5号館を出て

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ガイアナで発見された肺のないアシナシイモリ

 ナショナルジオグラフィックの日本語ページでおもしろい記事を発見しました。

肺の無い新種のアシナシイモリを発見

 実は、サンショウウオやアシナシイモリで肺のない(退化した)種類はいくつか見つかっているのだそうで、今回のアシナシイモリは、肺のないものとしては2番目の発見になります。そういう意味では、昨年発見された肺のないカエルは大発見でした。

肺の退化したカエル

 まあ、カエルでさえ肺の退化したものがいるのですから、見たところミミズと見間違うほど細くて小さいアシナシイモリに肺のないものが見つかっても、それほど不思議ではないのですが、私はこういうニュースが大好きです。今日配信された目次メールで、すでに論文がオンラインで手にはいることもわかりました。

A new lungless caecilian (Amphibia: Gymnophiona) from Guyana
ガイアナで発見された肺のないアシナシイモリ_c0025115_213325.jpg
 体長が11センチほどで、体の太さは5ミリほどで、アシナシイモリを知らない人が見たら絶対にミミズだと思うと確信します。
ガイアナで発見された肺のないアシナシイモリ_c0025115_2145357.jpg
 歯はあるようですが、目もない鼻の穴もなく、体節の様子などはまさにミミズです。

 ところが、さすがに現代の新種記載です。頭部のCTスキャン像が掲載されており、しっかりと骨があることから、ミミズなどではなく脊椎動物であることがよくわかります。
ガイアナで発見された肺のないアシナシイモリ_c0025115_2185962.jpg
 こんな動物が地球にいるのだということがわかるという意味において、非常におもしろく意義のある論文だと思います。

 蛇足ですが、最近はやりの事業仕分けにかかると、「そんなことの研究に税金を使っていったい何になるのだ」と言われるかもしれませんが、こうした研究の持つおもしろさと意義を訴えることができないのならば、人からお金をもらって研究をする権利を獲得することはできなくても仕方がないですね。

 もちろん、このような研究ができるということはある意味で国家に余裕があるということの証拠でありまして、生きるか死ぬかの瀬戸際をさまよっている国民がたくさんいるのでしたら、もちろんまっさきになくなるような研究であるということはその通りだと思います。

 逆に考えると、研究ができるということは国が安全で平和で豊かなことのバロメーターにもなるということなんでしょうね。

 今の日本はどっちなんでしょうか。
by stochinai | 2009-11-19 21:21 | 生物学 | Comments(0)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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