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なぜヒトと家畜の感染症対策がここまで違うのか【追記 ソース】 【追記2 口蹄疫の正しい知識1~11】

 宮崎の口蹄疫もようやく非常事態宣言が解除されるところまできました。殺された大量の家畜の損害もさることながら、今後家畜を育てている農家が感染症爆発以前のようにウシやブタの畜産を軌道に乗せるところまでは、どのくらいのお金と労力と時間がかかるのか想像もつきません。

 畜肉が世界的に流通している現状を考えると「世界標準」の対応を迫られるということもわからないわけではないのですが、たとえ今はそれが常識でも間違っているのであれば新しい常識を世界に提案していくという外交をできるくらいの、科学的・経済的・政治的位置に日本がいてもおかしくないと思うのは私だけなのでしょうか。

 5月にも書きましたが、普通の風邪をひいたからといって感染の拡大を防止するためにヒトを殺したりはしないのに、風邪ウイルスと近縁のウイルスによる口蹄疫感染に対しては感染している個体だけではなく、その周辺にいる個体を皆殺しにしてしまうというヒステリックな対処になるのは、たとえ理学部とはいえ大学で「免疫学」も教えている私としてはまったく理解に苦しむことです。

 膨大な被害を出しながらも、今回はなんとか封じ込めに成功したかのように報道されていますが、今回の口蹄疫騒ぎになった地域にいる偶蹄類の動物は、畜産農家が飼育しているウシや水牛、ブタだけではないはずです。野生のシカやイノシシはどうなっているのでしょうか。
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  シカのイメージ (C) photoXpress

 飼育しているブタやウシに関してはあれだけの大騒ぎをしていながら、野生のシカやイノシシを捕獲して調べたという報道はまったく見聞きしておりません。どこかで、そのような調査があったのだとしたら、結果とともに是非ともお教えください。
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 イノシシのイメージ (C) photoXpress

 さて、池田香代子さんの7月19日のブログ(「オランダは二度と口蹄疫で家畜を殺さない」 第二の官製パニック)の中で、「木村(盛世)さんによると、オランダはこのたびの宮崎の惨状を見て、今後一切、口蹄疫に罹った家畜は殺処分しない、と宣言したそうです」と書いてあったので、私は「我が意を得たり」とtwitterに転載したところ、情報の確かさに対して多くの方からいろいろとご注意をいただきました。確かに、その時点では情報ソースが見つからなかったので、この件に関しては保留にしておいたのですが、今日その木村盛世さんのブログにソースリンク付きで同じ情報が載っていました。

 第2の官制パニック、口蹄疫-(4) -公衆衛生の概念無きFMD対策-
オランダ政府は、6月28日にFMD流行時の殺処分は今後一切行わない事を明言し、その代わりに緊急のワクチン接種を提案しています。
http://www.warmwell.com/euwpmay112010.html
 喜び勇んでソースサイトをクリックしてみたのですが、そこにはワクチン使用の勧めはたくさん書いてありましたが、どうもオランダのことは見つかりません。しかも木村さんのブログでは6月28日に発表したとなっているのですが、こちらのページは5月(Brussels, May/2010)に書かれたもののようです。

 というわけで、またしてもオランダ政府の公式見解の記事にはたどり着けなかったのですが、そこに書かれた「殆どの牛は回復し、肉を食べても問題ない、人には罹らない病気に対して何故、どうして殺処分に固執するのか、そして、10年前に様々な研究や意見がなされてきたこの問題に関して、何の議論も起こらないのか、とても不思議に思います」には、私も大いに共感します。また、「ワクチンに関してもその有効性は未だ確立されていません。しかし、殺して埋める、という現場の労力と、それに伴う経済的被害、畜産農家の精神的苦痛等を考えると、ワクチンというのは大きな選択肢であるといえます」にも賛成です。

【追記29日】コメント欄で「ごんべ」さんという方が、木村ブログの元ネタになったと思われる記事のソースを教えてくださいました。
Commented by ごんべ at 2010-07-29 10:28 x
http://www.warmwell.com/fmd0809.html
のJune 28thに書いてあります。
が、そのソースはやはり見つかりません。
 しかし、このサイトには6月28日付けで、宮崎のことと並んで、次のような記事があります。
June 28th 2010 ~ In the Netherlands, mass culling is never going to take place, again

It is interesting and encouraging that the Dutch Ministry - not waiting for the change in regulations about the resumption of trade that must inevitably come sooner or later - has officially written in their Contingency Plan that mass culling is never going to take place, again and that immediate emergency vaccination to live will start (both for FMD and CSF) in the event of an outbreak.
 これは、まさに木村ブログに書いてあることに符合していると思います。


 さらに厚生労働省の医系技官である木村さんの口から「日本には欧米並みのレベルを持った公衆衛生大学院がないというのが実情」であり、その結果として客観的に政府に政策を提言する「シンクタンク、すなわち公衆衛生専門家集団が不在だ」ということが語られているのですから、驚きです。要するに、日本の公衆衛生政策は「思いつきや、思い込みで」決定されているというのは、どうやら事実のようです。

 このようなブレイン不在の行政が今、研究の中心を担っている大学も含めた全国の大学をスリム化しようとしているのですから、日本の将来は危険きわまりないと感じます。

 木村さんに言われるまでもなく、口蹄疫に限らずこれからも繰り返しパンデミックのおそれのある感染症の流行が必ずやってくるでしょう。その時になってまた、今回および昨年のブタインフルエンザ騒ぎのようなパニックを繰り返すのではあまりにも愚かです。

 口蹄疫が一段落した今だからこそ本気で対策のための教育機関・研究機関・検討機関・政策決定機関を立ち上げておいてほしいと思います。

 のんきに大学を兵糧攻めにしている時ではないでしょう。

【追記2 beachmollusc さんからの情報】
 (社)予防衛生協会理事・東京大学名誉教授・山内一也先生による解説「口蹄疫の正しい知識1~11」
http://www.primate.or.jp/rensai/zakki/index.htm

口蹄疫の正しい知識
 1.はじめに
 2.ウイルス学の出発点になった口蹄疫
 3.口蹄疫はもっとも重要な家畜伝染病
 4.殺処分方式の歴史
 5.どのようにして口蹄疫は広がるか
 6.口蹄疫ウイルスの特徴と研究の背景
 7.過去の日本における口蹄疫の発生と対策
 8.日本からのワクチンが感染源となった米国の口蹄疫
 9.メキシコで起きた口蹄疫の大発生
 10.マーカーワクチン:殺すためのワクチンから生かすためのワクチンへ
 11.口蹄疫対策の転換をもたらした英国での口蹄疫の大発生

Commented by 甘すぎ at 2010-07-28 21:16 x
公衆衛生大学院は専門職大学院制度のひとつとして2000年に京大に設立されて以降九大とかいくつかの大学に設置されている。歴史も新しいし木村氏のいうような大きな役割を果たしていないということはあるかもしれない。
一方今回の口蹄疫対策については宮崎大学や鹿児島大学の獣医学科、そのほか全国の獣医系学部学科の教員(場合によっては学生も)も協力しています。日本の獣医学教育に公衆衛生分野の教育が足らないといわれて久しいのですが今回の事件を教訓に教育内容にも生かされることでしょう。
Commented at 2010-07-28 22:00 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by whity at 2010-07-28 23:17 x
今回の口蹄疫禍では、農水官僚の方がtwitterで情報提供をしています。
農水省寄りの意見であろうことを差し引いても、しっかり解説されてますので、これには目をとおしておいたほうがよろしいかと思います。

口蹄疫対策に関する霞ヶ関の「中の人」のつぶやきまとめ(上から1~5)
http://togetter.com/li/19383
http://togetter.com/li/21372
http://togetter.com/li/26159
http://togetter.com/li/32039
http://togetter.com/li/37912

野生動物については3の上のほうから言及しています。積極的に山に入って野生動物をつかまえてくるということはしていませんが、死体がみつかった場合には調べており、その結果も公表されていますね。
Commented by stochinai at 2010-07-29 06:55
 ありがとうございました。これは大変に参考になりました。twitterの限界として、やはりソースの確認などはは難しいですが、野生動物でもそこそこチェックされていて、深刻な問題は検出されていないということは伝わってきました。
Commented by stochinai at 2010-07-29 07:09
 オランダ関連情報もありますね。

http://twitter.com/hideoharada/status/19296649444
>オランダの反応についての事実関係は把握してません。オランダは2001年のワクチン接種・殺処分のトラウマが大きくワクチン接種しても殺処分しない方策を検討してると聞いてますが、実効性はどうか?

http://twitter.com/hideoharada/status/19302017764
>オランダがワクチン接種家畜を殺処分しない手法を検討してることは事実ですが、「6月28日に明言」とかいう事実が確認できないのです。

 木村「情報」と比較するとおもしろいです。
Commented by tesserac at 2010-07-29 08:34 x
結局木村「情報」は確認できなかったと言うことですか?
「携帯ではじけるポップコーン」の時もそうでしたが、あなたは自分がほしいと思った情報にであったとき安易に飛びつきすぎるんじゃないでしょうか。そりゃ誰でもその傾向があるのはわかりますが科学コミュニケーションを教えてる立場の人間としてちょっと気をつけたほうがよいのでは?
NATROM氏が「木村盛世氏の主張は、政府批判、官僚批判がまずありきで、批判の理由を後付けしているだけではないだろうか。」といってますが、自分もその意見に賛成です。そしてstochinaiさんにもその傾向があるように思えてなりません。

http://d.hatena.ne.jp/NATROM/20100529#p1
http://d.hatena.ne.jp/NATROM/20100617#p1
Commented by 123 at 2010-07-29 10:27 x
この提言が広がることを願っています。もしもオランダが公式には発表してなくて日本が最初になれるならもっといいと思います。はやぶさんくんやイカロスを目指してほしいです。
Commented by ごんべ at 2010-07-29 10:28 x
http://www.warmwell.com/fmd0809.html
のJune 28thに書いてあります。
が、そのソースはやはり見つかりません。
Commented by yu-kubo at 2010-07-29 10:42 x
木村氏関連のツイートがTogetterにまとめられています。
http://togetter.com/li/23455
http://togetter.com/li/29735

木村氏の主張は科学の手続きに基づいていないことが分かるのではないでしょうか。
特に2つ目。「根拠に基づいて結論を出しましょう」という提案に人格攻撃で反論するのは最低の行為です。
結局stochinai先生もソースには当たれなかったんですよね?
Commented by stochinai at 2010-07-29 10:51
 確かにその日に宮崎のことは書いてありますが、オランダのことは何も書いてありません。ここに書いてあるのは、宮崎で感染の初期での発見が遅れたということと、イギリスでも同じようなことが起こりうる、ということだと思います。
Commented by stochinai at 2010-07-29 10:57
 この上のコメントは「ごんべ」さんに対するものです。書き込み後にyu-kuboさんのコメントがありますように、木村さんの「オランダ情報」に関してはソースがわかりません。hideoharadaさんがtwitterで「検討している」と書いてありますので、その情報が木村さんのところに伝わるまでに(あるいは木村さんの頭の中で)「オランダ政府の声明」になってしまったのかもしれません。
 いずれにせよ、yu-kuboさんがおっしゃるように木村さんのブログに書いてあることには「科学の手続きに基づいていない」ことが見受けられると思います。
 まあ、簡単にだまされる私もチョロいものですが、科学者を名乗る人の発言ですから、まずは尊重するというところから出発したいと思っています。

 よろしくお願いします。
Commented by クリハチ at 2010-07-29 11:26 x
大分県Webサイトでは「野生のイノシシ・シカの口蹄疫に関する情報提供のお願い」が掲載されてます。

http://www.pref.oita.jp/soshiki/16210/yasei-kouteieki.html

ただ、このお知らせが狩猟関係者や林業の方に印刷物として配布されているのか、説明会などが開かれたのか、はたまたWebに載せただけなのか、積極的に捕獲して調査しているのか、は不明ですね。
Commented by かとう at 2010-07-29 11:45 x
経済動物って知ってます?
家畜は、病気が治っても、痩せこけて価値が落ちたら意味が無いし、
治療費が売却費を上回ったら何の意味もありません。
ペット(愛玩動物)であれば、お金をかけて治す意味はありますが。

オランダに関しては、業者が家畜として飼っているだけじゃなくて、
個人で家畜兼ペットとして飼っている人が無視できないので、試行
錯誤しているようです。
Commented by stochinai at 2010-07-29 12:28
 いちおう理解しているつもりなのですが、ニュースで流される家畜を手放す畜産農家の方々の様子などを見ていると、なにか別の解決策もあり得るのではないかと感じたのです。(まあ、個人的に人間の都合で動物を増やしたり、殺したりということに対する疑念もあるのですが・・・。)
Commented by かとう at 2010-07-29 12:44 x
農家の方々は、病気を治して欲しいわけじゃない。
病気にならない様にして欲しいんです。
だから、みなさんこれ以上の拡大を防ぎつつ根絶するためにワクチン投与の後の全頭殺処分に賛成してくれたのです。
一人駄々をこねていた人はいますが。。。

殺さずに済む方法を、病気に罹った後の治療等に向けていませんよ。
殺さずに済む為には、病気を入れない。農家の方はそれを知ってます。
もちろん、農林水産省も同じ。
木村何某が与太を飛ばしているだけです。
Commented by かとう at 2010-07-29 12:45 x
家畜そのものが駄目だという主旨なら、それはそれでいいでしょう。
で、その場合は、家畜は駄目だけど、野菜や穀物の植物なら許されるのでしょうか?
植物は生きてないって主旨?
Commented by アリーチェ at 2010-07-29 12:57 x
ごんべさんご紹介のHPですが、「mass culling is never going to take place, again and that immediate emergency vaccination to live will start (both for FMD and CSF) in the event of an outbreak.」という記述があります。ここで解釈が分かれるのは、「take place」ということでしょう。おそらく自然に起こるとかそれくらいのニュアンスなので、「オランダでは二度と大量殺処分を行わない」という意味ではなく、「オランダでは二度と、自動的に殺処分をすることはない」くらいで、おそらくその都度の状況を見て決定するということだと思います。まあ、この短い記事だけでは全容がわからないので、オランダの政府発表が英語ないし日本語ででるまで(あるいはオランダ語がわかる方が翻訳してくださるまで)結論を待つ必要があります。
Commented by stochinai at 2010-07-29 13:19
かとうさん

 農家の方も農水省も、もちろん私たちも「病気にならない様にして欲しい」と思っている人ばかりだと思いますが、その方法として「病気を入れない」ということがあまりにも難しいのではないかと思われるので、他の方法も考えてみてはどうでしょうかという提案です。今回だって、病気を入れないようにしていたスキに入り込んだのではなかったのでしょうか。

 家畜が「駄目」だと言っているのではなく、我々の「傲慢さ」を認識した上で、ありがたくいただこうという趣旨です。
Commented by stochinai at 2010-07-29 13:22
アリーチェさん
 宮崎の記事の下に同じ日付の記事があるのを見落としていました。ありがとうございました(ごんべさん、すみません)。お詫びに全文引用しておきます。

June 28th 2010 ~ In the Netherlands, mass culling is never going to take place, again

It is interesting and encouraging that the Dutch Ministry - not waiting for the change in regulations about the resumption of trade that must inevitably come sooner or later - has officially written in their Contingency Plan that mass culling is never going to take place, again and that immediate emergency vaccination to live will start (both for FMD and CSF) in the event of an outbreak.
Commented by かとう at 2010-07-29 13:26 x
よかった。
経済動物だから、経済的に見合わなければ、心の中で手を合わせながら殺して埋めましょうと云う事に、同意できると言う事ですね。
そういう傲慢さを認識していただければ、このエントリのタイトルへの結論は、「家畜は経済動物だから、違うのは当然です」でOKですね。
木村某は、家畜を扱ったことの無い、人用の医師資格を持っているので、人用の観点の持ち合わせしかないので、ああいうことが言えるだけです。
あんまり変な言説に引っ張られないように、気をつけてください。
Commented by stochinai at 2010-07-29 13:30
 2つ上に引用した記事がまさに、木村盛世さんの言っていることに相当しそうですね。そうだとすると、彼女のブログでのリンクは間違っていたとは言え、言っていること自体は間違っているとは言えないと思います。
Commented by かとう at 2010-07-29 13:38 x
えっと、その引用先は殺処分反対者のwebであり、彼らの主張(とか願望とか)が混じってます。
オランダ政府の発表の一次ソースを見ましょうと、みなさんおっしゃってられます。
Commented by stochinai at 2010-07-29 13:40
 それは私も見たいところです。
Commented by かとう at 2010-07-29 13:40 x
2001年にオランダで発生し、それに対して殺処分で対応した。
それに反対して、同年からwebで反対運動をしている。
そういうサイトです。
Commented by stochinai at 2010-07-29 13:49
 私も、現時点では似たような意見を持っておりますが、それが間違っているということをわかりやすくまとめたサイトをご存じでしたら、お教えください。
Commented by tesserac at 2010-07-29 14:31 x
>私も、現時点では似たような意見を持っておりますが、それが間違っているということをわかりやすくまとめたサイトをご存じでしたら、お教えください。

「それ」というのは「FMD流行時の殺処分は今後一切行わない事を明言し」ということでしょうか?
基本的にある人があることを言ったというのを示すのは簡単ですが、ある人があることを言わなかったということを示すのはほぼ不可能でしょう。
オランダ政府が「FMD流行時の殺処分は今後一切行わない」と決めたことを証明しなければならないのは、そう主張している側だと思うのですが。

それにもしかりにオランダ政府がFMD流行時の殺処分は今後一切行わないと決めたのが事実として、そう決めた理由の詳細がわからない限り、日本も同じことができるかどうかわかりませんよね。

あとひとつ「普通の風邪をひいたからといって」とおっしゃってますが、口蹄疫は幼畜の場合、致死率が50パーセントに達する場合もあり、成畜でも数パーセントの致死率がある以上、いくら近縁のウイルスとはいえ風邪にたとえるのはおかしいと思いますが。
Commented by かとう at 2010-07-29 14:36 x
>わかりやすくまとめたサイト
駄目サイトでガセネタを掴まされて、さらにわかりやすいまとめサイトを
探しているようでは全然駄目です。こういうことでは、更に騙されます。
必要なのは、より一次情報に近いものです。
日本語のサイトは、出展が無いものも文章の類似から、出所が一点だと言えるでしょう。
そこは出展は前記の同志?の所以外の出展を出す気が無い以上、「出展が出せないものは信じない」で終了です。
存在しない証明は不可能なので、存在するって言ってる人間が出そうとしない以上、駄目だしする以外ありません。

僕は1時間ぐらい探しましたが、結局そこしか見つかりませんでした。
Commented by stochinai at 2010-07-29 15:19
 申し訳ありません。「それ」というのは、「FMDの発症に対して殺処分以外の方法を考えてはどうか」ということです。「殺処分以外の処置は非論理的であり、絶対に間違いだ」ということを、説得力を持って(わかりやすく)解説しているサイトがあったらお教えいただきたいといったつもりでした。
 一次情報や原著論文以外はダメ、ということでしたら専門家と市民の間の「科学コミュニケーション」は成立しないということになります。
Commented by かとう at 2010-07-29 16:42 x
>「殺処分以外の処置は非論理的であり、絶対に間違いだ」
こんな事は、そもそも世界中で誰も言ってません。
誰も言ってない事を求める方がどうかしています。
Commented by tesserac at 2010-07-29 16:54 x
「殺処分以外の処置は非論理的であり、絶対に間違いだ」なんて誰がいいましたか?自分が知る限り誰もそんなこと主張してないと思うんですが。そういうのをわら人形論法って言うんでしょう。

自分が主張したいことは以下のとおりです。
>なぜヒトと家畜の感染症対策がここまで違うのか」
家畜が経済動物である以上違って当然。

>風邪ウイルスと近縁のウイルスによる口蹄疫感染に対しては感染している個体だけではなく、その周辺にいる個体を皆殺しにしてしまうというヒステリックな対処
近縁だからといって風邪と口蹄疫を比較するのは不適切(大腸菌と近縁だからといって0157がたいしたことないと言うようなもの)、殺処分はヒステリックな対処ではなくやむを得ない対処。

>一次情報や原著論文以外はダメ、ということでしたら専門家と市民の間の「科学コミュニケーション」は成立しないということになります。
いや、あなたは「たとえ理学部とはいえ大学で「免疫学」も教えている」かつ科学コミュニケーションにかかわっているんだから、「市民」ではなく「専門家」でしょう。
Commented by stochinai at 2010-07-29 17:31
 お二人とも「殺処分以外の処置は非論理的であり、絶対に間違いだ」ということは誰も言っていないとおっしゃっているので安心しました。この記事で言いたかったことは、殺処分以外の方法を考えたいということですから、それをみんなで考えることが否定されているわけではないということを知っただけでも収穫です。

 最後のところ、私はこの件に関しては専門家と市民の間にいるものだと自覚しています。私が求める科学コミュニケーションは「かとう」さんや「tesserac」さんのように、「専門家に近いところにいる方々」と「市民」との対話です。

 専門的知識のほとんどない「ただの市民」が、今回の口蹄疫パンデミックで殺され埋められたウシやブタをかわいそうと思う感情は自然なものだと思います。しかし、それが必要なことであるのならば、その方々が「そうか、それはかわいそうでは済まない、必要なことなのだ」と納得してもらう過程こそが科学コミュニケーションとして求められていることなのだと思います。

 というわけで、よろしくご協力をお願いします。
Commented by かとう at 2010-07-29 17:40 x
>今回の口蹄疫パンデミックで殺され埋められたウシやブタをかわいそうと思う感情は自然なものだと思います。
最低ですね。こういう誤誘導は。

なら言いますが、今、日本全国で1年間に殺処分されている犬・猫
は、今回宮崎で殺処分された牛・豚より多いってことは知ってますか?
そちらの方はずーっと昔から続けられてきたし、今後も毎年続いて行きますが。

自分の都合が悪くなると感情論で逃げている様では、科学コミュニケーションは不可能です。
Commented by かとう at 2010-07-29 17:42 x
すいません。犬猫の処分状況のURLを貼り忘れました。
とりあえず、下記を。
http://www.conoass.or.jp/situation/index.html
まあ、ここ以外にも、幾らでもありますので、わざわざ貼らなくても
足りてるでしょうけど。
Commented by stochinai at 2010-07-29 17:50
 口蹄疫の殺処分と捨てられたペットの殺処分の関係が見えないのですが?
Commented by beachmollusc at 2010-07-29 18:04 x
オランダの口蹄疫関連情報の1次ソースをほぼ把握しています。

オランダ政府報告書、学術報告書、EUサイトの内容を見ると、上で言われた木村さんのソースとなったProMEDの「個人的な」コメントは「願望」の段階であって、現在オランダ政府はワクチン前提の殺処分をやらない方向でEU各国と動物衛生研究所の連絡会議を進めていると理解しました。

EUの各国で口蹄疫対策の見直しが進められていることは色々なところで言われていますが、その取り組みを実行している組織のサイトを見つけました。

FMD IMPROCON
http://www.fmdimprocon.org/index.php

Improvement of Foot and Mouth disease controlの略称でEU10カ国ベルギー、イギリス、オランダ、デンマーク、ドイツ、スペイン、イタリア、トルコ、フランス、スイスの動物衛生研究組織が連携しています。
Commented by stochinai at 2010-07-29 18:10
 貴重な情報をありがとうございました。先に決めた硬直した意見を持っていると、「願望」と「事実」を表現し分けることが難しくなるものだと思いますが、受け取る我々は注意したいものです。

 「EUの各国で口蹄疫対策の見直しが進められている」のでしたら、是非とも日本もその議論の輪に加わって欲しいものだと思います。

 Improvement of Foot and Mouth disease control 素晴らしい響きを感じます。

 ありがとうございました。
Commented at 2010-07-29 18:12 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by beachmollusc at 2010-07-29 18:15 x
野生動物の口蹄疫感染の可能性はありうると考えています。農水でカモシカなど少数の死体のウイルスPCR検査をやったそうですが、検体の採取方法が怪しいので陰性だったのかと見ています。まともな疫学調査はやらないような印象です。血液採取して抗体を調べるべきですが、埋められた死体を掘り出して検査をやったなど聞いています。

野生鹿について実験的に口蹄疫を感染、発症させた報告がありますが、それについてイギリスのサイトから許可をもらって翻訳しておきました。私のブログを見てください。

4月の発生確認当初から野生動物問題に注目して記事を書き続けていますので、口蹄疫と野生動物、鹿、イノシシなどの過去記事を参照してください。
Commented by stochinai at 2010-07-29 18:21
 上記サイトのHPにある言葉です。

Improvement of Foot and Mouth disease control by ethically acceptable methods based on scientifically validated assays and new knowledge on FMD vaccines, including the impact of vaccination.

拙訳 「科学的に実証された検定方法と、その効果も含めたワクチンに関する新たな知見に基づき、倫理的に受け入れられる方法で行えるように、口蹄疫の制圧方法を改善する。」
Commented by stochinai at 2010-07-29 18:28
口蹄疫と野生動物、鹿、イノシシなどの過去記事
ブログ「beachmollusc ひむかのハマグリ
http://beachmollu.exblog.jp/

鹿が口蹄疫で見せる症状(英文情報の翻訳) 
http://beachmollu.exblog.jp/13012953/

 野生動物に関する情報は、一般の方々からも寄せて欲しいですね。ブログでの情報公開に深く感謝します。
Commented by beachmollusc at 2010-07-29 18:39 x
http://www.foot-and-mouth-disease.com/Binaries/68_30721.ppt
http://www.foot-and-mouth-disease.com/Binaries/68_30720.pdf

上のパワポとpdfファイルにオランダの2001年口蹄疫の詳細が説明されています。この情報があるサイトは口蹄疫の防疫用ワクチンを開発しているところです。

2001年にイギリスから飛び火した後の押さえ込みに失敗して、オランダは殺処分前提の緊急ワクチン接種を行いました。処分頭数は宮崎県と似た規模でした。(イギリスはワクチンを使いませんでした)

技術的にはワクチン接種して殺処分しないでも防疫には問題ないレベルのようですが、国際間の清浄国認定交渉(OIE加盟国間)で防疫ではなくて貿易がネックになっています。
Commented by かとう at 2010-07-29 18:45 x
>殺処分の関係
かわいそうと言い出したのはあなたなんですが。
当然、かわいそうと経済動物は無関係なので、あなたの発言のナンセンスさをご自分で気がつけるようにしただけです。

2001年の記事です。
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jsvs/05_byouki/prion/pf116.htm
ワクチン技術の向上、ワクチンを使った場合の環境への影響、牛・豚への罹患率や、コスト増等の研究を行い、その後OIEを通して国際的なコンセンサスを得て、初めてワクチンありきの状況が可能になるわけです。
少なくとも科学者だと言うのであれば、感情的に殺しちゃいけないだけで突っ走るようでは困ります。
現状、一番有効的かつコスト的に有利な方法が地域ごとの移動制限と殺処分であるってだけであり、永遠にそれをしなければいけないなんて、そもそも誰も言ってません。
現時点で駄目だって云ってるだけです。
現状を見ない姿勢に駄目だしをされているのです。
Commented by beachmollusc at 2010-07-29 18:58 x
かとうさんから2001年の山内さんの解説記事の紹介がありましたが、その後の宮崎の発生を受けてからの最新情報を同じ山内さんが解説されています。

生命科学の雑記帳
 
(社)予防衛生協会理事・東京大学名誉教授・山内一也先生による生命科学の最新情報

24.「口蹄疫の正しい知識 10.マーカーワクチン:殺すためのワクチンから生かすためのワクチンへ」

http://www.primate.or.jp/rensai/zakki/index.htm
Commented by stochinai at 2010-07-29 19:12
 うわっ!ここに私の探していた「宝の山」がありますね。

 口蹄疫の正しい知識 1~11
 http://www.primate.or.jp/rensai/zakki/index.htm
Commented by かとう at 2010-07-29 19:32 x
beachmolluscさん、ありがとうございます。
集中的に調べてたのは5月頃だったためこれには気がついてませんでした。そのためかなり古いのを引っ張ってきてました^^;
Commented by beachmollusc at 2010-07-29 20:01 x
追加情報ですが、オランダ政府の関係者が書いた報告もあります。

Lessons from the foot and mouth disease outbreak in the Netherlands in 2001
http://www.oie.int/boutique/extrait/3.8.Pluimers.pdf

The foot-and-mouth disease epidemic in The Netherlands in 2001
Preventive Veterinary Medicine
Volume 57, Issue 3, 20 March 2003, Pages 155-166
http://www.sciencedirect.com/science?_ob=ArticleURL&_udi=B6TBK-47PPCF6-1&_user=10&_coverDate=03%2F20%2F2003&_rdoc=1&_fmt=high&_orig=search&_sort=d&_docanchor=&view=c&_searchStrId=1415418100&_rerunOrigin=scholar.google&_acct=C000050221&_version=1&_urlVersion=0&_userid=10&md5=754c87b749b847d0a05e4e2adae5f471
Commented by stochinai at 2010-07-29 21:53
 下の論文は大学からでなければアクセスできないようですが、上のものは意外と素人でも読める感じですね。ありがとうございました。
Commented by beachmollusc at 2010-07-30 13:02 x
大学を退職して片田舎の山中で隠遁している身ですが、ネット環境は光回線で、大学在職中より早いくらいです。情報検索に困らないかわりに有料閲覧の論文がすぐには見れないのがこまりもの(重要なものは著者にpdfを請求するか、前の大学経由でまわしてもらっています)。下の論文は上のものと同じ著者が含まれていて、情報は大きく重複していると思われたので要約を読んだだけにして本文は見ていません。

口蹄疫に関する論文情報は恐ろしいくらい沢山ありましたので、読みたいものだけプリントアウトしたのに、うずたかい山になっています。
by stochinai | 2010-07-28 20:26 | 医療・健康 | Comments(48)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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