5号館を出て

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ボランティアが足りない

 地震や津波、原発事故で被害にあった方々には、もちろん被害にあう合理的理由などなにひとつありませんから、運が悪かったことに対しておかけする言葉をまったく持たないのですが、そうした気持ちを持った方々の中には積極的に被災地に入ってボランティア活動をなさったあるいは現在もなさっている方々がたくさんいるということにも感嘆の気持ちを禁じ得ません。しかし、ボランティアで現地に入った方々にもそれぞれ自分で守らなければならないご自身の生活があるわけです。ボランティアというのはプロではないのですから、あくまでも自分の生活を破壊しない程度にしか貢献できないのは当然だと思います。

 数日前からあちこちの新聞やテレビで、連休が終わってボランティアが減ってきたことを非難するあるいは嘆くような論調の記事が目立つようになりましたが、そもそもボランティアというものはそういう不安定な労働力にしかならないわけで、そのかわりほとんど無償で働いてくれるという有り難さがあるのだと思います。
ボランティアが足りない_c0025115_20403023.jpg
 これは海外からの学生ボランティアを募集するfacebookのページにあった写真です。

 被災地の復興には、自衛隊、消防、警察といったプロの災害救助隊が大きな働きをするのはもちろんです。彼らは給料をもらっているプロですから、連休が終わったからといっていなくなったりしないですが、本業は災害救助だけではなく国土防衛、消火、防犯、犯罪捜査などという本務もあり、むしろ普段はそちらのほうが忙しいくらいですから、連休が終わったからではなく、他の業務もやらなければならないということで一部撤退をしたりするということもあるでしょう。

 そうして、被災直後からだんだんと復興要員が減っていくのは仕方のないことだと思います。

 現地の方がご自身で復興へと動き出せれば一番良いのですが、住む家やインフラも整っていない現状ではまだまだそこまではいかないとは思います。

 というわけで、私の考えとしてはある程度集まった義援金を被災者の方々に配分することばかりを考えるのではなく、そのお金を積極的に使って復興のための「アルバイト」を雇ってはどうかと思うのですが、どうでしょうか。

 先日は被災地での仕事だとだまされて、原発で被曝労働に駆り出された方もいらっしゃったようですが、たとえ大金をもらったとしても命を削って働かされたのではたまったものではありません。それに比べれば、被災地でボランティアの方々がやっていたような仕事だったら、そこまで危険なことはありませんし、なによりも感謝されながら仕事ができるというやりがいを感じられるのではないかと思います。

 全国のハローワークでは毎日仕事を求めている方がたくさん通っておられるという話も聞きますので、そのような方々の一部でも赤十字や赤い羽根に集まった義援金で短期間しかも安い給料かもしれませんが、働いていただけるならば、たくさんの方々がハッピーになれるような気がします。

 義援金の使い方というのをお聞きする限り、どうも硬直しているところが感じられなくもありませんので、もっと自由にいろにろな使い方をして、スピーディに災害復興に役立てることができれば、募金した側にとっても満足感が得られるのではないかと思った次第です。

 連休が終わって戻るボランティアの方々に対しては最大級の謝辞と賛辞をもってお送りし、まちがっても避難非難するようなことがあってはならないと思います。

 ボランティアの方々は、ほんとうにお疲れさまでした。
Commented at 2011-05-09 22:19 x
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by stochinai | 2011-05-09 21:00 | つぶやき | Comments(1)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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