2011年 11月 18日
相変わらず厳しい就職戦線
10月1日時点での、来春卒業予定の大学生の就職内定率が発表になりました。2011年10月1日時点で59.9%。現行の統計を取り始めた1996年度以降では最悪だった昨年度に次ぐ低い水準だったそうですが、報道機関によって強調の仕方がちょっと違うところがおもしろいと思いました。
J-Castニュース
来春大卒の就職内定率59.9% 過去2番目の低さ
毎日jp
就職内定率:新卒大学生は59.9% 3年ぶりに上昇
記事の内容はほとんど同じなのですが、調査をした文科省・厚労省のうち、毎日に載っている文科省のコメントでは「厳しい状況は変わらず、底を打ったとは言えない」と言っているので、やはり状況は厳しいという認識が正しいようで、来春卒業を予定している約55万人のうち、約17万人が内定を得られていないということです。毎日jpに出ているグラフを引用させていただきます。

これを見てわかるように、この後就職希望の大学生はどんどんと就職が決まったり、一部は大学院へ進学を決めたりで、4月1日の卒業後の時点には史上最悪と言われた今年の春でも91.0%まで行っているので、来春の卒業予定者についてもこの先値はどんどん上がっていくことが期待されるのですが、予断は許されないところだと思います。
この夏から秋に行われた、全国の大学院の入学試験では昨年と比べるとかなりたくさん受験生が増えたという声も聞かれたので、それにもかかわらず就職率が低いということだとしたら、やはり今年の就職戦線は低迷を続けていると見るべきなのかもしれません。
先日話題にした博士・ポスドクの就職も依然として厳しい状態も続いていますが、要するに雇用が増えなければ失業者は減らないという、あたりまえの状態が続いているということだと思いますが、単純な私の頭で考えても大元の職の総量が増えないのであれば、残された手段はワークシェアリングしかないという気がします。
そもそも、現状を見ると正規雇用で働いている人は、おおむね働き過ぎやサービス残業があたりまえになっています。給料が上がらずに働かされているという現実は良いことだとは思えませんが、とりあえず過労死するよりは、給料が下がっても良いから、首にされずに少しは楽になりたいと思っている人は多いと思います。
一方で、雇用すらされない人は、給料は安くてもいいから、とりあえず少しでも働かせて欲しいと思っているのではないでしょうか。
その連立方程式を解く解が、ワークシェアリングだと思います。(漫画はこちらからお借りしました。日経進学Navi)

ポスドクの方々に関しても、我々の給料を下げつつ勤務時間も減らしていただき、研究や研究者養成指導といった若さと体力を要求されるところは若い博士・ポスドクの方が担当し、我々は年期がものを言う幅広い基礎教育や大学運営などを中心に仕事を分担することができれば少しは事態が好転するのではないかと思います。
そもそも、大学にかぎらず「先生」というものは給料体系を変えずに、いくら仕事のレパートリーや量を増やしても、それに対応するだけの能力とやる気を持っている人が多いので、文科省はそれに甘えて人も給料も増やさずにどんどん仕事だけを増やしてここまできてしまったのが間違いだったと思います。
その結果、大学では絶対的に人不足に陥って、大学院生にただで研究をさせることが日常化したり、小中高校では、精神に変調を来すほどのハードな状況に追い込まれたあげく、着任後早々に退職する人が増えたりしているのではないでしょうか。
日本全体で、思いっきり職業を再編しなければならないのだと思います。
スローガンは、「みんな一緒に貧乏になってワークシェアリングしませんか」でしょうか。
J-Castニュース
来春大卒の就職内定率59.9% 過去2番目の低さ
毎日jp
就職内定率:新卒大学生は59.9% 3年ぶりに上昇
記事の内容はほとんど同じなのですが、調査をした文科省・厚労省のうち、毎日に載っている文科省のコメントでは「厳しい状況は変わらず、底を打ったとは言えない」と言っているので、やはり状況は厳しいという認識が正しいようで、来春卒業を予定している約55万人のうち、約17万人が内定を得られていないということです。毎日jpに出ているグラフを引用させていただきます。

この夏から秋に行われた、全国の大学院の入学試験では昨年と比べるとかなりたくさん受験生が増えたという声も聞かれたので、それにもかかわらず就職率が低いということだとしたら、やはり今年の就職戦線は低迷を続けていると見るべきなのかもしれません。
先日話題にした博士・ポスドクの就職も依然として厳しい状態も続いていますが、要するに雇用が増えなければ失業者は減らないという、あたりまえの状態が続いているということだと思いますが、単純な私の頭で考えても大元の職の総量が増えないのであれば、残された手段はワークシェアリングしかないという気がします。
そもそも、現状を見ると正規雇用で働いている人は、おおむね働き過ぎやサービス残業があたりまえになっています。給料が上がらずに働かされているという現実は良いことだとは思えませんが、とりあえず過労死するよりは、給料が下がっても良いから、首にされずに少しは楽になりたいと思っている人は多いと思います。
一方で、雇用すらされない人は、給料は安くてもいいから、とりあえず少しでも働かせて欲しいと思っているのではないでしょうか。
その連立方程式を解く解が、ワークシェアリングだと思います。(漫画はこちらからお借りしました。日経進学Navi)

そもそも、大学にかぎらず「先生」というものは給料体系を変えずに、いくら仕事のレパートリーや量を増やしても、それに対応するだけの能力とやる気を持っている人が多いので、文科省はそれに甘えて人も給料も増やさずにどんどん仕事だけを増やしてここまできてしまったのが間違いだったと思います。
その結果、大学では絶対的に人不足に陥って、大学院生にただで研究をさせることが日常化したり、小中高校では、精神に変調を来すほどのハードな状況に追い込まれたあげく、着任後早々に退職する人が増えたりしているのではないでしょうか。
日本全体で、思いっきり職業を再編しなければならないのだと思います。
スローガンは、「みんな一緒に貧乏になってワークシェアリングしませんか」でしょうか。
by stochinai
| 2011-11-18 20:13
| 大学・高等教育
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