5号館を出て

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春分の日(地震から一夜明けて)

 暑さ寒さも彼岸までという春のお彼岸ですが、ここ数日の札幌は今までの寒さを取り返すように駆け足で雪を融かしています。私はと言えば、例年通り、暖かい休日には雪解け水を流す水路作りと氷割りを楽しんでいます。この遊び(?)は小学生の頃からずっと続けて来た春の行事です。

 そう言えば、北海道でも20年くらいも前の春のお彼岸の日に比較的大きな地震があったことを思い出しました。十勝沖地震だったでしょうか。お墓参りに行こうとしている時に地震が起きたので、日にちもはっきりと記憶にあります。今回の地震でも、墓参りをしていて墓石がどんどん崩れる墓地で地震に襲われた人も多かったようです。墓石は地震対策をしているものはほとんどないため、かなり簡単にくずれることが多いようですので、地震の時に墓地にいるというのはとても危険なことのようです。それにもかかわらず、墓地での人的被害のニュースもありませんでした。

 昨日もちょっと書きましたが、地震国日本の人々は意外と地震が起こったときに、自分の身を守るためにとっさの行動をとることができるような心構えがきているのかもしれません。たまたま今、NHKの10時のニュースでやっているところですが、地震が起こった時にビルから窓ガラスがどんどん落ちてきている下を歩いていた人々は、かなり適切な待避行動を取っていたことが監視カメラに記録されていたことがわかります。そこでも、深刻なケガ人は出ていないようです。

 驚いたことに今日になってから、壊滅的な打撃を受けた玄界島ではなく、福岡市内のあるビルおよびその周辺で避難命令が出されています。このままでは、ビルそのものが倒壊の恐れがあるということのようですが、地震の最中に倒れなかったのは単なる幸運だったのでしょうか。それとも、弱いとはいえそこそこの耐震対策が取られていたということなのでしょうか。

 立体駐車場のなかで、自動車が落下する途中でひっかかっているというケースもあったようです。完全に落ちて炎上でもしていたら、立体駐車場が火に包まれる可能性もあったかもしれず、これも幸運なのか、設計上の成功なのか、調査してみる必要がありそうです。

 それからもうひとつ、テレビの映像を見て気がついたことがあります。玄界島の様子ですが、全壊した家や屋根がなくなった家と、ほとんど無傷の家が隣り合っているケースがけっこう見受けられたように思います。もちろん遠景としての眺めですから、はっきりしたことは言えないのですが、家の壊れ方は「大被害が出る」か「ほとんど無傷」かというまったく異なる結果に分かれているような気がします。

 ちょっと見た感じでは、新築に近い家屋がほとんど無傷で残っている隣に、跡形もなく全壊している(おそらく古い)家があるようなところもあったように思われます。

 そうだとすると、最近の建築技術によって建てられた家屋というものは、それほど地震対策というものを意識しないで作られたとしても、意外と地震に強くなっているのかもしれません。

 最近10数年の技術革新はあらゆる方面に深く広がっていると感じることがあります。ハイテク製品に限らず、新しく作られている製品はこちらが気がつかないうちにいろいろな部分がどんどん改善されているのかもしれません。

 地震国である日本で新しく建てられる家は、耐震ということに関しては当たり前のように標準装備されているのかもしれません。

 知らないうちに、こういう目に見えないところも進化しているのだとすると、日本の産業というものは、私たちが思っている以上に誠実に消費者のことを考えてくれているのかもしれません。もしそうだとすると、日本の将来も意外と明るいかもしれないなどと思えてきます。

 能天気すぎるでしょうか。
by stochinai | 2005-03-21 22:46 | つぶやき | Comments(0)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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