5号館を出て

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マニフェストなんか知らないよ

 マニフェスト選挙なのだそうで、各党似たようなマニフェストを出して有権者の気を引こうとしています。もちろん、できるだけウソをつかないようにしながら、それでいてできるだけ幅広い有権者の気を引こうとしている苦労がうかがえるものが多く、それを作る苦労はお察しします。

 見ていて良くわかるのは、まさか政権を取ることにならないだろうという政党のマニフェストはすっきりしており、現政権政党(自公)と次期政権を取る確率がかなり高いと思われる民主党は苦しそうです。その理由ははっきりしていて、自公政権は先の選挙で提出したマニフェスト(公約)を、首相自らが「そのくらいの公約を破るなんてことは大したことない」ということで堂々と契約不履行をしてしまったツケがここへきて大きなものになっており、こんどはそうそうウソをつくわけにはいかなくなっているからで、一方民主党は政権を取ることがほぼ確実と言われる下馬評になっていますので、もしもマニフェストに書いてあることが実行できなければ絶好の攻撃材料になることは明らかだからです。

 他の弱小政党に関しては、「自分たちが政権を取った場合には実現できたはずだったが、残念ながら今回は運悪く(?)政権を取ることができなかったので、申し訳ないがマニフェストは実現できません」と涼しい顔をしていればよいので、かなり脳天気に書いているのではないかと思われます。

 そう考えると、マニフェストというものは選挙前にはそれほど事細かに検討してもあまり意味がないのではないかと思われてきます。

 もちろん、現時点で明らかになっている問題点に関しては、どのように対処するのかということをマニフェストに書いてもらいたいとは思いますが、そうした点に関してはたとえマニフェストに書かれていなくても、すでに選挙の争点として政党を比較する際の要点になっていますので、あえてマニフェストを比較検討するには及ばないという気がします。

 また、現時点で問題になっていないことが近い将来に続々と起こって来るであろうことは想像に難くありませんが、そうしたことに対して各政党・候補者一人一人に「こういうことが起こったらどうする」と尋ねて歩くわけにもいきません。たとえ、ある程度の組織を背景に公開質問状を出したとしても、各政党・候補者は答えてくれるとは限りません。向こうの立場になってみれば、ただでさえ選挙運動で忙しい時に、いろいろな人や組織が自分たちの都合で勝手に質問をぶつけられても、勘弁して欲しいというのが本音のようにも思えます。

 となってくると、選挙前のマニフェストや公約といったものは、実はそれほど候補者を選ぶのには使えない資料なのかもしれないと思えてきます。

 結局のところ、この人あるいはこの政党を議員にあるいは政権与党にしておけば、どんなに新しい問題が生じてこようとも、自分が考えることとそれほど違わない政治を行ってくれる、あるいは自分が考えるよりもはるかに素晴らしい政策を実現してくれそうな人や政党を選ぶことが選挙における「正しい行動」だと思われます。

 もちろん、それを選ぶための資料としてマニフェストはたいへん参考になりますが、上にも書いたようにかなり当てにならないものだとも感じられます。

 となれば、マニフェストを越えた生身の人間として誰が信じられるか、どの政党が信じられるかという件に関しては、過度にマニフェストにたよるべきではないとも言えるでしょう。

 そもそも、マニフェストは次期の政権政党が本当に約束を守るかどうかを監視するためにこそ役に立つものなのですから、今回我々が審査すべきは前回の郵政選挙において自民党が出したマニフェストであり、その後4年間で自公政権がそこに書かれていたことを実現できていなかったのだとしたら、それだけで彼らに政権からお引き取り願う大きな理由になるのだと思います。

 というわけで、今回の選挙で提出されたマニフェストに関しては、それほど真剣に比較検討する気が失せております。

 というわけで、とりあえず次は現政権以外にお願いしたいと思っております。
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 (C) photoXpress
by stochinai | 2009-08-22 21:38 | つぶやき | Comments(0)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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