5号館を出て

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ベトナムのレストランのメニューにあった新種の単為生殖トカゲ

 つい先週、ボアの単為発生の話題を取り上げましたが、またまた単為発生ネタです。今回も同じ爬虫類ですが、ヘビではなくトカゲです。ナショナルジオグラフィックのデイリーニュースからです。

New Self-Cloning Lizard Found in Vietnam Restaurant
ベトナムのレストランで新種のクローン繁殖トカゲが発見された

 Leiolepis ngovantriiと名付けられた新種のトカゲは、なんとベトナム人がよく食べていたもので、ベトナムの南東部のメコンデルタ地帯ではレストランのメニューにもあるということです。
ベトナムのレストランのメニューにあった新種の単為生殖トカゲ_c0025115_166101.jpg
 カナヘビにちょっと似ているかわいいトカゲですね。

 研究者が調べたところ、これはいままで報告されていない(記載されていない)新種のトカゲで、しかもオスがいないのに繁殖している単為発生の種だったということがわかりました。

 これが新種の記載論文ですが、残念なことに北大ではこのオンライン雑誌を見ることができません。

Article
Zootaxa 2433: 47–61 (22 Apr. 2010) 5 plates; 28 references Accepted: 15 Mar. 2010
Who’s your mommy? Identifying maternal ancestors of asexual species of Leiolepis Cuvier, 1829 and the description of a new endemic species of asexual Leiolepis Cuvier, 1829 from Southern Vietnam
JESSE L. GRISMER & L. LEE GRISMER (USA)

(クリックすると1ページ目だけがpdfで表示されます。)

 実はこの種に近縁な同じ属のトカゲで今までにも3種類の単為生殖種が発見されており、これは4種目ということになります。

 トカゲではしばしば、雑種が単為生殖を始めて新種になるという現象が見られるようで、ベトナムにいるこれら4種のトカゲのうち、3種はもともと有性生殖をしている1種を先祖としているということが遺伝子を調べることでわかったといいますから、やはり比較的簡単に単為発生を始めやすい種というものがもともといるのかもしれません。
ベトナムのレストランのメニューにあった新種の単為生殖トカゲ_c0025115_16171015.jpg
 いずれも、みんなよく似ていますが、4種の単為発生トカゲです。このうちbを除く3種が同じ先祖から出現した種のようです。

 そして、aの写真が新種のメスしかいないトカゲですが、bはその祖先種と考えられる種のメスです。とても良く似ていて、パッと見ると同じ種にしか見えません。そして、cはbと同じ種のオスです。これは色彩などを含めずいぶん違った雰囲気です。

 このオスとaが交尾・交雑するかどうかはおもしろいところですが、残念ながら原著を読むことができませんので、わかりません。とても残念ですが、著者にpdfファイルを請求してみようと思います。

 ところで、論文の1ページ目しか読めないのになぜ、こんな図が手に入ったかというと、中国人がやっているらしいブログにあったのです。「Ricky's Corner 最不專業的爬蟲愛好者」というブログに、この論文の要旨とともに全図版が「引用」されているのをたまたま発見しました。図だけ見てもだいたいの内容は推測できるものです。

 ブログのタイトルは「妳媽係邊個吖?」。わかるようでわかりませんね(笑)。

 というわけで、爬虫類はどんどん単為発生の報告が続きます。
by stochinai | 2010-11-09 16:28 | 生物学 | Comments(0)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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