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口蹄疫アウトブレーク

 口蹄疫の早期封じ込めにはどうやら失敗したらしいようですが、まだ騒動が終わっていない今の段階で誰の責任でこうなったのかとか、誰それは**大臣を辞めるべきだとかという議論が出てくるたびに、この国では問題を解決するよりも問題を利用して自分の勢力を伸ばし、反対勢力をつぶそうとするという風土があるのかもしれないと暗澹たる気持ちになります。
口蹄疫アウトブレーク_c0025115_21253522.jpg
 (C) photoXpress 写真はイメージであり口蹄疫とは直接の関係はありません。

 今やるべきことは責任の追及ではなく、国全体が一丸となって口蹄疫を封じ込めることであり、それ以外の非生産的な議論は現時点ではすべて封印すべきです。

 口蹄疫の原因となっているピコルナウイルスは、我々がひく季節性の風邪の原因の一つであるライノウイルスや小児麻痺の原因となるポリオウイルスと同じようなRNAを遺伝子として持つウイルスです。

 丈夫なウイルスなので、風邪やポリオを消毒によって封じ込めようとすることは誰も現実的な対処法だとは考えないと思いますが、口蹄疫ウイルスに対しては感染・発症動物を処分することによってウイルスを消滅させ、感染拡大を封じ込めることが可能であるということで、発症動物とその近辺にいる動物はすべて殺処分することが普通の対処法のようです。

 ただし、発症が必ずしも感染後ただちに見られるわけではないことから、発症が発見された時にはすでに感染が蔓延していることもありうるので、今回のような予想外の広がりになることがしばしば起こります。

 基本的に口蹄疫ウイルスはヒトにはほとんど感染しないようですが、たとえヒトに感染したとしてもなんらかの病状を発症することはないとのことで、人的被害は恐れることはないと考えられていますが、どこの国でも口蹄疫になった家畜およびその近辺で飼育されていたすべての家畜を殺処分するという対応をするので、経済的には想像を絶する被害が生じます。今、宮崎を中心に起こっていることは、そうした殺処分によるパニックです。

 それにしても不思議なのは、我々ヒトはポリオウイルスに対してはワクチンを用いて抑え込むことに成功しているのに、同じようにワクチンが存在するにもかかわらず口蹄疫に関してはそれを使用しないということです。それは、経済動物としてワクチンを投与された動物は感染動物と抗体で判別する限りにおいては区別できないという理由で輸出入が制限されていたり、日本ではワクチン接種された動物は食品に使えないなどという理由があるからのようですが、感染拡大が起こる度にこんなパニックを繰り返すくらいなら、もっと真剣にワクチンの開発や使用を検討しても良いのではないかと思ってしまいます。

 ともかく、現時点ではワクチンのことなどを検討する余裕はありませんが、とりあえず現在の感染拡大を抑え込むことができたら、行政などの責任問題だけではなく、今後また確実に起こるであろう感染拡大にどのように対処すべきか、ワクチンなどに関しても国際的な場でに検討をすべきではないでしょうか。

 しかし、昨年の「新型インフルエンザ騒動」についても、終わってしまうと責任を追及したり、今後もし同じようなことが起こったらどうするかなどという議論をする雰囲気がなくなってしまうというのも、この国の特徴なのかもしれません。

 そして、またいつか同じようなことが繰り返され、無限ループを繰り返すのが我々の宿命なのでしょうか。どうして我々は過去の経験を賢く生かすことができないのでしょうね。
Commented by みき at 2010-05-19 10:46 x
 とはいえ、

 無能なトップが被害を拡大するのを見過ごして、
更には、見逃した獣医が悪いだの、宮崎県の対応が悪いだの、自分は何も間違っていないだので、権力にしがみついているせいで、日本の畜産全体が危機に追いやられる状況を打開するためには、相応しくない人間には交代していただかなければ。
Commented by みき at 2010-05-19 10:54 x
なにせ、

全て他人の責任にして、自分の無能を棚にあげて、日本に被害を与え続けているのは、今の政府なのですから。

チームの監督がど素人で、負けた原因を選手のせいにしているチームが、試合で勝てると思いますか?
Commented by stochinai at 2010-05-19 13:08
 こうした問題は、我々を含め日本全体に蔓延する国任せ・お上任せの「伝統」にもその要因を求めることができるのではないでしょうか。

 たしかに現在の行政を担っている上位の担当者(もちろん政権党に最大の責任があるという論理は正しいと思います)が無能であるということは事実だと思いながらも、トップをすげ替えるだけでは何も解決しないことは政権交代をしたことで学んだ大きな真実だという気がしています。

 我々国民ひとりひとりがアクションを起こすようにならなければ、この国は変わらないような気がします。
Commented by stochinai at 2010-05-19 13:19
 みきさん。すみません。重複していたのでひとつ消したら、両方とも消えてしまいました。もう一度、コメント投稿お願いします。
Commented by みき at 2010-05-19 14:33 x
 現地の悲鳴を聞いても、まだなおお上任せとおっしゃいますか。

 マスコミによって加工された情報でなく、当事者の声を聞いても、それでもお上任せとおっしゃいますか。

 これまで大事に育ててきた、仔牛や子豚を自分の手で潰して、地面に埋めている牧場の人たちの精神状態を想像出来ますか。

 あなたの言葉は、赤松大臣や鳩山首相と同じく、軽く聞こえます。
Commented by stochinai at 2010-05-19 15:23
 現地の方々の苦悩はできるだけ理解に努めるようにしています。マスコミによってあるいはウェブによって加工されていない当事者の声に接するのはとても難しい状況ですが、推し量ることはできます。現地の混乱は理解できますが、それだからこそ今は逆に少しひいたところから冷静に判断をして対処することが求められているのだと思います。

 食肉にならずに殺されるのは動物たちはかわいそうだと思います。また、彼らを育てている農家の方々の気持ちはわかりますが、健康に育ったとしても、結局殺されて我々に食べられてしまうのが家畜の運命です。農家は家畜の守護神でしょうか。

 私の言葉が軽いという批判は甘んじて受けますが、混乱している現地からの叫びだけが重い真実だという立場も危険だと感じます。

 やはり、ここは当事者もそれ以外の人も冷静に対処方法を検討すべきでしょう。
Commented by みき at 2010-05-19 15:56 x
 私は、仕事の関係上、畜産業者と直接接する機会が多くて、生の声を聞くことが出来ます。

 一方、あなたは、メディアかネットでしか情報を集めることが出来ない様子です。

 にも関わらず、一方的に農家の立場を決めつけるのはいかがなものでしょうか。

 あなたにとっては、山岡国対の普天間と同じように、口蹄疫は”雲の上の話”でしかないようですね。
Commented by stochinai at 2010-05-19 16:03
 「雲の上」とまではいきませんが、一次情報に接することができない以上、現実感が薄いことは認めます。

 しかし、沖縄の問題と同じく関係者以外の国民にとっても、これが「自分の問題」なのだと認識してもらうことが大切なのではないかと思います。

 現状を知っている方々が、「お前たちは何もわかっていない」と言ったとたんに、目と耳をふさぐ人がどんどん増えていくことの方を恐れます。
Commented by 甘すぎ at 2010-05-19 16:06 x
これ以上の拡大防止が最重要なのはStochinaiさんのいうとおり。

農水省の畜産部の方と別件で仕事したことがあります。あたりまえですが組織の名前のとおり畜産業に精通した方が多いのです(獣医出身の課長がいたり現場上がりの人も多い)。過去の事例に精通した人も多いはずです。こういう組織が対応して感染が食い止められないのですから相当感染力が強いものだと想像しています(農水省の対応に誤りが多分にあったとしても)。

とはいえ、
感染拡大が懸念される状況でリスクを承知でGW中に華麗に外遊。帰国してまず最初にやった仕事が選挙の応援。これじゃ政治家として批判されて当然。赤松口蹄疫とまで揶揄されている。政治家としてこのレッテルはずっとついて回るだろう。GW期間中に陣頭指揮とっていればこここまで批判はされなかった。政治主導なのだから農水省の所管を越える案件(国道封鎖・消毒や自衛隊活用(特に県域を超える活用)、埋設国有地の確保・埋設手段の確保など)に感染拡大前にもっと力を入れるべきでしたね。

Commented by stochinai at 2010-05-19 16:09
 赤松さんに関しては「反省していない」と発言した時点で、政治家生命が終わったことを感じました。
Commented by みき at 2010-05-19 18:17 x
 あなたは、自分の手で動物を殺したことがおありですか?

 私は、実習で何ヶ月も毎日大事に世話をした牛と豚と鶏を殺した事が有ります。

 大きなハンマーで豚の頭蓋骨を殴った時の、手に伝わる感触。

 注射をうって、牛が最期にひとつ発するため息。

 首を締める時の、鶏のはためき。

 解剖のためとは言え、決して、一生忘れる事は無いでしょう。

 畜産農家の人たちも、最後には肉になるのは分かっていても、それでも大事に育てているんです。

 その心の痛みを分からずに”農家は家畜の守護神でしょうか”ですって?

 耳を塞げば聞こえなくなる様な、そんなものではありません。

 現実は、戦場なんです。

 あなたの言葉は、まるで他人事のように話す鳩山首相と同じ様に聞こえます。
Commented by stochinai at 2010-05-19 18:30
 私が今までに自分の手で殺した動物は、すべて実験用ですが、ラット数百匹(両手で頸椎脱臼をしたものも多いです)、マウス数百匹、カエル数千匹、そのほか脊椎動物・無脊椎動物合わせて数え切れないほどだと思います。もちろん、大型の哺乳類を殺したことはありませんが、畜肉も魚介類も好きですので、数え切れないほどの殺された動物を食べてきました。

 状況が状況だけにお気持ちは理解できないわけではありませんが、農家の方だけが動物を殺す痛みを感じているというのは、センチメンタルに過ぎるかもしれません。

 今、必要なのは冷徹に事態を収束させる作戦であり、実践だと思います。

 鳩山さんを頼りないと思われる気持ちは同感ですが、彼に行動を起こさせるためのどうしたら良いかを考えてみませんか。例えば、twitterID:hatoyamayukioに突然100万のtweetを届けるなどの運動を起こすことだって、「どうせ無駄」だと思ったら政治は成り立ちません。
Commented by 甘過ぎ at 2010-05-20 03:08 x
赤松大臣は外遊先でゴルフに興じてたらしいね。あーこれで彼は森総理と同じ運命だな。
Commented by みき at 2010-05-20 11:00 x
あなたには、EMPAHTYが足りない。
Commented by 甘すぎ at 2010-05-20 14:13 x
TBSの誤報だったみたいですね。申し訳ない。
Commented by とおりすがり at 2010-05-23 17:40 x
>>みきさんへ
とおりすがりですが、コメントを書かせて貰います。

> 全て他人の責任にして、自分の無能を棚にあげて、日本に被害を
> 与え続けているのは、今の政府なのですから

責任は、政府ではなく宮崎県にあります。

”口蹄疫が疑われる場合または発生した場合、家畜伝染病予防法・口蹄疫に関する特定家畜伝染病防疫指針[2]に沿って対応が実施される。家畜伝染病予防法は都道府県の法定受託事務にあたり、国の関与が制限される(詳しくは地方分権一括法を参照)。”
(Wikipedia の「2010年日本における口蹄疫の流行」より)

とあります。つまり、東国原知事が、盛んにアピールした地方への権限の委譲により、口蹄疫の防疫は、宮崎県の責任で対処すべき事案です。宮崎県の初動の悪さの責任を国にすり替えてる様に見えます。例えば、4月の段階で、検体を動物衛生研究所に送り検査をすることも出来たハズです。普通は大事を取って検査をしますよね。
Commented by とおりすがり at 2010-05-23 18:31 x
ウシを殺す農家は苦痛で、それは身近で見ていれば、耐えられないことでしょう。しかし、ここまで、感染が広がると、国家レベルでの視点が不可欠で、非情な判断も必要です。

国が悪いと言いますが、相応の対応を取り、宮崎県の尻ぬぐいをしていると思います。

農家の救済は、これ以上手厚くしたら、過剰です。ウシを失ったことは悲しく、経済的打撃も大きいと思いますが、何故、個人の資産を、国民全員の財産である国費から、補う必要があるのですか?火事や地震で、資産を失った人は自己責任で、口蹄疫だと、国が手厚く保証ですか?

口蹄疫対策も他の事例と同じように、粛々と進めることを期待します。
Commented by 甘すぎ at 2010-05-23 19:11 x
>通りすがりさん、
家畜伝染予防法の第47条、第48条をみてみましょう。
法においても既に畜産に「重大な影響を及ぼす恐れがあるとき」は国が積極的に関与することが想定されていますよ。赤松大臣はそれをほっぽり出して外遊に出たのです。
それから地方自治法第二条第一項第9号における法定受託事務のうち、家畜伝染予防法は「本来国が果たすべき役割に係る」第一号法定事務ですのでそのことをお忘れなく。
Commented by とおりすがり at 2010-05-23 21:31 x
甘すぎさん

口蹄疫への初期対応の責任が宮崎県にある根拠は、地方自治法ではなく、地方分権一括法です(下記)。

”第二百六十一条 家畜伝染病予防法(昭和二十六年法律第百六十六号)の一部を次のように改正する。(中略)
 3 この法律に規定する事務に従事させるため、都道府県知事は、当該都道府県の職員で獣医師であるものの中から、家畜防疫員を任命する。ただし、特に必要があるときは、当該都道府県の職員で家畜の伝染性疾病予防に関し学識経験のある獣医師以外の者を任命することができる。”

都道府県の家畜防疫員に相当の権利と義務があるのです。
第一号法廷受託事務では、以前の様な「機関委任事務における国の包括的指揮監督権は否定され」、て、法律ではなく条令で都道府県が管理する体制となっています。(例:旅券の発行など。旅券の発行の審査は都道府県に委託され、どこに旅券の事務所の場所などは都道府県の裁量です。)

今回の防疫も、数頭の患畜が出たとき、どう扱うかは、都道府県の家畜防疫員の責任だったのです。歴史的規模に拡大してからは国の責任ですが、宮崎県の一部に限定された初期段階の防疫は、宮崎県の責任です。
Commented by とおりすがり at 2010-05-23 21:47 x
(つづき)
口蹄疫への対応の指針は、今回よりも前に、既に定められていました。
その内容は下記で、農林水産省のHPに原文が出ています。

口蹄疫に関する特定家畜伝染病防疫指針
http://www.maff.go.jp/j/syouan/douei/katiku_yobo/k_bousi/pdf/fmdsisin.pdf

これを読むと、都道府県の責任が大きいことが分かります。

この規模まで拡大すると、国の関与が不可欠ですが、連休前の段階での対応は明らかに、宮崎県だと思います。
Commented by 甘過ぎ at 2010-05-24 00:38 x
現在の家畜伝染病予防法は地方一括法による改正を織り込んでいますので、規定上とおりすがりさんの書かれている部分の責任は県にあるのは皆わかっていることなのです。4月初期の段階でなぜ早く検体を検査しなかったのか批判されるべきところはある。ただし県から口蹄疫発生の報告後、国は「畜産に重大な影響を及ぼす恐れがあるとき」に備えた対応、現実にそうなった際の迅速な支援をすぐすべきだったのです。それが法第47条、48条に基づく対応です。現在のグダグダの本質はこの対応ができなかったことです。なお、農林水産省の職員も国の責任ではなく県の責任なんてそう思っていませんよ。ただし10年前の感染防止の成功体験が、感染拡大時の対応準備が遅れた原因となったのです(国はGW後まで3Km以内で食い止められると思っていたふしがある)。
Commented by とおりすがり at 2010-05-24 02:02 x
>>甘過ぎさん
> 国は「畜産に重大な影響を及ぼす恐れがあるとき」に
> 備えた対応、現実にそうなった際の迅速な支援を
> すぐすべきだったのです。それが法第47条、
> 48条に基づく対応です。

結果論ではいくらでも言えますが、伝染病は予測不可能なものです。k国の対応は、過去に照らしてベストな対応で指針通りです。(むしろ宮崎県の方が、指針に反しています。)大臣が外遊と、鬼の首でも取ったような報道が目立ちますが、もうアホかと思います。福島氏を代理にしていた訳ですし、問題ないと思います。

だいたい、伝染病対策では、専門家ではない大臣ができることは、判子を押すだけです。判断すら専門家に委ねるしかないと思います。

大臣の外遊を批判するマスゴミは、大臣に何を期待しているのでしょう?不思議な人たちです。文才も無い奴が売れる記事を書くには、誰かをつるし上げるしか無いのかも知れませんが、的外れです。。。
Commented by みき at 2010-05-24 10:59 x
 しかし、現実に被害は拡大し続けている訳ですし、代理の宮崎県出身の福島大臣が何をしたかも不明です。

 今の内閣が参考にしているらしい英国議会を、なぜ今回は参考にしなかったのでしょうか。

 また、判子を押すことしか出来ないとおっしゃいましたが、対策の邪魔する事も出来ています。

 ”大臣の能力では、被害拡大を押えきれなかった”これが事実でしょう。

 あとは、今後もこの大臣に任せ続ける事が許されるか否かでしょう。
Commented by みき at 2010-05-24 11:36 x
 上の方のとおりすがりさんの意見もよく分からないのですが、
これ以上、全国に被害を拡大するわけには行かないと、自分たちが犠牲になって、殺処分に牧場の人たちは同意しているわけですが。 

 自然災害と同じ扱いにするのはどうしてですか?

 ダムの底に沈む村と同じだと思うのですが、補償は必要無いと言う事ですね?
Commented by みき at 2010-05-24 13:43 x
 とりあえず、とおりすがりさんは、権力による財産権の侵害について、自分は何も請求しないと宣言するべきではないですか?

 どうも、とおりすがりさんの法律の解釈が、何度司法試験を受けても合格しなかった小沢幹事長と同じ匂いがします。
Commented by トホの養母 at 2010-05-24 17:39 x
鳥インフルエンザが騒がれた時に、こちらのブログで貴重なご意見を拝見して感銘を受けた者です。そのため今回の口蹄疫についても教えていただきたくて、訪ねてみました。
殺処分という方法しか残らない現状は、あまりに経済的損害が大きく、かなり感情的になってしまう部分もあると思います。
しかし、一歩ひいてこの問題を見た時に、霜降り和牛の育て方(高カロリー、アルコール摂取、運動をさせない)など、かなり人工的に無理をして作ってきた特別な高級肉であるがための弊害という面はないのでしょうか?
畜産業者の責任ではなく、私たち消費者が求めている農作物、畜産物がおかしいのではないか、という問いかけです。
ゲージ飼いの鶏、霜降り牛の飼育、どれも畜産の形としてはかなり極端で、ヨーロッパでは飼育方法自体が違法とされてしまうものが多いのが日本の現状ではないでしょうか。たとえば、ヨーロッパの畜産業者の友人に霜降り牛を食べさせようとしたら、この牛は病気ではないか、と真顔で聞かれました。

伝染病の蔓延の背景に何があるのか、という視点も必要ではないでしょうか。もしもとんでもない勘違いの問いかけでしたら、門外漢の発言としてご容赦ください。
Commented by stochinai at 2010-05-24 17:49
 「トホの養母」さん、重要な視点からのコメントありがとうございました。

 今回の口蹄疫と日本的飼育方法の直接の関連はあまりないかもしれませんが、のびのびと放し飼いにされて運動するスペースもなく育てられた霜降り肉を珍重することについては、我々に責任があると思います。満足に歩けないくらいの、見方によっては明らかに病気の牛の肉が高価で取引されているという話も聞いたことがあります。

 また、日本全国の「地場ブランド牛」と呼ばれているものの多くが宮崎で生まれた牛を各地で育てただけのものということも今回の事件で知りました。

 まだ、事件が収束していないので、今はあまり刺激的な議論をすべき時ではないと思いますが、収束後には「食」について大いに議論し、サステナブルで健康的な畜産というものを考えられたらいいですね。
Commented by とおりすがり at 2010-05-24 18:44 x
>> みきさんへ
> ”大臣の能力では、被害拡大を押えきれなかった”
> これが事実でしょう。

獣医学の専門家でもない大臣に何が出来るでしょうかね?
陣頭指揮のポーズを取るくらいでしょう。なにができたか
逆に教えて欲しいです。本当に。。

> 補償は必要無いと言う事ですね?

そんなことは言ってません。今回、殺処分になる牛豚には、法定の金額が支払われます。それ以上は支払う必要ないということです。(更に、手厚い補償を国に求めるなら、国民に説明が必要でしょう。)

但し、病気の発生は、予測不能な点は天災と同じです。農水省が予め出していた対策に沿って動く限り、ベストを尽くしていると思います。対策から外れた初期対応をした、宮崎県は責任がありますが、それ以降の対応は、ベストを尽くしています。

結果論で、xxxをすればと言えますが、誰も予想がつかなかったと思います。地震が起きてから、防震対策していれば、、、と後付で論じるのと同じです。

マスゴミは、今後の対策を調査報道すべきです。危機を煽り、スケープゴート探しに終始しするのは、メディアとして二流です。
Commented by みき at 2010-05-25 11:04 x
 ”何故、個人の資産を、国民全員の財産である国費から、補う必要があるのですか”とおりすがりさんは、こうおっしゃっています。”それ以上は支払う必要ないということです”とは言っていません。
 
 まるで”最低でも県外”を”できれば県外”とすり替えた総理の様です。

 また、今朝の農水委員会を見ても、山田副大臣が答弁していて、当の大臣はほとんどしゃべっていません。

Commented by みき at 2010-05-25 11:05 x
ベストを尽くしているとおっしゃいますが、では何故、自民党が作った政府に対する申し入れ書の受理を、一度は総理と赤松大臣が了承しながら、30日になって突然キャンセルしてきたのでしょう。
 また、27日に知事が赤松大臣に財政的支援やウィルス侵入経路の解明や風評被害の防止を求めたことについて、どのようなベストの対策が行われたのでしょうか。
 また、6日7日に委員会開会の請求もされたはずですが、どうして却下されたのでしょうか。
 その割には、香港への牛肉の輸出は30日に早くも許可されていますね。
 等々、調べれば調べるほど、疑問に思える点が出て、にもかかわらず、ベストで有ると強弁出来るのは、民主党の伝統でしょうか。

 
Commented by みき at 2010-05-25 11:05 x
また、事実上の担当者の山田副大臣は、ご自分の地元と農場を守るのが最優先に見えてしまいます。

 ”なにができたか逆に教えて欲しいです” 色々有りましたよ。

 最後に、こんなつまらない論争で、ブログを汚してごめんなさい。
Commented by みき at 2010-05-25 14:07 x
”獣医学の専門家でもない大臣に何が出来るでしょうかね?
陣頭指揮のポーズを取るくらいでしょう”

 って、政治主導って何ですか?

 そんなことは、これまでの自民党政治でも出来てた事です。

 むしろ、族議員が居る分だけ、本気で対策してたかもしれませんね。
Commented by ええと at 2010-05-26 19:15 x
前回の口蹄疫と今回ではウイルスの性質が違うのはご存知ですか?
自民党が主張している方針が今回のウイルスにそぐわないことはご存知?
Commented by みき at 2010-05-27 10:59 x
 だったらなおのこと、民主党の様なゆっくりした対応をしている場合ではなかったでしょう。

 FAOの協力を断ったのはどうしてですか?

 去年の新型インフルエンザへの対応を、大げさだと思いますか?
Commented by みき at 2010-05-27 11:04 x
 私はなにも、民主党は糞だ、自民党が最高だとは思っていません。

 民主党が糞なのは、そのとおりですが。

 ワクチンの接種を拒む農家が存在するのは、政府が本当に約束を守るのか信用されていないからでしょう?

 そこまで信頼関係を崩したのは、民主党自信の責任です。

 1月に韓国で口蹄疫が発生したとき、空港などでの防疫体制はどうでしたか?
 
 私が英国にいたときに比べて、あまりにもお粗末な対応なので、唖然としているのです。
Commented by ええと at 2010-05-27 11:31 x
あのう、印象論ではなくて、ウイルスの性質や防疫体制の違いについてもっと勉強して具体的に書いてはどうでしょうか?
こういうことは知識もないのに印象で決め付けるのが一番まずいってことはご存知ですか?
Commented by みき at 2010-05-27 11:56 x
 それでは、そのあなたの勉強した具体的な例とやらをお聞かせ願いましょうか。
Commented by ええと at 2010-05-27 12:28 x
「それでは」じゃなくて、イエスですか?ノーですか?ご存知かどうか伺えればそれで結構です。
Commented by みき at 2010-05-27 14:32 x
 いやいや、ご専門家の貴重な御講義を、是非拝聴させていただきたいと、切に願うばかりです。

 どうやら、私はあなたに比べて、ど素人なようですから。
Commented by 素人 at 2010-05-27 16:26 x
こんにちは。「ええと」さん、ここでイエスかノーか(だけ)
を確認するというような論理の展開の仕方をすると、水掛け論
にしかならないように思えるのですが、如何でしょうか。私の
ような素人も今回の問題には関心を寄せて見ていますので、ぜひ
みなさん分かりやすくご解説いただければ幸いです。
Commented by ええと at 2010-05-27 21:36 x
いえ、水掛け論もなにも、説得したいわけでも議論したいわけでもありませんので…。どういう知識でもって批判をされているのかなとお尋ねしただけです。ネットを使える方なら、3分も調べれば分かる程度の話です。
Commented by みき at 2010-05-28 10:44 x
 所詮、私は畜産学士上がりの下っ端ですからね。

 ええとさんの様な学者先生ではありません。

 微生物学も病理学も、獣医学部で講義をうけただけですから。

 で、先程から、ええと先生の有り難いご講義を心待ちにしているのですが、準備はまだでしょうか?

 
Commented by みき at 2010-05-28 11:10 x
 しかも、現在の仕事が畜産に関係していることなので、口蹄疫に関しては、韓国で発生した1月から経過を観察しています。

 生活が掛かっていますから、+で騒いでいる連中とは少しだけ違います。

 それでも、ええとさんは、私よりも真実に近いところにいらっしゃる様なので、今後の対策の参考にもさせていただきたいと考えています。

 本当のことを教えてください。
Commented by とおりすがり at 2010-05-28 17:58 x
>>みきさんへ
> 所詮、私は畜産学士上がりの下っ端ですからね。

> 生活が掛かっていますから、+で騒いでいる連中とは
> 少しだけ違います。

専門は畜産学で、獣医学ではないのですね。

もし、あなたが具体的なことを知っているなら例を示しては如何ですか?私は分野は違いますがバイオの専門家で、ネット上での公開情報を調べ書き込みました。

みきさんの書き込みは、思い入れは伝わりますが、根拠が曖昧なのです。現状はxxxで、だから○○○みたいに書いて頂けないと、一般の人には伝わらないと思いますよ。

私は、素人の大臣に何もできないと書きましたが、専門家としてそう思います。大臣や役人の政策の基礎資料を作った経験を踏まえて書込みました。
Commented by とおりすがり at 2010-05-28 18:18 x
>> みきさんへ
> 去年の新型インフルエンザへの対応を、大げさだと
> 思いますか?

大げさだと思います。
この報道の元は、ある日本人研究者が、研究費の獲得のため社会的インパクトを狙って大風呂敷を広げて書いた論文です。ロクに検証もせずマスゴミが取り上げたことが原因です。

あれだけ、メディアが大騒ぎしたインフルエンザですが、実は学術的な根拠は無く、ただ売れる記事を書くために騒いだのです。途中から、情報の訂正もせず、報道はフェードアウトでした。

今回の口蹄疫の報道も検証が必要です。もし、みきさんが畜産関連分野に従事しているなら、メディアの報道を鵜呑みにする前に、各省庁や関連機関が公開している1次情報を、ネットを使って調べてみることが大切だと思いますよ。

特に、自民党や民主党と結びつけた報道は根拠が薄いです。前に書き込みましたが、口蹄疫対策は、数年前に農水省が定めており、地域の実情に合わせ、どう実行するかは各県(今回は宮崎県)の責任なのです。(但し、これだけ規模が大きくなると国の関与は不可欠ですが。。)
Commented by とおりすがり、 at 2010-05-29 04:25 x
(つづき)
新型(豚)インフルエンザ報道が、マスゴミのバカ騒ぎだということは、研究者のサイトでも取り上げられています。
http://nxc.jp/tarunai/?page_id=23

http://blogs.yahoo.co.jp/bloom_komichi/62464106.html

今回の口蹄疫は、インフルエンザ報道よりはましだと思います。
また口蹄疫の感染の規模も大きく重大な社会問題だと思います。しかし、これまでのメディアの報道姿勢からはんだんすると、嘘や大げさ、あるいは、世論誘導などが含まれている可能性があり、注意が必要だと思います。

--
産経新聞に
”【口蹄疫】「マニュアルは机上の空論」大阪府立大xx准教授”
という記事ありました。この准教授の専門を調べると、細菌感染の分子機構が専門で、口蹄疫の防疫を担う、「ウイルス学」や「防疫」、「疫学調査」などは専門外です。獣医学者ですが、疫学が専門ではないので、専門家のコメントとして不適当です。

同じ学科に、ウイルス学や疫学の専門家がいるのに、何故、専門外の人に聞いたのか不思議です。

この記事は、初めに「農水省を批判する」意図に添って組み立てた世路誘導の典型に見えました。
Commented by bloom at 2010-05-29 23:46 x
おひさしぶりです。

インフルエンザの時はまともな解説記事がほとんど見つけられず、自分で原著論文まで読んでいましたが、口蹄疫の議論は獣医の方のブログを参考にしています。
(とおりすがりさん、私のブログ記事の紹介有り難うございました。外岡先生は科学ジャーナリスト賞を戴きましたね。)

新型(豚)インフルエンザの時は分かっている立場にいるはずの人々が妙に口をつぐんでいましたが、口蹄疫に関する専門家(御用学者とかマスコミ受けを狙う学者とかじゃなく)のコメントはまだ客観的な意見が多いように感じています。
やはり人間の病気となると、正しいデータや分析でも感情的・政治的な干渉が激しいのかなと思っています。

ちなみに私は大学卒業後、飼料会社に勤務していたので畜産現場での研修が3ヶ月ありましたが、その当時も病気との闘いが課題でしたね。

個人的には種牛の精液がどれくらい採りだめ出来るのか、その中から次世代の優秀な種牛が出るのか気になっています。
Commented by stochinai at 2010-05-31 09:16
 騒動がおさまったら、今回の事例を参考に、今後の日本の牧畜について冷静に考え直す良い機会にできるといいのですが。
Commented by みき at 2010-05-31 10:46 x
 ええとさんはどこに行ってしまったのでしょうね。

 とおりすがりさん、お久しぶりです。

 最初の方でも書いてあるとおり、私の情報は、もちろんネットも有りますが、直接消毒やワクチン接種に関わっている人たちからのものも有ります。
 
 それを言うと、”現状を知っている方々が、「お前たちは何もわかっていない」と言ったとたんに、目と耳をふさぐ人がどんどん増えていくことの方を恐れます。”とか言われちゃうんですけれどもね。

 でも、その現場でお上からの指示に右往左往振り回されている人たちを見て、全く離れたところから、試験管の中だけはよく知っている人たちの批判に対して、色々伝えないといけないと思っていますのでね。

 ま、ここには私の求めていた真摯な討論は望めそうにないです。

 さようなら。

 ”明日は我が身”にならないように祈っています。
Commented by とおりすがり at 2010-05-31 19:29 x
>>みきさん

書込み有り難うございます。

> ええとさんはどこに行ってしまったのでしょうね

私は、ええとさんではありません。(念のため)

> 現状を知っている方々が、「お前たちは何もわかっていない」と
> 言ったとたんに、目と耳をふさぐ人がどんどん増えていく..

もっと具体的な例をだして、一般の人にも分かる様に、書いて欲しいというstochinai先生のメッセージと思います。

周囲の出来事を人に話し、支持者を増やすことは、世の中の基本です。”対策がダメ”なら、どうダメなのか、一般の人が分かる様に書き込む方が良いのでは?

私は、みきさんの書込みに具体性を感じません。畜産学を学んだころの、牛のや豚の話はとてもリアルなのに、口蹄疫の話になると、磨りガラスの向こうを見る様に曖昧です。あなた自身、畜産業界の伝聞ではないですか?

「直接消毒やワクチン接種に関わっている人」
のリアルな話を本当に知っているなら、教えて欲しいです。

国の対策が悪いなら、具体的にどう悪いか書かないと、第三者には、わからないのです。申し訳ないですが、教えて下さい。
Commented by みき at 2010-06-01 10:54 x
 とおりすがりさん、他人の言葉は耳に入らず、結論ありきで一方的にわめき散らして、質問には答えない。

 そんなあなたとでは議論にならないので、お話をするつもりはありません。

 
Commented by とおりすがり at 2010-06-01 14:53 x
>>みきさんへ

”結論ありき”って、私のどの発言をさしているのですか?

この場所へのみきさんの書込みは、このサイトを見ている大勢に対しての返答でもありますよ。

> 「直接消毒やワクチン接種に関わっている人」
> のリアルな話を本当に知っているなら、教えて欲しいです。

これが、結論ありきで一方的なことですか?

あなたは畜産関係者で、本当に現場を直接見聞きした話を知っているなら、書き込んで、皆さんに知らせてください。それが、一番説得力がありますし、口蹄疫に関する一般の人の理解にも繋がります。

実は、伝聞だけで、直接、何も知らなければ、書き込めませんよね。
Commented by みき at 2010-06-02 11:12 x
 日本語の通じない、自らを顧みない人間との会話はしません。

 嘘ばかりつく民主党議員とでも会議をしなければいけない野党の議員さんには、頭が下がります。

 私自身の個人情報を少し話しただけでコレですから、他人を巻き込む訳にもいきませんし。

 良識のある皆さんは、http://www.yamaken.org/mt/kuidaore/archives/2010/06/20km.html ここでも見ておいて下さい。
Commented by みき at 2010-06-02 11:14 x
 すみません、こっちでした
 http://www.47news.jp/47topics/e/160403.php
Commented by とおりすがり at 2010-06-02 12:10 x
> 私自身の個人情報を少し話しただけでコレ。。

結局、言い訳ばかりで、何もあなた自身の独自の発言は無いのですね。

私は、あなたが 「 本 当 に 」 口蹄疫対策で政府の不備を知っているなら教えてくださいと書きました。別に個人情報を書き込めなんて言ってませんよ。もし本当に、口蹄疫の現場に居るなら、街の様子だって書けるはずですよね。

結局逃げ回るだけで、何も書き込めませんね。
挙げ句に出して来たのが、webのしかも三面記事的なニュースだけ。
全く、リアリティがない。
Commented by みき at 2010-06-02 16:48 x
 本当に日本語の通じない人って、存在したんですね。

 折角のブログがだいなしです。

  stochinai さん、こんなにしてしまってごめんなさい。

 
by stochinai | 2010-05-17 21:58 | つぶやき | Comments(56)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


by stochinai