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誰でも不正を暴ける情報公開という仕組み

 震災・原発事故の復興予算をあちこちの省庁が、まさにシロアリのように流用しながら食い荒らしているという話を最初にスクープしたのはNHKスペシャルだったのではないかと記憶しています。大手のマスコミではなく、NHKのニュース部門でもないNHKスペシャルのスタッフが復興予算の流用を暴いたのは情報の公開を要求して、地道に調べあげた努力の結果だと思っていたのですが、そもそもその情報が公開されていなければ暴くことはかなわなかったところを、政権交代の結果民主党が(ある意味、調子に乗って)公開するようにルールを変えたということがあったのでそれが可能になったということを、今朝の朝日新聞の記者さんの書いた論評で知りました。
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  〈記者有論〉復興予算流用 透明化したから失態見えた ■三輪さち子(政治部)

 とても興味深い記事なので、一部引用させてもらいます。
これは数少ない政権交代の意義だ。

 流用問題が明るみに出たのは、民主党政権が導入した「行政事業レビュー」の過程で情報が公開されていたからだ。きっかけとなった報道も国会審議も、もととなる情報は誰でも見られる。民主党が無駄遣いをなくすためにつくった仕組みで、自らの失態をさらしたことになる。

 行政事業レビューとは、省庁が自らの事業を評価する仕組みで、予算編成の概算要求前におこなう。どんな団体にお金が流れたか、目標に対して成果は何%だったかなど、省庁のホームページで公開する。行政刷新会議の事業仕分けで取り上げるのはごく一部の事業だが、これは国の約5千事業すべてが対象になる。自己点検を透明化し、無駄遣いを防ぐ狙いだ。

 取材した当時、私には意義が感じられなかった。役所が自分たちで仕分けをして、本当にチェックしたと言えるのか疑問だった。復興予算の流用が問題になって初めて、予算の中身を透明化する重大さに気づかされた。
 公開されている情報に関しては、新聞記者でない一般市民であっても資料を請求し、丁寧に読み解いていけば、無駄遣いや不正も暴くことができる可能性があるということです。

 同じような情報公開の仕組みは、国・地方を問わず広がりつつあるので、その気にさえなれば一般市民が東京都のオリンピック誘致のお金の使い方の疑問を提出することもできれば、ある国立大学の教授がやっている実態のない二重三重の兼業に異議を唱えることもできるようになっています。

 ただ、やはりある程度の知識も必要ですし大変の作業にもなりますので、ほんとうに「普通の市民」ができるかというと、なかなかそれは大変なのですが、市民から付託を受けた「政治家」がそれをすることは結構現実的な姿ではないかとも思われます。これは、「政治家の使い方」のひとつだと思います。

 民主党が事業仕分けなどのパフォーマンスでいろいろなことをやった中のひとつが、今回の復興予算流用を暴く情報公開の仕組みだったということは、あの政権交代で何一つ良いことはなかったと思いこみつつあった私達をちょっと冷静にさせてくれるニュースだと思いました。

 ちょっと楽観的過ぎる解釈かもしれませんが、こんな風にいわば投票権を持つ市民の支持を得ようと、結果的に自分たちの首を締めることになるような制度を作ってしまった民主党政権のやっていることを見ると、間抜けだとは思いますが、選挙を通じて政治家を市民のために働かせることも可能だということが示されているということでもあるように思えます。

 有権者である一般市民としては、こうしたことを通じて「政治家の使い方」に熟達していく必要があるのではないかと思わされる記事でした。
by stochinai | 2012-11-03 23:26 | その他 | Comments(0)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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