5号館を出て

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生鮮市場

 自宅からそう遠くないところに、生鮮食料品を中心に扱っている激安マーケットがあります。野菜、果物、畜肉、魚介類が中心ですが、冷凍食品や酒・ドリンク類もあります。

 驚くべきはその値段で、大手メーカーの食品や酒・ドリンクに関しては、大手のスーパーマーケットとそれほど大きな値段の差はないのですが、輸入品と地もの中心の生鮮食料品には、異常と思えるほど安い値段がついているものもあります。

 どうしてそのような値段が付けられるのでしょう。

 一つには、安いものが入手できる時にだけ大々的に扱っているということが挙げられます。今の時期の北海道は生鮮野菜が高く、レタスやキャベツなどもあるにはありますが、値段が高く扱っている量が圧倒的に少ないのです。つまり、棚が寂しいので並べてあるにはありますが、本気で売ろうとしているようにはとても思えません。定価で販売しなければならないような、化粧品・雑貨類などもまったく扱っていません。

 逆に、保存が利き地元でもたくさんとれるジャガイモやタマネギは格安でしかもたくさん並んでいます。さらにすごいのは、海外から輸入された冷凍や生干しのサカナは、種類も量も多く、値段は他のスーパーの3割安から半額という感じです。畜肉も国内産・輸入品を問わず量も種類も多く、こちらもスーパーと比較してもかなり安めの値段設定がされています。

 大きな店では、客の利便性を考えてか、あるいは一ヶ所ですべてが買えるようになっていれば、多少値段が高くても客が思わず買ってしまうという心理をついてか、なんでも揃えることを目指すがために、安く仕入れできるものからは少しでも多めの利益が上がるような値段設定をしているように思われます。つまり、全体としてバランスの良い収益を狙うという作戦を取っていると思われるので、特定の商品に関してはどうしても生鮮市場のような「利益の出るもの以外は扱わない」というわがままな商売をしているところに勝てるような値段をつけることはできないようです。

 生鮮市場では、このような商売をしていますから、特定の品物を目指して買いに行っても売っていないことが良くあります。また、たとえあったとしてもとても期待できるような値段になっていないこともあります。そういう時には単純に買わなければ良いだけの話です。

 一般的に言って、安くて大量に入荷しているものは、旬で味も品質も良いものが多いようです。逆に、高くて量が少ないものは、季節はずれでまずいものが多いように思われるのは、貧乏人のひがみばかりでもないと思います。

 この生鮮市場は、子どもの頃近所にあった八百屋さんや魚屋さん、あるいは行商のおばさんが運んでくる野菜や魚を思い出させてくれます。あの頃、客は「**が欲しい」とはあまり言わなかったような気がします。逆に、お店屋さんが「今日は**がうまくて、安いよ」と言っていたと思います。買い手は、頭をあまり悩ませることもなく「じゃあ、それをください」とだけ言っていればすみました。

 現代においても、それと同じような商売をすることが、安くて旬の商品を扱うことになり売り上げも上がるのなら、どうしてそういう商売をする店がなくなってしまったのか、考えると不思議な気がします。

 どこで、どうなってこうなってしまったのか、ちょっと考えてみたいと思います。
Commented by 私、前しか見てない? at 2005-04-18 10:23 x
こんにちは。はじめまして。
今回の話を読んで、私は「なんだか良くなってきているぞ」と感じました。
「目にした食材をどう料理するのかわからない」或いは、「自分の周辺の誰に聞いてもわからない」という、ここ十数年の状況から脱して、それらの食材を使いこなせるようになったのではないでしょうか。使えない食材は「生ごみ直行」ですからいくら安くても私は買いません。
ネット上で公開してくれているレシピのおかげでしょうか?
少なくとも私には、今回の話題は明るい話題であると感じました。
Commented by stochinai at 2005-04-18 10:45
 コメント、ありがとうございました。
 おそらくスローフードというのも、同じ考えなのだと思いますが、地産地消が徹底されていると、季節によって手に入るものが限られてきますから、食材に迷うということも少なくなりそうです。おいしいものが安く手に入り、まわりの誰もがそのおいしい料理法を知っているというのは、日常生活としては悪くないですよね。
Commented by winter-cosmos at 2005-04-18 12:59 x
 昨年の台風のときに思いました。うちあたりの大手スーパーは北九州あたりの野菜が多く、当然品薄で高価。個人商店は地物を扱ってらっしゃるので、特に京都府南部は被害が少なかったこともあって安定供給していただけました。
 記事にされている方があって知ったのですが「フードマイレージ」と言う考え方からも地産地消をすすめるべきで、微力ですが野菜は極力地物を買うようにしています。
 
Commented by stochinai at 2005-04-18 15:27
 台風もそうですが、北朝鮮との国交があやしくなるとアサリが高騰したり、ロシアの船を取り締まるとカニが市場からなくなったり、農薬問題が起こると中国産シイタケがなくなったりと、世界情勢に踊らされている我々の食卓を自衛するためにも、いろいろ考えなければならないことが山積みされていますね。
 お金に換算されるだけの商品ではない、命の糧としての食料をどうするか、グローバル化された今の世の中ではなかなか難しいことだと思いますが、まずは農家と消費者が仲良くなることからかな、とも思っています。
by stochinai | 2005-04-17 23:50 | つぶやき | Comments(4)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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