5号館を出て

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機械の名前

 今日、修士論文の発表会があって、博士、卒業研究と続いてきた卒業関連行事がいちおう一区切りとなりました。

 そのせいか、まだ早い時間なのに5号館の5階から学生がひとりもいなくなってしまいました。人のいなくなった実験室に置かれた実験機器を眺めていると、ほとんどのものが番号と組み合わせた「名前」を持っていることを再認識します。
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 また、改めて写真に撮ってみると、ほとんどどの機械の名前なのか判断することが難しいこともわかります。
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 基本的に値段の高い機械の名前はレタリング・デザインもしっかりしています。
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 反対に安い機械のものは、プリンターで打ち出したような安易なフォントが使われているものもあります。
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 薬の名前もいい加減なものが多いですが、これらの機械の名前もかなりいい加減に付けられているように思もえます。
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 番号だけでいさぎよく付けられた名前のものは「高級機」が多い傾向があります。
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 こういう名前を考えたのは技術者の方でしょうか、それとも営業の方なのでしょうか。
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 意外と技術や営業などといった区別のない「町工場」のようなところで作られたものも多いのかもしれません。
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 家庭で使う電気製品などと比べると、だいたい数倍から十数倍の値段が付いていると感じることの多い実験機器ですが、1台ずつ手作りで作られているのではないかという現場のことを考えると、値段が高いと断じることはできません。
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 何百台も売れれば大ヒットというような世界で付けられた機器の名前を付けた方にとっては、どれも特別の思い入れのある一台に違いありません。
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 そんなことを考えていると、一台一台に人の「思い」が込められているのが感じられてきました。

 たまには、人気のないところで機械と向かい合うのもいいものです。
by stochinai | 2012-02-10 20:15 | 科学一般 | Comments(0)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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