5号館を出て

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教員の早期退職

 日本では退職金というものが、定年まで勤め上げて辞める場合と、定年前に「自己都合」で止める場合とで、ずいぶんと差があると言われてきました。

 要するに会社としては定年まで勤めてくれた人に対しては十分な退職金を払うものの、それ以前に辞める人にたいしては、あたかもペナルティを与えるが如くに、退職金の減額をするという慣行が続いてきました。それで、一旦勤め出したら定年までは辞めないことが自分の老後の生活を守るためにも必要だったのだと思います。

 それが、バブルがはじけた頃から、一般企業では定年前に辞める人に対してペナルティどころか、定年で辞める場合よりも上乗せした退職金を支払うことで、リストラを進めようとしたことがあります。いわゆる定年前退職勧奨金というものです。

 その頃、私の周りでも居心地の悪くなってきて大学でも同様の制度が導入されたら、すぐにでも辞めたいという声をよく聞いたものです。半分は冗談だったのでしょうが、本当に定年退職よりも上乗せされた勧奨金が支払われるのだったらかなりの人が辞めるのは確実という感じはします。私も金額によっては応じたい気分がないわけではありません。
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 (C) photoXpress

 先日、会議の席でついに我が北大の、我が理学部でもどうやら早期退職勧奨制度というものが導入されたという話を聞きました。

 こちらに全学規定が載っているようです。

 国立大学法人北海道大学教員の定年前退職に関する規程

 文言や孫引き制度へのアクセスの困難から、中身がよくわからないのですが、会議の席での説明によると、今までは定年前に退職した場合はすべて「自己都合」ということで退職金が減額されていたものが、この改訂により、定年前に辞めてもそれは自己都合ではなく定年で辞めたものとみなしてくれるようになったということらしいです。

 ということはどういうことかというと、退職金が大きく減額されることはなくなったけれども、決して定年まで勤め上げた場合よりも退職金が上乗せされるということではなく、あくまでも減額がなくなったということです。

 だから民間企業のように退職勧奨金が出るわけでもないし、年金が早期支給になるわけでもないので、あわてて退職を申し出ないほうが良いと言われてしまいました。

 ネットで調べてみると、全国の国立大学法人が横並びで同じ規程改正を行っているようです。

 どこが法人なのかというくらい、同じ規程が並んでいるのを見ると、日本の「公務員という病」の根深さを再認識させられます。
Commented by 元ポスドク at 2011-07-11 09:03 x
今の時代に、仕事の中身での評価ではなく長く居るほど有利という制度自体が不合理なので、これは前進したというほかないですね。
by stochinai | 2011-07-09 23:59 | 大学・高等教育 | Comments(1)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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