2011年 11月 03日
歩道では走る凶器、車道では無防備な邪魔者
1週間ほど前から東京で自転車の違法走行の取り締まりを強化し始めたというニュースが流れてきました。もちろんブレーキを取り外した自転車などというのは論外ですが、今までは黙認してきた、あるいは場合によっては積極的に誘導してきた自転車の歩道走行を全面的に原則どおりの禁止という方向で指導していくことになるということになると、今までと180度の方針転換ということになります。
(図はアサヒ・コムより引用)
このルールに従うと、歩道の上を逆方向に進んできた自転車がすれ違うとき、お互いに最も車道寄りを走るというルールに従うならば、常に正面衝突の危険にさらされるというkとになります。
もちろん、自転車は基本的には車道のもっとも左側を走行するということになっており、危険を回避するために一時的に歩道を走行することが許されているので、自転車は常に最寄りの歩道に上がって走るということならば、車道の上では左側走行をし、歩道の上では右側通行をするというルールになりますが、これも実際に走る側の立場になってみると混乱と錯誤による事故の原因を作りそうで怖いルールです。
しかも、この図にあるように今まで走行が認められていた幅2メートル以上で歩行者の邪魔にならない歩道での許可を見直し、幅3メートル以上のものに変更するということのようですが、幅3メートル以上の歩道となるとかなり少ないのが現状ではないでしょうか。
また、この法令遵守の方針に従い警視庁は車道の左側に40-50センチメートルという細さではありますが、自転車専用走行車線をしめす青いレーンを路面に塗装するということです。全国の警察もそれに従ってくれるものと期待します。
(図はアサヒ・コムより引用)
こちらはデンマークの自転車専用レーンの写真です。対面2車線の車道の両脇に、それぞれが対面2車線ずつあって計4車線の自転車専用道路があるとのことです。
(C) photoXpress
確かに今は歩道の上で「走る凶器」とさえ言われて非難されている自転車ではありますが、車道に降りた途端にひ弱な存在になります。歩道を追われた自転車は、自動車に巻き込まれる事故に遭遇する確率が激増することは想像に難くありません。自転車と自動車が事故を起こした場合には、基本的に自転車側が一方的に大きな損害(負傷・死亡)を受けることになるでしょう。
警視庁・警察庁・都道府県警察はそういったことを予測し、覚悟を決めた上で今回のルール変更に乗り出したというふうに考えてよいのでしょうか。
もちろん、私はまだ青い自転車専用レーンを見たことがありませんが、毎日車道の左側を走行しているとこのような障害物に出会います。
まずは、ひどい時には何十メートル毎にあるといっても過言ではない、駐停車中の車両です。
こういう場合、歩道に登ろうと思っても縁石が高いので簡単ではありません。多くの場合、後ろを気にしながら停車中の車の右側に出るのでsぐあ、いきなり車のドアが開いて跳ね飛ばされた経験があります。もしも、その時に後ろから車が来ていたら一巻の終わりでした。自転車レーンができたら、その上に車が駐停車することは禁止になるのでしょうね。そうしていただかなければ、自転車の事故は増えこそすれ減りません。
また、これは街の景観を作る上で賞賛されるべきことなので、なかなか非難はしにくいのですが、車道にまではみ出した草木が、自転車レーンを覆っている場所がたくさんあります。
この場合はアジサイなので、ぶつかってもなんでもないのですが、バラやハマナスなどのようにトゲのある草木だとかなりつらいことになります。
そして、自転車にとって意外と大きな障害になるのが、道路脇の排水口の蓋が陥没しているところです。
ところによっては10センチくらい陥没しているものもあり、落ち込んで自転車ごと転倒することもあります。たくさんの車と並走しているときなどは、たとえ大きなヘコミがあるのがわかっても右側へハンドルを切ることもできず、かなり怖い思いをすることがあります。
今回のような規制強化の原因に、歩道を理不尽に占拠して走る自転車が多くなり、時には死亡に至るような人身事故さえ起こっているせいだと言われると返す言葉もないのですが、だからといって専用レーンが整備されていない車道にたくさんの自転車を追いやることで、今度は自転車の事故を増やしてしまってもよいのでしょうか。
自転車はヒトが吐く以上の炭酸ガスを出さない非常にエコな乗り物であり、社会全体でもっと優遇することを考えてよい乗り物だと思います。
もちろん、乗る側の我々もマナーと安全を向上させる義務があると思いますが、行政側も今まで使っていなかった幽霊法令をいきなり復活させて取り締まりを強化するなどという知恵のない対応ではなく、一工夫も二工夫もしていただければ、と思います。
もちろん、自転車ライダーとしてもできるだけの協力は惜しまないつもりです。
なんとか良い出口を見つけようではありませんか。
自転車の車道走行徹底へ=ルール違反是正へ摘発強化-警察庁今までも法律上は、自転車は車両として車道を走ることが義務付けられていたのですが、今までは自転車の安全を優先して危険が予測される場所では歩道を走ることを推奨されていました。また今後は、「車の交通量が多くやむを得ず歩道を走る場合でも、車道寄りを徐行し、歩行者の優先を徹底させる」ことにするそうです。このルールがわかりにくいのは、自転車が歩道を走る時には、「左側通行」のようなわかりやすいルールではなく、「常に車道寄り」を走るということで、歩道が車道の右側にあろうと左側にあろうと、また自転車がどちらの向きに走る場合でも、歩道の中でもっとも車道寄りを走るということだからです。
警察庁は25日、自転車は原則、車道を走るなどとした交通ルールの徹底を全国の警察本部に指示した。歩道を走る行為を積極的に指導・取り締まってこなかった従来の方針を転換。自転車利用者のルール・マナー違反の是正に乗り出す。(2011/10/25-16:59)
このルールに従うと、歩道の上を逆方向に進んできた自転車がすれ違うとき、お互いに最も車道寄りを走るというルールに従うならば、常に正面衝突の危険にさらされるというkとになります。
もちろん、自転車は基本的には車道のもっとも左側を走行するということになっており、危険を回避するために一時的に歩道を走行することが許されているので、自転車は常に最寄りの歩道に上がって走るということならば、車道の上では左側走行をし、歩道の上では右側通行をするというルールになりますが、これも実際に走る側の立場になってみると混乱と錯誤による事故の原因を作りそうで怖いルールです。
しかも、この図にあるように今まで走行が認められていた幅2メートル以上で歩行者の邪魔にならない歩道での許可を見直し、幅3メートル以上のものに変更するということのようですが、幅3メートル以上の歩道となるとかなり少ないのが現状ではないでしょうか。
また、この法令遵守の方針に従い警視庁は車道の左側に40-50センチメートルという細さではありますが、自転車専用走行車線をしめす青いレーンを路面に塗装するということです。全国の警察もそれに従ってくれるものと期待します。
こちらはデンマークの自転車専用レーンの写真です。対面2車線の車道の両脇に、それぞれが対面2車線ずつあって計4車線の自転車専用道路があるとのことです。
確かに今は歩道の上で「走る凶器」とさえ言われて非難されている自転車ではありますが、車道に降りた途端にひ弱な存在になります。歩道を追われた自転車は、自動車に巻き込まれる事故に遭遇する確率が激増することは想像に難くありません。自転車と自動車が事故を起こした場合には、基本的に自転車側が一方的に大きな損害(負傷・死亡)を受けることになるでしょう。
警視庁・警察庁・都道府県警察はそういったことを予測し、覚悟を決めた上で今回のルール変更に乗り出したというふうに考えてよいのでしょうか。
もちろん、私はまだ青い自転車専用レーンを見たことがありませんが、毎日車道の左側を走行しているとこのような障害物に出会います。
まずは、ひどい時には何十メートル毎にあるといっても過言ではない、駐停車中の車両です。
また、これは街の景観を作る上で賞賛されるべきことなので、なかなか非難はしにくいのですが、車道にまではみ出した草木が、自転車レーンを覆っている場所がたくさんあります。
そして、自転車にとって意外と大きな障害になるのが、道路脇の排水口の蓋が陥没しているところです。
今回のような規制強化の原因に、歩道を理不尽に占拠して走る自転車が多くなり、時には死亡に至るような人身事故さえ起こっているせいだと言われると返す言葉もないのですが、だからといって専用レーンが整備されていない車道にたくさんの自転車を追いやることで、今度は自転車の事故を増やしてしまってもよいのでしょうか。
自転車はヒトが吐く以上の炭酸ガスを出さない非常にエコな乗り物であり、社会全体でもっと優遇することを考えてよい乗り物だと思います。
もちろん、乗る側の我々もマナーと安全を向上させる義務があると思いますが、行政側も今まで使っていなかった幽霊法令をいきなり復活させて取り締まりを強化するなどという知恵のない対応ではなく、一工夫も二工夫もしていただければ、と思います。
もちろん、自転車ライダーとしてもできるだけの協力は惜しまないつもりです。
なんとか良い出口を見つけようではありませんか。
私も毎日、自転車を使っています。完全車道通行を求められると、路上駐車がとても大きな障害になります(関西だと、半分歩道に乗り上げて止めてある車が多いです)。もしかして、一度自転車を下りて、後ろを確認しながら押して通るのが正解になるんでしょうかねえ。
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佐藤
at 2011-11-04 22:52
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歩道では走る凶器 と申しますが、実態は自動車のそれより極めて軽微なんですよね。当たり前ですが。
http://d.hatena.ne.jp/delalte/
http://d.hatena.ne.jp/delalte/20111028/1319795166
>これが去年と今年(もちろん今年は今現在まで)の私が知っている限りの自転車加害歩行者死亡、重体事故と、そのおこった道路状況です、見ての通り歩道上でのものは一件しかありません
マスコミの自転車集中バッシング報道に毒されないように気をつけてください
自動車のほうが遥かに加害死亡事故を起こしており
制限速度以下で安全運転すらせず、万が一の安全が確保できないスレスレ追い抜きや煽り運転も常態化、信号のない横断歩道についても停止しない道交法38条違反も日常茶飯事
生活道路では、猛スピードで自転車や歩行者の脇スレスレを追い抜き、毎年多数の加害死亡事故を起こしている。そして通学児童らの大量殺傷した事例も珍しくない。重大事故の引き金となる路上駐車や違法駐車を行うことへの罪の意識が非常に軽薄なのも特徴的です。
ですが、これらについてマスコミがバッシングしたことはありますでしょうか?
http://d.hatena.ne.jp/delalte/
http://d.hatena.ne.jp/delalte/20111028/1319795166
>これが去年と今年(もちろん今年は今現在まで)の私が知っている限りの自転車加害歩行者死亡、重体事故と、そのおこった道路状況です、見ての通り歩道上でのものは一件しかありません
マスコミの自転車集中バッシング報道に毒されないように気をつけてください
自動車のほうが遥かに加害死亡事故を起こしており
制限速度以下で安全運転すらせず、万が一の安全が確保できないスレスレ追い抜きや煽り運転も常態化、信号のない横断歩道についても停止しない道交法38条違反も日常茶飯事
生活道路では、猛スピードで自転車や歩行者の脇スレスレを追い抜き、毎年多数の加害死亡事故を起こしている。そして通学児童らの大量殺傷した事例も珍しくない。重大事故の引き金となる路上駐車や違法駐車を行うことへの罪の意識が非常に軽薄なのも特徴的です。
ですが、これらについてマスコミがバッシングしたことはありますでしょうか?
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佐藤
at 2011-11-04 22:53
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もっと自動車の傲慢自分勝手な行為、危険運転についてフォーカスしてこそ問題解決に近づきます。
実際、自転車専用レーンなどなくても、ドライバーが自転車に優しい運転をすれば、事足りるのですが、そのモラルがないからレーンの必要性が叫ばれているのでありますので。
諸所の問題において、自動車ドライバーの傲慢危険運転が大きなウェイトを占めている事実に目を向けてもよいものでしょう。
もちろん、自転車が安全安心して走れる環境実現において、自転車専用レーンや専用道は非常に効果的であり
先進諸国では当たり前のように整備しているのも事実です。
市民らは、遠慮なく、それが実現するまで、警察や役所、議員等々に訴え続けてこそ日本は前に進むことができます。
実際、自転車専用レーンなどなくても、ドライバーが自転車に優しい運転をすれば、事足りるのですが、そのモラルがないからレーンの必要性が叫ばれているのでありますので。
諸所の問題において、自動車ドライバーの傲慢危険運転が大きなウェイトを占めている事実に目を向けてもよいものでしょう。
もちろん、自転車が安全安心して走れる環境実現において、自転車専用レーンや専用道は非常に効果的であり
先進諸国では当たり前のように整備しているのも事実です。
市民らは、遠慮なく、それが実現するまで、警察や役所、議員等々に訴え続けてこそ日本は前に進むことができます。
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佐藤
at 2011-11-04 23:03
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自転車にとって即事故につながりかねない道路状況の放置は許されていません。即、役所に道路の改善を要請しましょう。そういった"欠陥道路"で事故が起きた場合、その状況を放置していた団体(市や県、国、等)を訴えることもできます。
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佐藤
at 2011-11-05 00:40
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また、自転車に向けて『邪魔』という表現はあまり用いないほうがよいでしょうね。ただでさえ増長している日本のドライバーらが、更に増長してしまう。
http://zuccha.blogspot.com/2011/11/blog-post.html
http://www003.upp.so-net.ne.jp/hirotakz/bike/ab_gmbike3.html
他の先進国、欧州についても調べてみればわかりますが、日本ほど車道の自転車に対して、ドライバーらのなかで極めて低劣な意識が蔓延している先進諸国は、極わずかなのですから。それについては道路行政にも色濃く反映されてきました。ですが、国外の先進諸国は、自動車を規制、制限して、自転車を保護優遇推進する流れにあります。日本だけ、その流れに逆らう、というのは、非常に愚かで恥ずかしいことでもありますので、サイクリストの声を聞き入れざるを得ないでしょう。遠慮なく、警察や役所等にもメッセージを届け続けてください。ブログで忌憚のない意見を公開することも大変意義のあることですが、やはり、市民の声として行政に伝え続けることは非常にダイレクトで、正攻法、実現にもつながりやすいものです。
http://zuccha.blogspot.com/2011/11/blog-post.html
http://www003.upp.so-net.ne.jp/hirotakz/bike/ab_gmbike3.html
他の先進国、欧州についても調べてみればわかりますが、日本ほど車道の自転車に対して、ドライバーらのなかで極めて低劣な意識が蔓延している先進諸国は、極わずかなのですから。それについては道路行政にも色濃く反映されてきました。ですが、国外の先進諸国は、自動車を規制、制限して、自転車を保護優遇推進する流れにあります。日本だけ、その流れに逆らう、というのは、非常に愚かで恥ずかしいことでもありますので、サイクリストの声を聞き入れざるを得ないでしょう。遠慮なく、警察や役所等にもメッセージを届け続けてください。ブログで忌憚のない意見を公開することも大変意義のあることですが、やはり、市民の声として行政に伝え続けることは非常にダイレクトで、正攻法、実現にもつながりやすいものです。
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佐藤
at 2011-11-05 00:41
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自転車は例外として歩道の徐行は認められていますが、弱者保護のためにも原則として車道を走行することが警視庁のサイトにも明記されています。つまり、車道の自転車に危険運転を働くこと、それを妨害する違法駐車や路上駐車は、警視庁を敵に回すも同然であるとドライバーらに理解させることが大切です。
by stochinai
| 2011-11-03 23:58
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