5号館を出て

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目で見る自然選択

 ダーウィンの進化論の話をするときに、「同種の中にもいろいろな性質を持ったものがいて、環境の変化の中でたくさんの子を残せるものとそうではないものという差が生じると、自然による選択を受けて進化が起こる」というような話を良くするのですが、その実例を提示することはそれほど簡単ではありません。

 昨日、庭仕事を始める前に見回った庭で、ドクダミがほとんどすべて先週の寒波に当たって凍害に遭い、枯れてしまっている中に、一株だけ青々とした緑のままのものを発見しました。
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 ドクダミはもともと本州以南に分布している植物だったようですが、最近の植物図鑑では「北海道南部よりも南に分布」と書かれているものもあります。

 我が家は北海道の南部というよりは中部あたりに位置していますので、札幌にドクダミが繁殖しているということは、地球が温暖化してきたか、ドクダミが耐寒性を獲得してきたかということが考えられます。(札幌は都市化のせいで特に暖かいということもあるのかもしれません。)もちろん耐寒性を獲得したといっても、地上部は霜に遭うと簡単に枯れてしまうくらい寒さには弱いものだと思っていましたので、この霜にも負けなかった一株を見たときに、ドクダミが耐寒性を獲得しつつ北方に進出しているのではないかと感じました。

 この先、雪の下でも葉が枯れずにいるとは思えませんが、少なくともほとんどの株の地上部が枯れてしまうくらいの低温には耐性を持った株が生まれてきたのだとすると、なんだか進化の現場を目撃しているようでワクワクします。

 それはさておき、これは我が家の「園芸用ブロッコリー」です。
目で見る自然選択_c0025115_21315322.jpg
 もちろんブロッコリーを食べた時に残った太い茎を挿し木にして育てたものなのですが、私の記憶によるとこれは昨年の冬を屋外で越したものです。昨年の今頃に「キャベツのハボタン仕立て」という記事を書いたように、キャベツは意外と寒さに強かったという印象ですが、同じようにこのブロッコリーも屋外で冬を越したのではないかと記憶しています。

 ネットで調べると、ブロッコリーは寒さに強くないので日本では冬に死んでしまい、一年草のような生活をするけれども実は多年草だと書いてありました。ひょっとすると、このブロッコリーは昨年のお正月(2つ前の冬)に室内で花を咲かせた株で、前の冬の時には屋外で(ひょっとすると、零下にはなる玄関フードの中で)冬を越えたものだと思います。

 いずれにしてもブロッコリーも想像以上に寒さに強いことは間違いなく、このまま何度も冬を越えて育て続けたら「ブロッコリーの木」ができそうな気がします。

 ど根性ドクダミと同様に、このブロッコリーは先週の寒波では屋外でびくともしませんでしたので、このまま外で冬を越させてみたいと思います。来春まで生き延びたら、このブロッコリーも耐寒性を獲得して進化したものとして、またご報告したいと思います。
by stochinai | 2009-11-09 21:44 | 生物学 | Comments(0)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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