2010年 04月 18日
文科省が立ち上げたネット掲示板
さきほど気がついて、twitterでもつぶやいたのですが、文科省がネット掲示板を立ち上げました。名前はあまりにも研究者オリエンテッドで、私には古色蒼然に思えるのですが、まあ名前より中身に期待したいと思います。 文科省政策創造エンジン 熟議カケアイ
「熟議」という言葉も一般的ではありませんし、若ぶったつもりなのか「掛け合い」を「カケアイ」とカタカナにしたという精一杯の工夫はほとんど成功していないと思います。要するに「キャッチー」ではないと感じます。おまけに、その言葉を聞いても何をするところか思いつかないという意味でも失敗ではないでしょうか。
説明文を読んで、初めて内容が想像できます。
だいたい「熟議」などという、一般生活では決して出てこない「学術用語」を使おうとするから、その説明のためにこれだけたくさんの説明や「まんが」を用意しなければならないのです。発案者はその愚かさに気がついているでしょうか。またそれが、参加者を拒絶している雰囲気を醸し出していることもわかっていただけるでしょうか。
熟議とは
掲示板ですから、当然のごとくに荒らしや炎上などの発生も想定されますので、そのために参加者は登録制をとっています。登録の時に書いた情報が嘘か本当かを確かめることまではしないようですが、個人情報を登録しなければ参加させてくれません。まあ、このくらいの「敷居」はあっても良いだろうとは思いますが、これではあくまでもその敷居を越えてきた人の声しか聞けません。
参加者として想定しているのは、「教育者、保護者、市民、識者、教員をめざす若者たち」のようですが、私としては、教育を受けている子供たちにも是非とも参加してほしいと思っています。せっかくの機会なのですから、こういうところで子供たちのICT教育もやってしまうという「心の広さ」を文科省には期待したいところです。
それはさておき、事務局からのお知らせにはなかなか良いことが書いてあります。
自公政権がやった類似の活動が、「タウン・ミーティング」でしたが、あそこでは数々のヤラセや誘導があったことが発覚しました。もちろん、こうした掲示板においても様々なしかけを駆使して、ヤラセや誘導も可能ではありますが、一人でもたくさんの人が参加することによって、公平な議論が盛り上がるだけではなく監視をすることにもなります。
というわけで、見た目の「ダサさ」でちょっと参加をためらってしまう気持ちを押し殺して、早速メンバー登録をさせてもらいました。さすがに、お金をかけているからか、まだまだ参加する人が少なすぎるせいなのか、あっというまに登録は完了しました。
個人情報を入力させるものの、とりあえず調査をしたりするということはなさそうですので、くどいようですが私としては文科省が想定している対象以外の、高校生や中学生などの参加も期待したいところです。
あとは、この先投稿が爆発的に増えてきたときに、議長さんが適切に議論を切り回していけるかどうかが心配ではありますが、とりあえずそのくらいに議論が沸騰してきたら、ひとまず成功と言えるのではないでしょうか。
議論ができるというところで、「パブコメよりはマシ」かなと感じています。
「熟議」という言葉も一般的ではありませんし、若ぶったつもりなのか「掛け合い」を「カケアイ」とカタカナにしたという精一杯の工夫はほとんど成功していないと思います。要するに「キャッチー」ではないと感じます。おまけに、その言葉を聞いても何をするところか思いつかないという意味でも失敗ではないでしょうか。
説明文を読んで、初めて内容が想像できます。
熟議(じゅくぎ)カケアイ宣言要するにファシリテーター(モデレーター、議長)のいる掲示板という感じです。(そうなら、そうと説明すればいいのに・・・・)
教育者、保護者、市民、識者、教員をめざす若者たちの声やつぶやきが集まり、自由に議論される場をつくる。議論が議論を呼び、「熟議」されていき、政策形成が確かになっていく。そして、その政策が次の入り口になっていく。
この市民主役のプロセスこそ、今、求められており、実行しなければいけないものだと考えました。
熟議カケアイ。参加してください。
子どもたちの教育が変われば、日本の未来が変わります。
だいたい「熟議」などという、一般生活では決して出てこない「学術用語」を使おうとするから、その説明のためにこれだけたくさんの説明や「まんが」を用意しなければならないのです。発案者はその愚かさに気がついているでしょうか。またそれが、参加者を拒絶している雰囲気を醸し出していることもわかっていただけるでしょうか。
熟議とは
「熟議」とは、多くの当事者による「熟慮」と「討議」を重ねながら政策を形成していくことです。具体的には、政策を形成する際の、下記のようなプロセスのことを言います。ごちゃごちゃ書いてありますが、要するに政策決定に「国民の皆さまの声を反省させたいので、是非ご意見をお寄せください」ということです。
掲示板ですから、当然のごとくに荒らしや炎上などの発生も想定されますので、そのために参加者は登録制をとっています。登録の時に書いた情報が嘘か本当かを確かめることまではしないようですが、個人情報を登録しなければ参加させてくれません。まあ、このくらいの「敷居」はあっても良いだろうとは思いますが、これではあくまでもその敷居を越えてきた人の声しか聞けません。
参加者として想定しているのは、「教育者、保護者、市民、識者、教員をめざす若者たち」のようですが、私としては、教育を受けている子供たちにも是非とも参加してほしいと思っています。せっかくの機会なのですから、こういうところで子供たちのICT教育もやってしまうという「心の広さ」を文科省には期待したいところです。
それはさておき、事務局からのお知らせにはなかなか良いことが書いてあります。
「熟議カケアイ」は、教育に関わるあらゆる当事者(教職員、教育政策関係者、保護者、学校支援ボランティア等) が会員登録をして参加できるWebサイトです。こうした試みはお手盛りで教育再生会議を作って次々と思いつき教育政策を打ち出した自民党(自公)政権ではあり得なかったことでしょうから、その点では政権交代してようやくできた「公開討論」の場の誕生を素直に喜びたいところです。
当事者が学びあいながら、責任を持った議論を積み重ねていくことで、よりよい政策を作っていくためのWebサイトを政府が開設することは、政策形成の「見える化」として政府が取り組む国内初の試みです。
まずは「教員の資質向上」などについて4月17日(土)から5月中までを目処に「熟議」を実施し、中央教育審議会での審議と両輪で、政策形成へとつなげていきます。
自公政権がやった類似の活動が、「タウン・ミーティング」でしたが、あそこでは数々のヤラセや誘導があったことが発覚しました。もちろん、こうした掲示板においても様々なしかけを駆使して、ヤラセや誘導も可能ではありますが、一人でもたくさんの人が参加することによって、公平な議論が盛り上がるだけではなく監視をすることにもなります。
というわけで、見た目の「ダサさ」でちょっと参加をためらってしまう気持ちを押し殺して、早速メンバー登録をさせてもらいました。さすがに、お金をかけているからか、まだまだ参加する人が少なすぎるせいなのか、あっというまに登録は完了しました。
個人情報を入力させるものの、とりあえず調査をしたりするということはなさそうですので、くどいようですが私としては文科省が想定している対象以外の、高校生や中学生などの参加も期待したいところです。
あとは、この先投稿が爆発的に増えてきたときに、議長さんが適切に議論を切り回していけるかどうかが心配ではありますが、とりあえずそのくらいに議論が沸騰してきたら、ひとまず成功と言えるのではないでしょうか。
議論ができるというところで、「パブコメよりはマシ」かなと感じています。
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甘すぎ
at 2010-04-19 17:58
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議論の場はあったほうがいいが、文科省が掲示板を実際の政策にどう反映するつもりがあるかが問題。単なるガス抜きなのか、文科省はマジで「教員の資質向上」に必要なものが分からないのか。きちんと議論するなら議論の前提として必要な基本データや文科省(含む各学校、教育委員会)が実施している「教員の資質向上策」、鈴木副大臣の認識も提供したほうが良いだろうね。
小学校~高校までの「教員の資質向上」には実際の学級・学校運営に立ち返って議論する必要があるけど、まず文科省や各教育委員会は学級・学校運営の実態を統計的に知る仕組みを作る必要がある。それがあって初めて教員に対する各学校・教育委員会・国単位のサポート体制を検討することができる。思い付きでやっても教員の負担が増すばかり。全国学力テストの結果を各学校へのサポートに使ったりする仕組みもできていないし、いじめ調査なんかを見ても実態とかけ離れたデータがでてるみたいでそのあたりからきちんとすべき。
小学校~高校までの「教員の資質向上」には実際の学級・学校運営に立ち返って議論する必要があるけど、まず文科省や各教育委員会は学級・学校運営の実態を統計的に知る仕組みを作る必要がある。それがあって初めて教員に対する各学校・教育委員会・国単位のサポート体制を検討することができる。思い付きでやっても教員の負担が増すばかり。全国学力テストの結果を各学校へのサポートに使ったりする仕組みもできていないし、いじめ調査なんかを見ても実態とかけ離れたデータがでてるみたいでそのあたりからきちんとすべき。
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stochinai at 2010-04-19 19:21
本気かどうかは、後になって見なければわからないので、ここはひとまず政権交代があったということで、昔とは違うと思って協力してあげるのがいいのかな、という気がしています。
ただし、おっしゃるとおり問題は山ほどあるので、そうした問題点を文科省が認識するためにこの掲示板が有効に活用されるのであれば、それは良いことだと思います。
新しいことをやっても、どうせダメだろうと思ってしまってはなにも前に進みませんから、一度はだまされたつもりになって協力してみませんか。
ただし、おっしゃるとおり問題は山ほどあるので、そうした問題点を文科省が認識するためにこの掲示板が有効に活用されるのであれば、それは良いことだと思います。
新しいことをやっても、どうせダメだろうと思ってしまってはなにも前に進みませんから、一度はだまされたつもりになって協力してみませんか。
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赤塚慎也
at 2012-02-25 02:34
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今回の「官営掲示板」が上手く行くかどうかは、市民が政治について普段からどれだけ意識しているかにかかっていそうだ。罵り合いやオタク談義などではない「市民の政治参加」は、日本で可能なのだろうか。
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stochinai at 2012-02-25 07:38
小規模にはうまっくいった例もあるようですが、これが我が国の民主主義運営の中にしっかりと根づいた位置を獲得したかというと、とてもそうは言えないというのが現実のようですね。
by stochinai
| 2010-04-18 23:57
| 教育
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Comments(4)