5号館を出て

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故・片桐千明遺作展

 「虎は死して皮を残し人は死して名を残す」ということわざがありますが、名前以上の不滅のものを残す人もいます。研究成果を残すことで評価されることの多い科学者ですが、それ以外のものを後世に残すかたも時折いらっしゃいます。文章も出版されて評価が高ければ、後世に残ることもありますが、そうそう長く残るものではありません。ちょうど1年前の6月3日に亡くなられた私の研究上の恩師である、片桐千明先生は音楽も趣味にされていましたが、そちらは時折口ずさむ程度した。それに対して、絵画(主に油絵)に関しては玄人はだしで、人に見せても恥ずかしくない作品を沢山残しておられます。

 北大理学部の大講堂の東側の廊下にも忍路湾の風景を描いた絵が飾ってありますので、記憶に残っている方もたくさんいらっしゃると思います。

 昨年、無くなる直前の病床で個展を開きたいという意思を表明されたいたようで、今まで描いた絵の中からいくつかを本人がリストアップされたそうです。そのご遺志を実現すべく、ご遺族と関係の方々がこの度遺作展を開催されることになりました。

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 案内のハガキの裏には片桐先生の自信作の一枚と思われる作品が載っていました。
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 ネットで画像検索するだけでも、片桐先生の作品はすぐにいくつか出てくるほど、絵描きとしても評価が高い先生だったことがわかります。

 昨年、亡くなった時の記事でもご紹介した「アフリカ塑像のある静物」です。
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 「ピエロのある静物」
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 「花を持つ」
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 「港と山のある街」
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 「冬の装い」
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 「函館の教会」
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 このうち、遺作展に出てくるものがあるかどうかも、私はまったく知りませんが、これだけ並べてみると「画風」というようなものを、素人の私でも感じることができます。

 札幌のお近くにお住みで、お時間のある方は生物学者以外の片桐先生の一面をご覧になれる貴重な機会ですので、足をお運び願えると幸いです。もちろん、入場料などはいただきません。
by stochinai | 2011-06-04 23:59 | 科学一般 | Comments(0)

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