5号館を出て

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余ったポスドクをどうするって・・・

 昨夜は三省堂サイエンスカフェでした。大阪からわざわざいらしてくれた榎木さんを囲んで、ポスドク問題を語る会となりました。いつものサイエンスカフェと違って、会場から質問ではなく意見やコメントがどんどん出されて、なかなか活発な会になったと思います。
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 さて、昨日は「余ったポスドク」はどうすれば良いということになったのでしょうか。

 結論的には多数の方の予測通り、「なかなかむずかしい」ということで、全員が頭を抱えてしまったのですが、基本的に今の政府や省庁にはなんとかしようという気概が感じられないし、なんとかなるものではないというところでは合意が得られたような気がします。

 基本的に、政府や官僚が今やろうとしていることがもしあるとしても、それは今後の学生やポスドクのことで、現在すでに持て余されたポスドク達に暖かい手が差し伸べられることはないであろうというのは共通の認識だったと思います。となれば、その人々に残されているのは、自ら生き残ることしかないだろうということだと思います。

 たとえ現在、博士課程の学生が3倍に増えたとしても、その3分の1は20年前の学生の数と同じなわけで、研究者・大学教員の数が増えていないとしても、3分の1の博士は20年前の競争を思い出せば、同じくらいの確立で生き残れるということです。残りの3分の2の行き場がないことは事実(そして、最初の3分の1のうちの半数あるいは3分の2くらいも行き場がないことも、昔と同様の事実)ですが、その人達にとっては研究者・大学教員として生き残る確立が低くなっているとしても、生き残る絶対数はそれほど少なくなっていないという認識は共有されたのかもしれません。

 そんな中で、自分だけは生き残ってやろうという意志と気概とパワーと能力のある人は多分生き残っていくだろうという想定は可能ですが、自分をそこにあてはめてチャレンジする若者がどれくらいいるものでしょうか。

 現実に大学院の博士課程に進む学生の数が激減していることをみると、それほどの楽観的な将来展望を持った学生がどんどん減っていることは間違いのないところだと思いますが、これとて冷静に考えてみると大学院生の定員が増える前の状態に戻りつつあるだけだと見ることもできます。

 というわけで、政府・官僚が何もアクションを起こさなくても若者たちはさっさと大学院高学歴に背を向けているという現実が生じているわけで、逆にその現実の目をつぶっているのは、文科省と大学当局という笑えない現状が横たわっているのです。

 そういう意味では、ある意味学生たちの間では「ポスドク問題はもう終わった。自分たちはそれに巻き込まれたくない」という意志は表示されていると見て良いのではないでしょうか。

 さて、一夜明けて今日は先月行われた「GMどうみん議会」の反省会と打ち上げということで、私は個人的に2夜連続の宴会ということになりました。

 農学部で行われた反省会へ向かう理学部から農学部への裏道。こんな風景を見ることも何年に1回なのですが、北大は美しいと感じる瞬間です。
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 駅のガード下で行われた慰労会からの帰り道。まだ灯りのついている古河講堂の前を通って理学部へ帰ります。
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 さて、明日は朝からゼミもあるので、そろそろ帰らねば・・・。
by stochinai | 2011-11-16 21:49 | つぶやき | Comments(0)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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