5号館を出て

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変異コルチカム

 初秋を彩るコルチカムが咲き出しました。
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 春先には大きな葉っぱだけが繁茂して,そのまま枯れてしまうというなんとも色気のない植物なのですが,土の中で夏を越えた球根がいきなり花だけを着けるといういきなりの艶やかさの対照が,この花の魅力でもあります。我が家に2種類のコルチカムが混植されているのですが,小型で丸い花弁を持ったものがまず咲き出します。
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 これが終わると,大型で尖った花弁を持ったものが出てくるはずです。

 同じ花だけが咲くはずなのですが,ひとつだけちょっと雰囲気の違うものを発見しました。
変異コルチカム_c0025115_21271452.jpg
 左側が「普通」のもので,右側はちょっと違います。

 ちょっと見にも,花びらやオシベの数が多いことがわかります。よく見るとメシベの数も多いようです。
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 普通のコルチカムは,花びらが6枚,オシベが6本,そしてメシベが3本です。

 こちらが「変異型」です。
変異コルチカム_c0025115_212739.jpg
 花弁が10枚,オシベも10本,そしてちょっとアウト・オブ・フォーカスですがメシベが6本あります。最初は,メシベもオシベも花弁も倍加して,6本・12本・12枚になっているのかと思いましたが,それほど単純ではありませんでした。

 コルチカムには八重咲きのものもありますので,オシベやメシベが花弁に変化しても不思議はないと思うのですが,花弁もオシベもメシベもみんな増えるという変異も起こるのですね。これはしばらく観察を続けなければならなくなりました。

 幸い,この変異型と同じ球根からもうひとつ花の蕾が出てきていますので,とりあえず球根レベルでの変異なのか,花芽のレベルでの変異なのかはもうすぐわかります。
変異コルチカム_c0025115_21265369.jpg
 ガーデンの遺伝学でした。
by stochinai | 2011-09-28 21:40 | 札幌・北海道 | Comments(0)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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