5号館を出て

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黒塗り広告が引き起こす不安感

 「札幌から  ニュースの現場で考えること」のエントリー禁じ手にトラックバックしますが、重い気持ちです。

 詳しい事情の説明と実際に起こった証拠写真がJANJANにあります。

 全国ニュースでは3月31日の朝刊に載っているとなっていますが、北海道(九州も?)では雑誌の発売日が遅れるので、それに合わせて4月2日土曜日の朝刊に載っていました。

 masayuki_100さんが書かれているようにまさにこれは「禁じ手」だと思いました。言論の自由を売り物にしている新聞社が、商売として広告業をやっている以上、たとえ誹謗中傷が明らかであるとしても、言論で争うことを拒否することに他ならない墨塗りなどということをやってはいけなかったのだと思います。

 紙面をコントロールできるのですから、墨塗りではなく紙面で対抗すべきでした。今後は、絶対にそうしてもらいたいと思います。

 しかも、北海道と九州では31日の墨塗り事件から時間が経っているのですから、全国で巻き起こった非難の嵐に対して、反省し過ちを改める時間的余裕があったにもかかわらず、まったく同じ墨塗りの広告が出てしまいました。波田陽区ふうにいうと、「残念!」でなりません。

 正直に言いますと、新聞でその広告をみた時には言いしれぬ不安感を感じました。週刊文春という週刊誌が、一般的に言って決してお上品な雑誌だとは思いませんが、そこの広告を受け付けている以上、内容に対する検閲をするのは決して許されることではありません。

 墨塗られた紙面が我々に与える、恐怖感にも近い不安感がわかるでしょうか。

 この期におよんでバカと言われるかも知れませんが、私は朝日新聞の定期購読者です。NHKの受信料も銀行振り込みで一括払いをしています。それは、いずれのメディアについても支払いを開始した時点(考えてみればもう20年以上も経っていました)で、(民放や他紙と比べての相対的なものですが)ある種の信頼感を持っていたからに他なりません。

 それが、ここへ来てどちらも私の信頼を裏切るようなことを立て続けにやってくれているというのはどういうことなのでしょう。

 NHKは政治家に負け、朝日新聞はお金に負けてしまいました。

 今私が、NHKの支払いを停止せず、朝日新聞の購読を中止しないのは、単に面倒くさいということが一番の理由に過ぎません。しかし、これから自立生活を開始しようとする若者ならば、NHKの受信料を払い、新聞の定期購読を始めようとするでしょうか。

 もし、私が同じ立場ならおそらくどちらも要らないという結論になるだろうと思います。

 NHKと朝日新聞が信頼を失ってしまった社会でも、ネットがあるから大丈夫などという能天気なことが言える状況ではないと思います。

 NHKと朝日新聞に象徴されていた、公平さ、上品さ、潔癖さ、教養の高さ、そうしたものがなくなってしまった後では、たとえ手段としてのメディアが残っていても何の意味がなくなってしまうという「気持ち」がわかるでしょうか。
by stochinai | 2005-04-04 20:34 | つぶやき | Comments(0)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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