5号館を出て

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牧草ですら輸入物は信じられない(のは事実だと思うのですが・・・)

 月曜日の朝日新聞朝刊だったと思うのですが、海外から輸入した牧草を食べた日本の牛のふんや尿から作った堆肥を使ったトマトやキクが生育障害を起こしていたのは、輸入牧草に含まれていたクロピラリドという残留除草剤が原因であることがわかったというニュースが出ていました。

 有機農法なのに農薬被害 除草剤、輸入牧草通じ牛堆肥に

 それは大変!大騒ぎになるに違いないと思っていたのですが、その他にも政治がらみのニュースが多いせいか全然後追い報道がないのはおかしいと思っていました。
牧草ですら輸入物は信じられない(のは事実だと思うのですが・・・)_c0025115_21401838.jpg
 (C) photoXpress

 気になったものですから、ネットで調べてみると農水省関係の報告書が簡単に見つかりました。

 牛ふん堆肥に残留する除草剤クロピラリドによる作物の生育障害

 牛ふん堆肥に残留するクロピラリド等ホルモン型除草剤の生物検定法

 どちらも2004年から2005年度に行われた研究のようで、すでに当時の段階でニュースのようなことは詳しく解析されていたということがわかります。あれれ、新しいニュースではないのかということでもう一度朝日の記事を読んでみると、確かに2005年や2006年のこととして書かれています。

 「トマトやミニトマト、キクの生産農家の一部で2005年ごろから、牛の堆肥を使うと葉がちぢれたり、実が細長くなったりする生育障害が起きることが問題になった。」

 「農林水産省は因果関係が疑われた06年、都道府県に牛の堆肥の大量使用で生育障害の恐れがあることを通知。」

 「クロピラリドの被害と思われる例は、06年に5県で9件報告されたが、それ以降は確認されていない」

 ニュースと言えそうな新しいことは、「クロピラリドが含まれる可能性がある堆肥の判定法などの対策マニュアルを作り、畜産草地研究所を通じて今年公開した」というところくらいですが、上に上げた報告書にある生物検定法がすでに数年前に公開されていることが明らかです。

 ということは、このニュースは速報性などが要求されない、いわゆる「ヒマねた」というものなのではないかと思えてきます。

 「クロピラリドは、人間を含め哺乳(ほにゅう)類には無害で欧米などでは使われているが、残留期間が長く、日本では認可されていない」ということなので、緊急性も危険性もないという判断なのでしょうが、それならそれでもう少し詳しく調べた「調査報道」にまで発展させて欲しかったと思います。

 朝日の記事には、とてもわかりやすい図も載っていて、重要なことなのかと思わせられてしまいましたが、なんだか肩すかしをくらった思いです。

 毎日のニュースを見聞きしていると、この国はかなり追い詰められていると思うのですが、ヒマねたを出すほど、新聞社はヒマなんでしょうか。
Commented at 2009-12-12 12:36 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by stochinai at 2009-12-12 16:58
 オーナーにだけ見えるコメントをいただきました。そういえば、私のところでも取り上げましたけれども2004年にスギヒラタケ中毒事件というものがありましたね。

「スギヒラタケ中毒事件その後」 2004-11-29
http://shinka3.exblog.jp/717896/

 たとえ、時間がたってからでもよいので、こうした事件の「その後」のまとめ記事は必要ですね。

参考
スギヒラタケ(林野庁)
http://www.rinya.maff.go.jp/puresu/h16-10gatu/1026sugihiratake2.htm
スギヒラタケの摂取について(平成21年10月1日付け消安第6931号、林政経第222号)
http://docs.google.com/viewer?url=http%3A%2F%2Fdocs.google.com%2Fviewer%3Furl%3Dhttp%3A%2F%2Fwww.rinya.maff.go.jp%2Fpuresu%2Fh16-10gatu%2F091001.pdf
by stochinai | 2009-12-10 21:55 | 環境 | Comments(2)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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