5号館を出て

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諌早干拓工事差し止め取り消し

 重苦しい記事だと思いました。国側逆転勝訴、工事差し止め取り消し 福岡高裁です。

 干拓工事の差し止めというような「工事中止による経済的損失」が大きいことに対しては、一般の場合よりも高い漁獲量減少と工事との関係を証明ができない以上、差し止めることはできないという論理のようです。

 何をもって「十分な証明」というのかわかりませんが、この論理は科学的に「完全に」解明されていないことに対しては、被害を訴えることは認めないということにも読めます。

 現代の自然科学は、ある意味でまだまだ発展途上ですから、これは科学というものを逆手にとった判決だと思います。

 これでは、大きなお金をつぎ込んだ事業を禁止することは不可能になります。

 力のないものの見方になってくれない裁判所なら、いらないということになりませんか。

追記:新しいエキサイトニュースでは、二人の法学者のコメントが載っています。どちらも、この決定に疑義を持っているようです。

 この決定に賛成する学者のコメントが欲しいところですが、やはりこの決定は科学的だけではなく法学的にもおかしい超政治的判断ということになるのでしょうか。

追記2: この決定の持つ政治的・社会的意味はとても大きいと思います。
 裁判にまで希望を持てなくなったら、力を持たない大多数の国民は無力感にとらわれてしまうと思います。そのことが、この国の未来にとってどのくらい大きな影響を持つかということを、高等裁判所の判事さん達は考えた上で、この決定を下したのでしょうか。

追記3: =社説は語る=に書かれている「年間45億円に満たない農業生産のために、干拓には約2460億円もの巨費をかけ」た事業が、あまりにも大きすぎて止めるわけにはいかなくなったというのが現実なのかもしれません。裁判所もそれが怖くかったのでしょうか。滅び行く巨大恐竜が干潟に埋まってあがいている様子が連想されます。
Commented by kaikai at 2005-05-16 22:19 x
こんばんわ。
佐賀県民としてこの問題には大変関心を持っています。
私は高裁の判断には納得できません。なぜなら、科学的な証明を行うべきは行政側であり、原告側に求めるものではないと考えるからです。
このような判断が続けば、国の事業によって大きな被害が起きた場合、その事業を停止させるために司法へ訴えるということが困難になります。
最高裁まで行くのかどうかまだ分かりませんが高裁の判断は将来にとって良いことではないと思います。
Commented by stochinai at 2005-05-16 22:31
 地元の人にとっては死活問題ですよね。

 私もお金も力も組織もない地元民に科学的証明を求めることは、最初から勝負をあきらめさせることに思えます。今回の決定は、国による弱いものいじめに裁判所が荷担していることになると思います。
 しかし、弱い側としても何でもかんでも裁判所に頼るのではなく、それはそれとして続けながらも、他にも考えられるありとあらゆる方法で闘っていかなくては、体制という巨大な利権組織にはかなうはずがないとも思います。
 まずは、弱い市民が全国に散らばっている同じような考えを持つ人々とtと連絡をとりあうことでしょうか。ネットはそのための力強い道具になってくれると思います。
Commented by kitanomizube at 2005-05-17 06:18
昨年秋、諫早までは行けなかったのですが、有明を見に行きました。あの飛びハゼを始めとする無数の生き物たちが水質を浄化してくれている・・干潟の側にいても、腐敗臭とかは無いですよね・・それを必要もないのに干拓する・・八郎潟でさえ減反なのに、これ以上農地が必要なのでしょうか? それにしても日本の裁判所にはあきれますね。トラックバックさせていただきました(^_^;)
Commented by nekotekikaku at 2005-05-17 13:37
TBありがとうございました。
>何をもって「十分な証明」というのか
そこら辺を科学的に司法が示してもらわないと、永遠に住民訴訟は敗訴確定ですね。税金使って大規模調査したもの以上の証拠を一市民の手でそろえるのが不可能な事くらい分かりそうなものですが。
by stochinai | 2005-05-16 18:04 | つぶやき | Comments(4)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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