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突然変異を目撃した?【ガーデンの遺伝学】

 2年がかりで確かめようとしていたことが、昨日から今日にかけて「証明」されました。おそらくオダマキの突然変異を見つけたのだと思います。

 我が家がこの場所に引っ越してきたときから、庭には雑草のようにオダマキがたくさん生えていました。多年草なので株が冬越しもするのですが、こぼれ種から毎年のように新しい株が育って増えています。引っ越してきてから約10年間、我が家に生えるオダマキはすべてが青紫色の花を咲かせておりましたので、オダマキというものはこの色しかないと思っておりました。西洋オダマキにはいろいろな色があって、花の形もいろいろあるようですが、昔から日本にあるものはこの色のものだと思っていたのです。
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 ところが、一昨年庭中に咲くオダマキの中に一本だけピンクの花を咲かせるものが出現しました。こぼれ種で良く増えるものなので、どこからか飛んできたものかもしれませんが、私は突然変異による色変わりに違いないとなぜかしら確信したのです。

 それで、その花が種子をつけるまで大切に守り、その種を秋にプランターにまきました。記憶は定かではないのですが、その年のうちに芽が出たと思います。そして、昨年一年、結構大事に育てたのですが、ついに花は咲きませんでした。それが冬を越して今年になってから花芽をつけたのです。毎日見ていて、なかなか蕾が開かずいらいらしていたのですが、数日前からかなり膨らんできて、その色が青くならないのでピンクの花が咲いてくれるのではないかと今か今かと待っていました。そして、ついに昨日ピンクの花が開き始めました。

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 間違いなくピンクのオダマキです。

 
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 私の予想としては、花の色だけが変異していて、花の形などは元のままであっていて欲しいと期待していたのですが、花の形もちょっと違って見えます。
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 雑草のようにはびこっているので、あまり真剣に観察したことはなかったのですが、こうしてみるとオダマキの花もなかなかきれいです。

 色変わりの花はもっときれいに思えます。
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 このオダマキが、青紫の普通のオダマキから突然変異によってできたものか、それともどこからかこぼれ種が運ばれてきて咲いたものか、見ただけでは結論は出せない気分になってきました。

 どなたか、DNAを調べてくれないでしょうか?もし突然変異だとしたら、意外とセンセーショナルな論文が書けるかもしれませんよ(笑)。
Commented by ぜのぱす at 2010-06-14 07:22 x
生物学的に検証してみましょう(笑)。

『庭中に咲くオダマキの中に一本だけピンクの花を咲かせるものが出現しました。』から推察されるのは、もし、これが一遺伝子の突然変異による結果だとすれば、劣勢変異だとは考え難いです。なぜなら、仮に、花の色がViolte(V)が優勢で紫、violet (v)が劣勢でピンクになるとすると、一本だけ咲いた個体の遺伝子型は劣勢変異によるのであればvvです。と云うことは、その親の代に変異が起きて親はVvの遺伝子型と考えられます。この親が自家受粉するとして、出来た種子の25%は、vvのピンクになるはずですから、一本だけピンクと云うのが解せません。もし、自家受粉出来ないのであれば、少なくとも2個体のVv型遺伝子を持つ植物が必要で、其の場合は、親ではなく、更に、ひと世代前に変異が起きているはずで(異なった親の代の2個体に独立に同じ遺伝子に変異が起きたと考えることも可能ですが、非常に確率が低い)、そうすると、v遺伝子を持つ個体数の割合が更に高まりますから、益々、一本だけ、と云うのが考え難い。
Commented by ぜのぱす at 2010-06-14 07:23 x
じゃぁ、これは優勢変異に依るものだとすると、仮にPがピンクを規定する遺伝子で、ppが紫、当該の個体が突然変異の結果Ppの遺伝子型を持ってピンクになった個体だとすると、この『花が種子をつけるまで大切に守り、その種を秋にプランターにま』いた訳ですから、これが自家受粉に依る物なら、其の子孫は、PP, Ppが3/4で、ppが1/4で、75%の花がピンクに、もし他家受粉に依るのであれば、Pp:ppが、1:1で、半分はピンクになるはずですので、これから出て来る花の色で判断出来るでしょう。

これが、もし、100%ピンクになるなら、考えられるのは、一本だけ咲いた当該個体は、変異遺伝子をホモに持っていたことになるので、それが優勢変異であれ、劣勢変異であれ、理論上非常に稀で、むしろ、其の場合は、どこからか一個だけ種が紛れ込んだ、と解釈する方がreasonableなような?!

以上は、非常に単純に、ピンクと紫を対立遺伝子として考えてた場合ですが、って、それすら、自信がないんですが(爆)、そうじゃなければ、話は、もっと複雑ですよね。
Commented by シロハラクイナ at 2010-06-14 14:18 x
種が紛れ込まなくても、ハチなどによって他の場所から花粉が運ばれますので、それを通じてジーンフローがあるのではないでしょうか。ご近所に、ピンクのオダマキが沢山咲いているところはないでしょうか…。
Commented by stochinai at 2010-06-14 14:51
 自家受粉で大量に種ができるので、送粉のことは失念しておりましたが、もちろんそれも十分考えられますね。

 ぜのぱすさんの「講義」を聴いて、「突然変異か」と舞い上がっていたのが恥ずかしくなりましたが、私としては2年越しに蒔いた種で期待通りの花が咲いてくれたことがうれしくて、うれしくて・・・・(汗)。
Commented by あすてろいど at 2010-06-17 13:15 x
似た経験の持主です。17年ほど前に庭に濃い紫のオダマキを一株移植しました。3年くらいは、紫のオダマキが種をこぼしつつ庭のあちこちにはびこっていきました。その3年目(不確か)に一株だけキレイなピンクのオダマキを発見。へえ、どこからタネ飛んできたんだろうくらいにしか思っていなかった。家の周りはオダマキたちに占領されている。このピンク、毎年増えていっているような気がしていた。今年、濃い紫のオダマキよりもピンクが多い。気になって、花を丁寧に見たら、紫にもピンクにもそれぞれ濃淡があり、花の形も微妙に違っている。ピンクのオダマキは近隣にはない。隣家のオダマキは内側の紫の先端がシロっぽい。我が家のピンクと紫の中間色のオダマキ君は内側の花弁(?)が白い。ずぼらな管理なので、オダマキは勝手に交配・交雑しているんだ。そう勝手に思っていました。
Commented by stochinai at 2010-06-17 13:24
 まさに「そっくりな経験」ですね。おっしゃるとおり「、オダマキは勝手に交配・交雑している」というのが正解かもしれません。紫とピンクは見た目の違いが強烈ですが、中間がないということはこの二つの表現型は遺伝的には意外と近いものということなのかもしれませんね。

 貴重なコメントをありがとうございました。
Commented by あsてろいど at 2010-06-17 16:32 x
これから6種類程度のオダマキをお見せに参ります(研究室前においてきます)中間色があるのですよ・・・
by stochinai | 2010-06-13 21:35 | 生物学 | Comments(7)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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