5号館を出て

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古代ゾウの化石を発見した高校生

 楽しいニュースが飛び込んできました。

 高校生が古代ゾウの化石発見 茨城、頭のほぼ完全な骨格
 茨城県自然博物館(坂東市)は15日、水戸葵陵高校2年の星加夢輝君(17)=同県常陸大宮市=が、約1650万年前とみられる常陸大宮市野上の地層から古代ゾウ「ステゴロフォドン」の頭の化石を発見したと発表した。ほお骨を含む頭蓋や臼歯、牙がそろっており、頭の骨格がほぼ完全に残っているのは珍しいという。
古代ゾウの化石を発見した高校生_c0025115_20933.jpg
 まだ掘り出されずに半ば土に埋まった状態で写真に撮られていますので、ホカホカのニュースだと思います。

 NHKニュースによれば、「星加さんは博物館のサークルに入りながら地質の調査を続けていて、今月11日、色などが周りと違う部分に気づき、「ほ乳類の化石ではないか」と、茨城県自然博物館などの専門家に連絡しました。専門家が現地で確認したところ、ステゴロフォドンというゾウの化石で、牙の先端から後頭部までが完全な状態で残っていました。15日は、化石を取り出す様子が報道関係者に公開され、大型のドリルを使って注意深く取り出していきました。」ということです。これが詳しく解析されて論文になるまでには、しばらく時間がかかるでしょうが、「ステゴロフォドンの頭の骨は、国内では宮城県と山形県で見つかっていますが、これだけ完全な状態で確認されたのは初めて」ということなので、専門家も興奮していることでしょう。

 にわか勉強したところ、ステゴロフォドンというのは現在のゾウの祖先ではなく、1万年以上前にマンモスよりも先に絶滅したステゴドンというゾウの祖先だそうです。(図はこちらから
古代ゾウの化石を発見した高校生_c0025115_20174381.jpg
 記事によれば約1650万年前の地層から出てきたということですので、この図と照らし合わせるとマンモスや現存のアジアゾウやアフリカゾウが種として別れるより古い時代に生きていたゾウで、まさしく「古代ゾウ」と言ってもいいのかもしれません。

 実はこのゾウの化石は今までもにも日本で何度か見つかっており輪島から出た歯の化石から、こんな見事な復元像まで作られています。(76年前に出土したゾウの臼歯の化石、「ステゴロフォドン」のもので国内最古で(約1700万年前)と判明 石川県輪島市というニュースとともに出てくる、復元されたステゴロフォドンの模型(西尾製作所制作)=国府田さん提供)
古代ゾウの化石を発見した高校生_c0025115_20225145.jpg
 土を掘るなどという話題が出てくるとすぐに放射能の話になってしまう昨今ですが、土から出てくるのがセシウムやプルトニウムではなくゾウの化石だとこんなにも明るい話題になります。

 あっちの話題はいつになったら消えてくれるでしょうね。
by stochinai | 2011-12-15 20:29 | 生物学 | Comments(0)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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