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1日1回でも天気予報と一緒にSPEEDI予報を!

 本日,文科省のサイトで「文部科学省による埼玉県及び千葉県の航空機モニタリングの測定結果について(平成23年9月29日)」というpdfファイルが公開されました。

 なかなか詳細なもので感心しましたが,冷静に眺めているとだんだんと腹が立ってくるシロモノです。これはセシウム134とセシウム137の沈着量を合計して表した汚染地図です。
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 もちろん,ヒトを含めた生物に対してはあらゆる放射性物質全部の総和が効いてくるので,ほんとうは他の核種のものもどんどん重ねあわせていったものが,危険地域地図として信頼度が高いと思うのですが,こんなものを事故後半年もたってから見せられても,汚染地域にいる人にとっては,「なにをいまさら」という思いが強くなると思います。

 たとえ少しくらい不正確でも,放射性物質が降下していたその日に警告が出されていたら,逃げることもできたかもしれませんし,最低限でも外に出ないとか,窓を閉めるとかいう対策は取れたはずです。

 そして,それをするための予報システムがSPEEDIのはずではなかったのでしょうか。

 最近の天気予報は,晴れ・曇・雨を時間ごとに予測しているだけではなく,風の向きや強さなども時間ごとに予報してくれます。そのデータをSPEEDIに流しこんで,たとえば北海道ならば泊原子力発電所からたとえば1万とか2万テラベクレルの放射性物質が放出された場合には,その日の天気予報によって北海道のどこに放射性物質が流れ,そして降下するかの予測を出すことは可能なはずです。

 もちろん,天気予報が外れるように予測は外れる可能性もありますし,実際に事故が起こったとしても泊からどのくらいの放射性物質が出るかわからない状況では正確な予報など出せるはずはありませんが,どの地域の人がどのくらいの危機感を持って対応すべきかの「目安」くらいにはなるはずです。こういう場合には,リスクを大きく見積もり過ぎて過剰に対応することのほうが,少なく見積もって被害を被るよりは明らかに正しいと思われますので,事故の大きさなどを検討するよりは,最大の事故が起こったと仮定してシミュレーションすべきでしょう。

 原発が動いている現実があり,一方ではSPEEDIが準備万端整っているという状況があるならば,それを遊ばせておくのは税金のムダ使い以外の何ものでもありません。毎時とはいいません。一日一回で良いので,もしも本日事故が起こった場合にはどこの地域の人が緊張すべきかという予報を出して欲しいのです。

 毎朝,こんなシミュレーションが降雨レーダーの予測と同じように出てくれれば,日本人全体が緊張感を持って生活することで,原発事故も減るような気がします。(これは,3月11日から月末までのシミュレーションです。)



 毎朝,うちを出る前にこういう予報を見る習慣がついていたら,いざ事故が起こった時に,どこにいる人はどういう行動をとるべきかという指針になって助かると思うのですが,どうでしょうか。

 もちろん,政府などは「無駄な恐怖心をあおる」とか言って,絶対にやろうとはしないでしょうが,民間が始めたら結構,その情報を買いたいという人はいるんじゃないでしょうか。

 確かに,「反原発」や「脱原発」勢力に有利に働く番組になるかもしれませんが,今回の福島原発事故だって,原発の賛成派にも反対派にも同じように放射性物質が降り注いだという事実を考えれば,原発を推進する側にも必要な予報だと思うのですが,どうでしょうか。

 このムービーを見ていると,同じ風向きだと泊の事故が起こったら,札幌は間違いなく最大汚染地域になると思われます。
by stochinai | 2011-09-29 19:15 | 札幌・北海道 | Comments(0)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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