5号館を出て

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議論における公平性をどうやって保証するか

 このブログを読んでいらっしゃる方なら、「WWViews in JAPAN」というイベントがあったことを知っている方もいらっしゃるかもしれないと思いますが、日本全体を考えるとおそらく1%もいらっしゃらないのではないかと思われるくらいのマイナーなしかし全国規模のイベントが、COP15の直前に行われました。COP15のほうならもう少し知名度は高いのかもしれませんが、それでも日本全体で2割くらいの方が知っておられるでしょうか。今、世界的に地球温暖化が問題になっているという話なら9割くらいになりそうです。

 というわけで、地球温暖化をどうするのかという幅広く認識されている問題を世界規模で議論する場だったにもかかわらず、ほとんど誰にも知られずに始まり、小林さんの基調報告によれば「その結果はほとんどCOP15には反映されなかった」という結果に終わったイベントを振り返るシンポジウムが、今日の午後に開かれました。
World Wide Views in JAPAN 結果報告シンポジウム
「気候変動問題を考える〜市民の声は届くのか〜」

■開催の趣旨
2009年9月26日に、世界38カ国の45会場で、COP15(第15回気候変動枠組条約締約国会議)の交渉に当たる政府関係者に対して世界の市民の声を届けるための世界市民会議(World Wide Views on Global Warming;以下「WWViews」)が開催されました。参加者数は各会場約100人、世界全体で約4000人に上りました。

この市民会議は、世界の市民が、同じ情報資料に基づき、同じ問いについて、同じ手法を用いて議論する試みで、世界の会場において一斉に開催されました。テーマは、今後の気候変動問題に対して世界がどのような目標を立て、どのように問題の克服に取り組むべきか、です。WWViews は、専門家ではない「ふつうの人々」が相互に建設的な対話を行い、この場において熟慮することを通じて、今後の気候温暖化対策に関する世界各国の市民の意見を取りまとめ、COP15の場に提供しようとする試みでした。

この場では、ふつうの人々によってどのような議論が行われたのでしょうか。その結果はどのようなものだったのでしょうか。ふつうの人々の議論は、政策決定者にどのように受け止められたのでしょうか。当日の様子を振り返りつつ、皆様と議論したいと考えています。
 幸いなことに、このシンポジウムの様子がUstreamで中継されましたので、札幌に居ながらにして「参加」することができました。今見たら、録画も残っているようなので、興味のある方はごらんください。

 CSCD Channnel 03/05/10 11:03PM

 画像も(それにUstreamではしばしば問題になるのですが)音声も非常にクリアに配信され、最近のUstream中継としては出色だと感じました。この配信を担当した「セミプロ軍団」はサイエンス・メディア・センター(SMC)のスタッフということです。どうもありがとうございました。このくらい明瞭に配信されるならば、わざわざ時間とお金をかけて行かなくても良いと思わされるくらいのクオリティでした。

 シンポジウムの内容もそこそこおもしろいものではありましたが、例によって時間不足に陥り、ネットで視聴していた「suedemonaku sueでもなく」さんがtwitterでつぶやいた一言がシメになりました。
場のデザインとしては、パネルディスカッションという形式の限界を感じる。双方向性を高める工夫が必要。twitterが140文字であるように、一度に話せる時間を制限するとか? (#wwvjp live at http://ustre.am/dbzG)
 それに対しての私のtweetです。
これは重要だと思います。3分たったらオフになるマイクを用意するのが良いのではないでしょうか。 QT @suedemonaku twitterが140文字であるように、一度に話せる時間を制限するとか? #wwvjp
 時間制限のあるシンポジウムや討論会などがいつも時間切れになってしまう原因の大半は、「時間を守らずに長々と話す人」の存在です。

 長々と話されると、全員で共有しているはずの時間がどんどん失われるわけで、これはかなり犯罪的な行為だといつも腹が立ちます。その結果、時間が気になって集中がとぎれますので、議論の質も加速度的に低下してしまいます。

 上のtweetで何気なく時間制限とtwitterの文字制限をつなげてしまいましたが、twitterというメディアのはこの字数制限によって公平性が担保され、総理大臣であろうがフリーターであろうが一度に話せるのは140字という超民主主義の場を生み出していることを再認識してしまいました。

 シンポジウムでもパネルの基調報告は10分くらいになっても仕方がないと思いますが、発言は例外を認めずひとり3分というように厳格に運用するということを試みても良いのではないかと思います。

 シンポジウムに参加しようと思う人は、誰だって一言くらい話したいと思っているだろうと思いますので、これからは実際に参加するよりもUstreamの横に流れるSocial Streamに140字をつぶやくほうがよほど精神衛生上よろしい参加方法になるかもしれません。

 本気でtwitterによる真面目な討論会を企画してみてもいいかもしれないと思い始めています。どういうシステムにしたら良いか、一緒に考えてみませんか?
Commented by MANTA at 2010-03-07 23:40 x
ご無沙汰しております。Twitterは私も少しやってますが、冷やかな感じでみています。ブログが始まった時の熱狂にとても似ていて、ということはおそらくブログと同じ道をたどるでしょう(人々は熱しやすく冷めやすい)。

大事なことはツールではなく、議論を仕切る有能な司会者だと思います。司会者なきTwitter議論は、結局言いっぱなしの掲示板と変わりません。またTwitterと言えど、顔を突き合わせた熱い議論にリアルタイム性でかなうはずもありません。でもちょっと時代遅れの考え方なのかなぁ?
Commented by stochinai at 2010-03-07 23:58
 そもそもtwitterの上で議論をするとことが無理だとは、私も思います。今回の件に関しては、MANTAさんがおっしゃるようなラインで主催者がわも反省しているようです(こちらをごらんください)。

http://twitter.com/yagiyagiosaka

 yagiyagiosakaさんが「パネリストがなにげなくTLを追える環境が必要。あとおそらく、リアルモデレータと、twitterモデレータをおき、その間をつなげる仕組みが必要」とおっしゃっておられるのが、MANTAさんのおっしゃる「有能な司会者」と同じことだと思われます。

 旧来からある「議論」にプラスになるなら、twitterでもUstreamでもなんでもツールとして取り込んでいったらよいというのが私の意見です。
by stochinai | 2010-03-06 23:20 | コミュニケーション | Comments(2)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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