5号館を出て

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両生類上陸の証拠となる化石が続々

 脊椎動物はサカナが両生類になって上陸したということになっていますが、実はこのあたりの証拠となる化石が決定的に不足していました。最近になって、手を持つサカナであるティクターリクの化石がカナダの北極圏から出てきたりしているものの、まだまだ上陸したばかりの両生類の化石は足りません。

 この時代(デボン紀から石炭紀)に、海中から両生類が上陸したことは間違いないのですが、上陸したはずの両生類やその餌になったはずの節足動物(ムカデやサソリなど)の化石の発見が全然進んでおらず、古生物学上の謎の一つとして魚類から両生類への脊椎動物進化を示す化石が「抜けている」こと、つまりミッシング・リンクとなっているを、有名な脊椎動物の進化解剖学者であるローマーの名前をかぶせて、「ローマーのギャップ」とも言われてきました。

 その有名な「ローマーのギャップ(Romer's Gap)」が埋められるような化石がスコットランドから続々と出てきているというのです。PNASのオンライン早版に出ていました。
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 よく見ると、あのティクターリクを発見したシュービン(「ヒトの中の魚 魚の中のヒト」の著者)がエディターとしてこの論文を紹介しています。

 論文自体はなかなか地味なもので、あまり派手な図なども載っていないのですが、この頭骨はなかなか愛すべき味があります。
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 この頭を持つ両生類を再現したものが下の絵ではないかと思われるのですが、これが有名になってくるとイクチオステガの出る幕はなくなるかもしれません。(この絵の主は、愛称がリボー(肋骨ribの化石で有名だからRibboらしい)と呼ばれて、すでに現地ではアイドル化しているとのこと、ブレーク間近の予感がします。)
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 この図はスコットランドの国立博物館のホームページにもありますが、こちらの解説記事で見つけました。

Physorg.com
Fossil finds help fill in Romer's Gap (ローマーのギャップを埋める化石が見つかった)
March 6, 2012 by Bob Yirka


 どうやらイギリスではBBCが大々的にこの化石発掘のフォロー番組を作っているらしく、このさき続々とニュースになりそうな「大発見」が出てきそうな予感がします。

 まだまだ情報量は少ないですが、スコットランドでは、上陸両生類のものだけではなく、当時の動物や植物オン化石もたくさん出ているようですので、数年もすれば両生類が上陸した頃のダイナミックな想像図が出てくることは間違いないでしょう。

 楽しみです。
by stochinai | 2012-03-07 18:58 | 生物学 | Comments(0)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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