2012年 04月 29日
昔、カセットテープというものがあった
カズオ・イシグロのこの本が出た時に、今時の若い人の中には表紙の写真がなんだかわからない人がいるかもしれないという風に思った記憶があります。
それが6年前のことですが、昨日部屋の整理をしていた時に未開封のものが出てきました。カセットテープです。「わたしを離さないで」の表紙もカセットテープで、小説の中でも重要な小道具となって出てきます。
最近ではカセットテープを再生するオーディオ装置を手に入れることすら難しくなってきましたが、一時期は老若男女を問わない音楽シーンに欠くことのできない記憶媒体として世界中の多くの個人の手元に行き渡っていたはずです。しかし、私がこのテープを購入したのがいつのことか記憶はありませんが、2000年よりも後ということはないはずです。
カセットテープが出まわる前には、オープンリールのテープを使っていましたが、大きいのとテープを巻き取り始めを毎回手作業でやらなければならないなど、使い方がやっかいだったので一部「オーディオ・マニア」以外にはあまり受け入れられませんでした。ところが、このカセットテープの出現により録音および演奏が非常に簡単になりました。
基本的な使われ方は、LPレコードをまるまるダビングして聞く、あるいは個人でいろいろな曲を組み合わせて録音したオリジナルののコンピレーションアルバムを作り聞いて楽しむ、あるいは誰かにプレゼントするというものが多かったと思います。さらに、録音済みのカセットを新しいカセットへとダビング(複製)することも良く行われていたので、それが一台の機械でできるカセットデッキが2台付いたダブルカセットのラジカセが一世を風靡したのもその頃です。ほぼ同時期に室外を移動しながらカセットを聞くことのできるウォークマンも大ヒットし、このカセットの販売元であるSONYが時代を制覇していました。
そうしたユーザーの行動パターンを象徴するようにカセット(往復録音)の録音時間もLPの片面の録音時間に合わせて細かく多種類が販売されていたことも思い出しました。
その証拠もここにあります(笑)。SONYには7種類あったのですね。
ともかくカセットテープの時代はウォークマンの時代であり、SONYの時代だったような気がします。その後、SONYもリーダーの一人となってMDの時代を作ろうとしたのですが、結局すぐに出てきたiPodに完膚なきまでに叩き潰され、いまや会社の存続さえもが心配される事態に至っているのはご存知のとおりです。
アナログのLPからデジタルのCDへの転換もあっという間に起こりました。カセットはLPの時代とCDの時代を生き延びてきましたが、腕時計くらいの大きさの 16G iPod nanoに4000曲が録音できるほど集積度を上げたメモリーを記憶媒体としたiPod型の音楽プレーヤーの時代にはあまりにも大きすぎる上にカセット1つに20曲程度しか録音できないメディアを交換する手間を考えると、勝負にならないことは明らかすぎます。
この未使用のテープが発掘されてきたことが示すように、私は現在はテープを使っていませんが、数百本の録音済みカセットがあり、その処分を開始しました。基本的にどこかのオリジナル音源があるものはすべて廃棄します。自分で録音した「生」のものはとりあえずは保存しておきますが、いずれそれを聞くためのハードウェアがなくなることを考えると頭が痛いことです。
また、数はそれほど多くありませんがカセットの形で販売されたアルバムもあります。
しかし、これなどもiTUnes storeで9ドル99セントで買えることを考えると、個人で保存する必要はもうないのかも知れないと思う、今日この頃なのでした。
カセットテープが出まわる前には、オープンリールのテープを使っていましたが、大きいのとテープを巻き取り始めを毎回手作業でやらなければならないなど、使い方がやっかいだったので一部「オーディオ・マニア」以外にはあまり受け入れられませんでした。ところが、このカセットテープの出現により録音および演奏が非常に簡単になりました。
基本的な使われ方は、LPレコードをまるまるダビングして聞く、あるいは個人でいろいろな曲を組み合わせて録音したオリジナルののコンピレーションアルバムを作り聞いて楽しむ、あるいは誰かにプレゼントするというものが多かったと思います。さらに、録音済みのカセットを新しいカセットへとダビング(複製)することも良く行われていたので、それが一台の機械でできるカセットデッキが2台付いたダブルカセットのラジカセが一世を風靡したのもその頃です。ほぼ同時期に室外を移動しながらカセットを聞くことのできるウォークマンも大ヒットし、このカセットの販売元であるSONYが時代を制覇していました。
そうしたユーザーの行動パターンを象徴するようにカセット(往復録音)の録音時間もLPの片面の録音時間に合わせて細かく多種類が販売されていたことも思い出しました。
ともかくカセットテープの時代はウォークマンの時代であり、SONYの時代だったような気がします。その後、SONYもリーダーの一人となってMDの時代を作ろうとしたのですが、結局すぐに出てきたiPodに完膚なきまでに叩き潰され、いまや会社の存続さえもが心配される事態に至っているのはご存知のとおりです。
アナログのLPからデジタルのCDへの転換もあっという間に起こりました。カセットはLPの時代とCDの時代を生き延びてきましたが、腕時計くらいの大きさの 16G iPod nanoに4000曲が録音できるほど集積度を上げたメモリーを記憶媒体としたiPod型の音楽プレーヤーの時代にはあまりにも大きすぎる上にカセット1つに20曲程度しか録音できないメディアを交換する手間を考えると、勝負にならないことは明らかすぎます。
この未使用のテープが発掘されてきたことが示すように、私は現在はテープを使っていませんが、数百本の録音済みカセットがあり、その処分を開始しました。基本的にどこかのオリジナル音源があるものはすべて廃棄します。自分で録音した「生」のものはとりあえずは保存しておきますが、いずれそれを聞くためのハードウェアがなくなることを考えると頭が痛いことです。
また、数はそれほど多くありませんがカセットの形で販売されたアルバムもあります。
こんばんは。
先日映画「エヴァンゲリオン・序」を見ていて、主人公の少年がウォークマンで音楽を聴いているシーンにたまらなく懐かしさを感じてしまいました。
普段はほとんどネットでFMラジオを聴いているのですが、持っているオーディオは数年前に買ったKENWOODの中古品なので、まだテープが再生できます。使ってませんがあの山水のデッキもあります(笑)。
英語の教材などで聞きたいものがあったためですが、今はみなCDになっているみたいですね。そのCDも売れ行きが不振とか。アナログな人間なので好きなミュージシャンはCDで買うようにしているのですが、これからどうなるんでしょうね。
先日映画「エヴァンゲリオン・序」を見ていて、主人公の少年がウォークマンで音楽を聴いているシーンにたまらなく懐かしさを感じてしまいました。
普段はほとんどネットでFMラジオを聴いているのですが、持っているオーディオは数年前に買ったKENWOODの中古品なので、まだテープが再生できます。使ってませんがあの山水のデッキもあります(笑)。
英語の教材などで聞きたいものがあったためですが、今はみなCDになっているみたいですね。そのCDも売れ行きが不振とか。アナログな人間なので好きなミュージシャンはCDで買うようにしているのですが、これからどうなるんでしょうね。
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by stochinai
| 2012-04-29 23:24
| 科学一般
|
Comments(1)