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エンサイクロペディア・オブ・ライフが100万種登録達成

 数日前のNATURE NEWS BLOGに掲載されていたニュースです。
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 Encyclopedia of Life (EOL)を知っていますか?スミソニアン研究所の国立自然史博物館が運営しているオンラインの生物大図鑑で、その目標が顕在「種」として登録されているあらゆる生物をここに登録することです。2008年にこの活動が始まった時にはわずか3万種しか登録されていなかったのですが、それからたった4年で100万種を越えたというのは快挙ではないでしょうか。

 スミソニアンのプレス・リリースはこちらにありますが、やっぱりNature News Blogを読みたくなるのは、コミュニケーションする気の違いというものでしょうか(笑)。

 そのスミソニアンがやっているということで、ちょっと心配にはなりますがそのホームページはきれいです。
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 現在登録されている種は、106万2100種となっていますね。

 登録は、ウェブサイトで種名の説明を行なっている協力者によって行われているということで、Wikipediaなどと同じくボランティアによる図鑑作成ムーブメントと言って良いと思います。(実際に、Wikipediaとデータの共有もしているらしいです。)

 せっかくですから、われわれのところで飼育中の動物たちを調べてみましょう。

 まずは、もっとも歴史も数も多く使ってきたアフリカツメガエル(Xenopus laevis)です。検索窓に種名を入れるだけです。さすがに、たくさんの情報が登録されています。
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 次は、現在たくさん個体数がいるメダカ(Japanese Medaka, Oryzias latipes)を調べます。ありますね。
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 メインの写真が死んだか麻酔されて水の外に取り出されたメダカというのはちょっといただけませんが、まあ日本の誇るモデル動物が登録されているのはホッとしました。

 次は、ちょっと難しいリュウキュウナミウズムシ(Dugesia ryukyuensis)はどうでしょう。沖縄に住むプラナリアです。
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 種としては認識されていますが、おおーっと、写真も解説もありません。では、日本中に最も普通にいるナミウズムシ(Dugesia japonica)ならどうでしょう。
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 かろうじて写真が1枚だけ登録されていますが、解説はありません。かなり寂しい状況です。

 では、最後に世界中に広く分布しているミジンコ(Daphnia pulex)を調べてみます。
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 ネット上には山ほど美しいミジンコの写真がありますが、残念ながらここにはあまり鮮明ではない写真が1枚しか登録されていません。

 というわけで、100万種を越えて登録されたというEOLですが、意外と研究現場でよく使われている動物が登録されていないか、登録が手薄になっていると感じました。

 こういうボランティア・ベースの目録作りなどを実行するのは難しいことだとは思いますが、スミソニアン程の名声を持ってしてもなかなかうまくいかないということを考えると、何か新しい「企画」を提案して世界に訴える必要もあると感じました。

 それにしても、4年間で100万種が登録されたということはすごいことだと思います。今後は分類学者以外への働きかけにも力を入れて、残りの約100万種を2017年までに完成させるという偉業の達成を願いたいところです。
by stochinai | 2012-05-13 22:49 | 生物学 | Comments(0)

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