5号館を出て

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科学技術コミュニケーションの新たな鉱脈

 今日はCoSTEP7期生の修了式で、修了生の成果発表会もあったのですが、そちらはパスして1:30からのシンポジウム「新たな鉱脈を探ろう ~科学技術コミュニケーションの担い手、手法、アイデア~」を聞かせてもらいました。

 司会の古田さんの導入のあいさつの後、杉山さんがこれからの科学技術コミュニケーションの姿のひとつとして、誰でもが自由に参画しながら、自由に映像や電子書籍を作り配信していく姿を紹介されました。CoSTEPの活動を知っている我々にとっては想定内の科学技術コミュニケーションのこれからの姿だと思いました。

 こうした、言わば予定調和のCoSTEP論の後に出てきたゲストの3人のお話はある意味で非常に現実的であり、刺激的でもありました。まずは、NHK出版で編集をしておられる、福田直子さん。
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 我々には馴染み深い『科学は誰のものか』(平川秀幸)、『こころは遺伝子でどこまで決まるのか』(宮川剛)、『日本の魚は大丈夫か』(勝川俊雄)などを編集された方で、出版というある意味では小回りの効かないコミュニケーションの持つ重要性を語られました。

 続いて生重幸恵さん。
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 迫力のある語りで、現在実践しておられる学校教育支援を通した地域活性化活動についてのお話をされましたが、文科省や企業からの補助金を頼っての活動が多いという現実はあるものの、実際の現場で動いている方々が「食べていける」ことができることの意味の大きさは伝わってきました。

 最後は札幌M高校出身の常見陽平さん。
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 今や就活のオーソリティとして有名な方ですが、科学技術コミュニケーションで「食っていく」にはどういうことが必要で重要なのかということについて、ご自身の経験を踏まえて極めて実践的なアドバイスをしていただきました。

 その後のパネルディスカッションは、激論になったというよりは科学技術コミュニケーションで食っていくためにはどういうことが必要で、どうして行ったらよいのかという意味で、おおむね皆さんの意見は収束していたような気がします。
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 もちろんコミュニケーターになったからといって簡単に食べていけるものではないとしても、科学技術コミュニケーションそのものは人々にとって必要なものであることは間違いなく、それを持続可能な状態で維持していくことは人類にとって重要な意義があるものである以上、さまざまな工夫をしつつコミュニケーターとして生き延びていくことは、自分一人にとってだけではなく社会的に十分に社会的意義があるのだということが同意されたのではないかと思います。

 このことは、CoSTEPの修了生にとっては間違いなく大きな贈り物になったと思います。

 修了、おめでとうございました。
by stochinai | 2012-03-11 00:07 | コミュニケーション | Comments(0)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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