5号館を出て

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また中教審

 またまた中教審がバカな答申を出したようです。「ある大学研究者の悩み」さんのところで知りました。

 大学院では修士と博士という学位を出しています。修士は大学院に通って取得する学位が普通だと思いますが、博士に関しては大学院に通って取得する課程博士と、論文などの審査を基に博士の学位を得る論文博士というものがあります。それが「『論文博士』制度を廃止し、大学院のカリキュラム修了者を対象に与える『課程博士』制度に一本化する方向で一致した」というニュースが出ています。

 今では、大学院で単位を取得してから数年以内だと、学外からでも課程博士を取れるようになっているところも多いようですが、私は大学院博士課程の3年途中で中退しましたので、その1年半後に取得した学位は「論文博士」です。(中教審によれば、研究の視野が狭く、国際的な通用性に欠ける博士ということになります。)

 今度の決定は、そのように企業や公的な研究所で業績を挙げた社会人が学位を請求できる道を閉ざしてしまうことを意味します。

 その理由がこれまたアホらしく「論文博士については『学位のため研究を狭い分野に限定してしまう恐れがある』『日本独自の制度で国際的な通用性に欠ける』などの批判があった」ということですが、少なくとも私の専門に近いところでは、そのようなことはほとんどありません。

 逆に、十数年から場合によっては何十年もかけて地道に続けられた分類学や生態学の素晴らしい仕事もたくさん見聞きさせてもらいました。生物関係では、論文博士はそのようなものであると私は認識していました。

 修士を出てはたらいていらっしゃる方のブログ(優しい口笛のように。)でも、次のように書かれていらっしゃいます。

>社会人が「博士」を取ろうとしたら、会社を休んだり辞めたりして、大学院に通わないといけなくなるんですね・・・。
>会社を休職するとかってなると、それなりに理解してくれる会社じゃないとねぇ。
>「会社は辞めたくないけど、『博士』は欲しい」ってのは、難しくなりそうです。

 まったくその通りだと思います。そもそも、この中教審答申が出てきた根拠が良くわかりません(というか、アホらしくて調べる気もしません)が、おそらく博士を粗製濫造しすぎて、巷にフリーター博士などがうろつき始めた現状を見た、官僚か大臣が「博士を減らす方法を検討しなさい」などと中教審に諮問したというあたりが実態じゃないでしょうか。

 だいたい論文博士なんて、そんなにたくさんいないでしょう。それを、切り捨てることの意味がどれだけあるというんですか。いつもそうですけど、そんな答申よりもっともっと大切なことがたくさんたくさんあるんじゃないですか。

 そんなことばっかりやっているから、文科省が見捨てられるんだと思います。

 やさしい口笛さんも、おっしゃってます。

>まぁ、今のところ、この仕事が好きなんで、方向転換して研究者の道を歩もう・・・って気はないんですが。
>「博士」って学位は・・・ないよりはあったほうが良いんでしょうけどね。

 もはや、巷では博士の価値なんてそのくらい低くなっているんです。ニュースの見だしに書いてあるような「大学院重視」のための、論文博士廃止なんてなんの意味もないです。

 社会人で研究しようとして頑張っている人のやる気をそぐだけのものでしかないです。

 論文だったらリジェクト、試験だったら不可の回答ですよ > 中教審さん

追記:どうやら本音の理由が見えてきたようです。次のエントリーをご覧下さい。
Commented by yuji3125 at 2005-04-14 17:08
はじめまして。
トラバ、ありがとうございました。

> 社会人で研究しようとして頑張っている人のやる気をそぐだけのものでしかないです。

まったく、仰る通りだと思います。
「研究を狭い分野に限定してしまう恐れ」よりも、一度社会に出て、いろんなことを吸収できるのではないかと・・・。
「社会を知る」ということも、研究者として、やっといたほうが良いことだと思いますけどねぇ。

「博士」という学位の価値が下がってきているかどうかはわかりませんが、少なくとも、大学教授や企業の研究職につく人でない限りは、あまり重宝されないものというのは事実です。
Commented by psudogene at 2005-04-14 17:17 x
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050414-00000019-kyodo-soci
論文博士は36%だそうですよ。少ないとは言い難い数字ですね。

博士の価値が低くなっているのであれば、別になくなっても良いとも考えられるのでは?就職して博士をとる意味もないですよね。

国際的に通用しないというのは違うと思いますが、日本にしかない制度であるというのは事実です。海外の研究者はみんな博士課程を卒業して博士号を取っているわけです。実力的に差がなくとも、それを等価として扱えというのは海外の研究者から見れば異論があるのではないでしょうか。

ただ海外の場合は博士課程の学生には給与がでたり、就職するにしても新卒が優遇されるということもないので、その逆である日本とは事情が違います。それを考えると論文博士は必要と言えるのかもしれません。
Commented by academic_fool at 2005-04-14 18:23 x
stochinaiさんはきっととても優秀な方なのでしょうね。「アホ」「粗製濫造」なんて,私はとてもじゃありませんが,そのような言葉を人に対しては用いることができません。そのわりには,想像と主観でしか判断していないのが気になります。私は論文リジェクトされた経験がないのでよくわかりませんが,客観性に基づかない論文ってリジェクトですよね??
ちなみに私も論文博士というシステムには反対していないし,むしろ必要なのではないかと思いますよ。
Commented by huimuseum at 2005-04-14 18:31
 はじめまして。
 あくまでも人文科学・社会科学系の話ですが、現場では、課程博士の乱発で、研究者の学力の低下とも。博士課程に最低3年、長くて6年在籍で博士論文を執筆するのは時間的・学力的に難しい。特に、海外や国内での調査を必須とする学問分野では。
 現在、教授クラスの先生方の大部分が論文博士取得者。課程博士での学位取得は当時はほぼ不可能。博士課程単位取得満期退学での就職が多い時代でしたしね。
 日本アカデミズムの「伝統的な徒弟制度」の廃止ですか・・・。首都圏でも強行されておりますね。「大学改革」の一環として。
Commented by stochinai at 2005-04-14 22:33
uji3125さん、コメントありがとうございます。

 私は論文博士は、たとえ日本にしかないものであっても、素晴らしい制度だと思っていました。それを作った意義をきちんと検討することなく、やめようという中教審の提案には完全に切れました。

psudogeneさん、コメントありがとうございます。

>論文博士は36%だそうですよ。少ないとは言い難い数字ですね。

 そうでしたか。ついつい指がすべってしまいました。調べずに自分の身近のことだけで反応してしまいました。ただし、論文博士の方々は日本では必ずしも普通の博士と同じように扱われてはいないと思います。海外の研究者と競争する機会もあまりあるとは思えません。(また、資料のない感想で、すみません。)
Commented by stochinai at 2005-04-14 22:42
academic_fool さん、コメントありがとうございます。

>「アホ」「粗製濫造」なんて,私はとてもじゃありませんが,そのような言葉を人に対しては用いることができません。

 そうですか。下品ですみません。でもアホにアホって言った方がお互いのためだと思います。academic_fool さんは、今の世の中で頭に来ることってないんですか。きっととても恵まれた環境にいらっしゃる方なのでしょうね。私はついつい下品な言葉を吐いてしまうことが、しょっちゅうあるくらい恵まれておりませんです。すみません。
Commented by stochinai at 2005-04-14 22:42
huimuseumさん、コメントありがとうございます。

>人文科学・社会科学系の話ですが、現場では、課程博士の乱発で、研究者の学力の低下とも。

 文系の方は、大学教授になって退職するころになってようやく博士を取る方も多かったと聞いて、ひそかに尊敬申し上げておりました。論文博士の廃止と、チープな課程博士の乱造で文系の博士の価値もなくなっちゃうんでしょうね。
 まあ、そういうことなら課程博士も論文博士もいらないわけで、大学は自ら権威を捨てている過程にあるということなのでしょう。
 学問研究の場においては、徒弟制度は必ずしもダメダメではない部分もあったのだと思いますが、それもみんな文科省が破壊し尽くしているのだと思います。(ため息)
Commented by blue at 2005-04-14 22:48 x
国際的に通用しない博士とか言いますが、国際的に通用する研究者を育てるのが正しいわけですよね 医学部の臨床系に限ってかもしれませんが 大学院で博士とると 視野が狭く 臨床医学と解離した人材が出てくると批判されますね 論文博士の方が視野が広い 悪い言い方すると 医学部の大学院は 博士号をてっとり早く取るコース扱いでした でも 今は論文博士は随分減ったと思います 博士号とっても 研究できない人材 が 問題です
Commented by stochinai at 2005-04-14 22:57
>大学院で博士とると 視野が狭く
 はははは、理学部も同じ傾向だと思います。
>悪い言い方すると 医学部の大学院は 博士号をてっとり早く取るコース扱い
 はははははははは、理学部もまったく同じです。
>博士号とっても 研究できない人材
 笑えなくなりました。同じです。
Commented by blue at 2005-04-15 07:26 x
ああ そうなんですか そうですよね 短絡的に廃止するより 現行制度を生かす方策を考える方がベターだと思います 
Commented by kiyoaki.nemoto at 2005-04-15 16:01
三分の一が論文博士であるというのは意外でしたが、大学院の在籍中に博士号を取得できなかった分が含まれるという意味なら、納得もできる数字だと思いました。

「大学院へ行かずに」博士号を取得するのは難しいでしょうが、「大学院を出てから」博士号を取得することは結構あると思います。
その道が閉ざされるとなると、学位取得には指導教官の力量も大きく影響してくると思いますし、逆に言えば、無難な(?)テーマで書かせてしまうことも増えてくるのではないでしょうか。
ニュース通りに読むと、大学院が学部化してしまう危険性を孕んでいる改革内容だと感じました。
Commented by カズ at 2005-04-16 23:25 x
随分前から,廃止されると言われ続けてきた制度が,ようやく廃止されただけ・・・ のようには思います,   

 ただ・・ 残念です.
Commented by stochinai at 2005-04-18 10:17
 カズさん。
 まだ、実行が決まったわけではありませんので、廃止を止めることができるかも知れません。
 最近の日本では「お上」の思ったことはなんでも実行されることが多いのは確かですが、なんらかの形で反対の声を形にしておくことが積み重なると、状況を変えることは可能だと思っています。
 できるだけのことをやってみませんか。
Commented by KUN at 2005-04-21 09:38 x
論文博士は国際的に通用しないんですかね。
わたしは満期退学後10年かかって取りました。しかも指導教授は満
期退学後すぐ退官してほどなく急死したので母校では取得を断られ
、ここ5年ほどいろいろつてを頼り探してようやく母校でもないある大学
に引き受けてもらったのです。
まあ、自分のことはどうでもいいのですが、通用しないってどういうことで
すか?例えば海外にvisiting scholarとして滞在するために履歴書を
提出する時、課程で取得した学位でないと認められないので待遇が悪く
なるというようなことは実際にあるんですかね?
それより事情で取得しないまま研究職についた人がほぼ永久に落第研
究者(あるいはテクニシャンか,万年アシスタント)の烙印を押され続
けるほうが国際的にもまずいと思うのですがね。
Commented by stochinai at 2005-04-21 14:05
>論文博士は国際的に通用しないんですかね。
 少なくとも書類上で差別されることはありません。私も論文博士ですが、ただの博士として受け入れてもらいました。待遇に差を付けようとしても、論文博士と課程博士を見分ける方法がありませんので、そもそも無理です。
 通用しないと言っている人が、何か怪しげなことで論文博士を出した経験があるとか、見聞きしたということなのではないかと、勘ぐっています。つまり、学位を出す方に自信がないのだという気がします。
 それでも、権威を取り戻すために学位を取りにくくするというのなら筋が通っていますが、課程博士だけにするということは(どなたかがおっしゃってますけど)博士をただの大学院卒(つまり誰でも取れる)ものにおとしめることになる提案をしているようですので、明らかな矛盾だと思います。

 つまり、今度の話にはどこかに嘘があるのだと思えてなりません。
Commented by KUN at 2005-04-22 11:12 x
>今度の話にはどこかに嘘があるのだと思えてなりません
はじめに廃止の結論があって、そこへ持っていくために嘘で固めて
いるという感じでしょうか。(1)アメリカ式の授業をこなして単位をと
り学位を取得する課程博士制度はすぐれている(2)アメリカ式は
世界標準なのであわせなくてはならない、という前提が最初から決ま
っていたわけです。実際にヨーロッパ諸国はずいぶん異なるシステム
をもっているところもありますし、論博が視野が狭い、国際的に認めら
れないという根拠も不明です。一部ではじまっている(そして今後論
博の廃止とともに一般化すると考えられる)社会人入学制度では企業の
研究者などが1年に2、3日大学に顔を出せば短期の修了で学位が
とれますので授業料を払っている以外は論博なんら変りません。
この問題の根本は我が国の文部当局や大学が学位を審査しその質を
維持するだけのシステムと審査能力をもっていないということです。
そこが改善できれば別に我が国独自の論博制度があっても問題は
ないしアメリカに右倣えする必要はないわけです。
Commented by ぜのぱす at 2005-04-22 13:09 x
一部の医科歯科系の質の悪い大学(失礼)では、論文博士をお金で買える場合があるようですね。直接にそう云う現場を見ている、所属の異なる、複数のひとに同じような話を聞いたことがあるので、たぶん本当なんでしょう。そういう意味では、現行の論文博士は無い方が良いのかもしれません。

私も論博ですが、本音を云えば、アメリカに居るとCVを書く時に、確かに少し面倒を感じる時があります。博士を取る前にfuculty positionにつくことはアメリカではあり得ないので。でも、説明すれば納得して呉れますし、論博だからと云って差がつくことはありません。(続く)
Commented by ぜのぱす at 2005-04-22 13:11 x
続き

また、長年見て来て、アメリカのPhD取得者と比べて、 日本の(まともな)大学の(論文・課程にかかわらず)博士号取得者に遜色が有るようには見えません。むしろ、英など3年で学位が取れてしまうようなところの、PhD取得者は優劣の個人差が激しいようです。

単純に論文博士をなくすのではなく、何か違う制度を作れれば一番良いかもしれません。例えば、現行の課程博士を全てPhDとし、その上に論文提出による論文博士を設けるとか。この場合の論文博士は、『末は博士か大臣か』と云われていた時代の博士くらいの稀少価値があるものとし、PhD未取得者のみならず、PhD取得者も更に論文博士を目指すような制度。現在の全ての博士が修士号を持っている訳ではないのと同じように、その制度による全ての論文博士がPhDを持っている訳ではなくとも良い訳です。そんなPhDより格上になる論文博士というような制度はつくれないですかね?
Commented by ikegami at 2005-04-24 19:49 x
すみません、TB不慣れなもので何個もつけてしまいました(再編集の度に付けたのがまずかったようです)。すみません…

荒らしではありません。どうか一つだけ残してあとは削除してもらえませんでしょうか。お手数おかけしてごめんなさい。
Commented by stochinai at 2005-04-24 22:34
 ikegami さん、TBありがとうございました。
 ブログ同士の相性みたいなものなのか、うまくいかずに複数送ってしまうことは良くあることのようです。
 今後とも、よろしくおつきあい願えれば幸いです。
Commented by ikegami at 2005-04-24 23:07 x
stochinaiさん、削除お手数おかけしました。
そう言っていただけてホッとしています。これからもよろしくお願いします。

皆さんのコメントも興味深かったです。欧米の中には「通えばとれる」PhDがあるのはその通りですね。僕も昔、巨額の資金さえ持っていたなら、おそらくイギリスあたりでPhDトライしていたと思います。

しかし、いつもながら、文科省が何を目指しているのか、日本をどうしたいのか、僕にはちっとも理解できません…
Commented by KUN at 2005-04-25 23:57 x
>一部の医科歯科系の質の悪い大学(失礼)では、論文博士をお金で買える場合があるようですね
これは確かにそうですね.論博の最悪な一面です.確か91年の学位
規則改定のときも博士(医学)については旧来どおり医学博士と名のって
よいとかいう特例があったと思いますが,臨床医の論博については別
の学位をつくる(たとえば医療博士とか)ことで解決できるはずです.こ
れを論博廃止の根拠にして欲しくないですね.
>現行の課程博士を全てPhDとし、その上に論文提出による論文博士
を設けるとか。
これはいい案ですね.だいたい法務博士などさまざまな学位を認める
方向にあるわけですから,課程によらない学位もあってもいいはずです.
大学が儲からないのなら審査料を思いっきり高くして審査の透明性も
高めて質を保証するというようにやってゆけばいいのです.東南アジア
諸国では近年アメリカの販売会社の学位がはびこり問題になっている
訳ですが,日本の論博の制度が国際的に知名度が上がればこういう
人たちに学位授与することで日本の大学の評価のプラスにもなるん
ですかね.
Commented by stochinai at 2005-04-26 17:48
 文系・理系・医系それぞれに「博士」という同じ名が付いていてもずいぶん違うことが混乱の原因の一つだと思いますが、文科省は逆にそれを利用して都合の良いところをつまみぐいすることで、自分たちの意見を通そうとしている気配がしますね。
 そういう子供だましは、博士論文にかかわるほとんどの人には通用しないと思います。

 ということで、ここはひとついろいろな方面から文科省への圧力をかけることが必要ではないでしょうか。私も機会を見つけて、大学の中から意見を出そうと思います。
 「理系白書」さんとか「NPO法人・サイコムジャパン」さんあたりは動いてくれないものでしょうか。どなたでも、関係者がいらっしゃいましたら、そちらへも働きかけてください。お願いします。
Commented by KUN at 2005-04-26 22:10 x
>私も機会を見つけて、大学の中から意見を出そうと思います。
そうですね.基本的には中教審の委員の知り合いを見つけ働き
かけるのが一番いいのですが.残念ながら直接の面識はありません.
それでちょっと気になることがあります.わたしの勤務先(国立)では
法人化のときつくった就業規則で「教官の大学院在学は附属小学校
中学校の教諭のみ認める」ということになったのですが他の大学では
いかがでしょうか?これだと修士の大学教員は論博が廃止になると
完全に学位取得の道を閉ざされてしまいます.こういうところがまだ
全然整備されていない現状で社会人入学に一本化するのはどう考え
ても無理です.もっとも,これを下手にいって逆に就業規則を変えよ
というような通達でも出されると逆効果なんですがね.
Commented by stochinai at 2005-04-27 12:09
 もちろん在職のまま大学院にはいることはできませんが、本学の就業規則では「(4) 学校,研究所,病院等の公共的施設において,その職員の職務に関連があると認められる学術に関する事項の調査,研究又は指導に従事する場合」には、3年までの休職が認められているようです。
by stochinai | 2005-04-14 16:10 | 教育 | Comments(25)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


by stochinai