたケガだけがすべての原因として良いかどうかはまだ断定できないような気もしますが、現状では化学物質による汚染を考える必然性はなくなったということかもしれません。また、透明標本を作ってみても、足がないこと以外に異常がみられないことも、「食べられた」説を支持していると言えます。

 また、足のないカエルはいても、手のないカエルはほとんど見つからないこともちょっと謎なのですが、研究者は、オタマジャクシの前足は袋に入っていて保護されているし、カエルになるとできてくる皮膚の毒腺が足にできてくるのが遅いので食べやすいのだろうという説明をしています。

 足のないカエルに関しては、我々が飼育しているアフリカツメガエルでも同じ理由(先に変態したカエルがオタマジャクシの足を食べる)でしばしば生じますので、なんとなく納得できる記事でした。
Commented by ぜのぱす at 2009-06-25 23:42 x
あ”っ・・・・。

なぁ〜んだ。ホントに身も蓋もない話ですね。

実験室で飼っていると、時々、片方の前脚や後脚のないものが出て来ます。その度に、をっ!、mutantか!?と喜ぶんですが、違います。多分、発生の段階で原基が、後天的にダメージを受けているんだと思いますが、具体的に何が起きているのかは不明です。
Commented by さなえ at 2009-06-27 10:01 x
オタマジャクシは空から降ってこなくてもならず忙しいことですね。ド素人から疑問ですが、もし足が食べられたものであるなら、断面を調べればすぐにでも分かることだと思うのですが、これまで足のないカエルを意図的に情報操作に利用してきた人たちがいたということなのでしょうか。
Commented by stochinai at 2009-06-27 12:45
 傷口はけっこうきれいに治ってしまうので、食われた直後でなければわからないと思います。情報操作に利用するというよりは、環境保護派にとっては環境汚染が原因の方が都合がいいので・・・・。
Commented by nori at 2009-06-30 14:18 x
捕まえて切断しても、分からないってことですよね。
Commented by stochinai at 2009-06-30 15:23
 そういうことになると思います。
by stochinai | 2009-06-25 21:34 | 環境 | Comments(5)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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