2005年 05月 24日
青信号を信用してはいけない
交通事故の半数以上が交差点で起こっているといいます。車輌相互の衝突事故は圧倒的に信号のない交差点で起こることが多いのですが、人対車輌の人身事故は信号の有無にほとんど関係なく起こっているようです。(埼玉での実例がここにあります。)
先日、宮城県でウオークラリーで青信号の横断歩道を渡っていた仙台育英学園高校の生徒の列に、酔っぱらった上居眠り運転をしていたRV車がブレーキもかけずに突っ込み、高校生3人が亡くなり、22人が重軽傷を負うという事故がありました。
まったく痛ましい事故で、亡くなられたり怪我をされた生徒さんには何とも申し上げようもありません。また、殺人者となった男には同情の余地もありません。死亡者1人に対し100年で350年くらいの懲役刑に処してもらいたいものです。それができない日本の司法制度にも言いたいことはたくさんありますが、ここでは触れないでおきます。
事故(というより犯罪)の現場はT字路交差点で、生徒さん達と並行に進んで国道に入ってきた乗用車が青信号で左折しようとしますが、たくさんの生徒さん達が横断歩道を渡っていたので停車していたところに、右手から国道をまっすぐに走ってきたRV車が乗用車の右側面に衝突し、押し出されたその車と暴走RV車が横断歩道に突っ込んで、大惨事になったようです。
先生でもあるらしい「風のたより」さんがこの事故が学校行事の中で起こったことから「学校の責任も問われなくてはならないと思う。悪いのはドライバーに決まっているが、そんなことを決めても亡くなった若者たちの命を取り戻すことはできない」と、(おそらくは同僚としての自戒の気持ちも込めて)おっしゃっています。
事故の時には、横断歩道の両側には二人ずつの教職員の方々が生徒を指導していたということですので、事故は教職員の力では防ぎようがなかったと思われます。学校にとっては不可抗力だったでしょう。私としては、早朝4時過ぎという時間に行事をしたということまでは責めたくはない気がします。恒例の行事だったようですし、それなりの意義や楽しさがあったことのほうを積極的に評価したいと思います。
風のたよりさんは、免許証更新の講習会で担当者の言った「交差点の信号は、どちらが信号無視したから悪いというような、どちらが悪いかを決めるためについているのではなく、信号をつけなければ危ない場所であることを示しているのです」という言葉を引用しておられ、私もまったくその通りだと思いますが、自転車に乗っている私としては、さらに「信号を信用するのはあまりにも危険」だとも言いたいです。
逆説的な言い方になりますが、青信号で渡る時が一番危険な気がします。まさか、相手が赤で進入して来るとは思わないで油断しているからです。しかし、現実には青になった瞬間まではかなりの高い確率で突入してくる車が多いものです。
複数の人数で横断する時には、さらに危険度が高まります。ビートたけしではありませんが「赤信号、みんなで渡れば恐くない」という感じで、多人数が一斉に青信号を渡っている時には、ほとんどの人は車が進入してくるなどとは考えもしないでいると思います。一方、一人で渡る時には、青信号でも注意することが多いように思います。
また逆に、人や自転車などが赤信号を無視して渡る時には、最大限注意をしながら渡りますので、意外と事故は起こらないように思います。(ただし、年を取ってきたり、飲酒をしている時は絶対にダメです。信号無視あるいは、信号のないところの横断での事故が確実に多くなります。身体が俊敏に動かないと悟ったら、決して信号無視をしてはいけません。)
学校の行事などで、引率の先生がおられていろいろと注意してくれるし、仲間達と楽しく談笑しながら歩いている時には、高校生はまわりからの攻撃にほとんど無防備になっていたと思います。ましてや青信号だったのです。
「ドライバーに100 %の責任がある、といくら言ってみても、死んだ命はもう戻ってはこない」という点には、私もまったく同意見です。
だからこそ、横断歩道は青信号でも安全とは言えないという現実を、小学生くらいの頃から教えておくことが必要なのではないでしょうか。私たちが小学校の頃は車を信用するなという意味かどうかはわかりませんが「さあ青だ いやもう一度 右左」と教わったものです。
交通事故の責任を重くすることも大切だと思いますが、人間が運用している限り交通事故は根絶できるものではないということを前提に、信号などを安易に信用せずに自分の命を守る指導というものも必要なのではないでしょうか。
改めて、亡くなられた生徒さん達のご冥福をお祈りいたします。
先日、宮城県でウオークラリーで青信号の横断歩道を渡っていた仙台育英学園高校の生徒の列に、酔っぱらった上居眠り運転をしていたRV車がブレーキもかけずに突っ込み、高校生3人が亡くなり、22人が重軽傷を負うという事故がありました。
まったく痛ましい事故で、亡くなられたり怪我をされた生徒さんには何とも申し上げようもありません。また、殺人者となった男には同情の余地もありません。死亡者1人に対し100年で350年くらいの懲役刑に処してもらいたいものです。それができない日本の司法制度にも言いたいことはたくさんありますが、ここでは触れないでおきます。
事故(というより犯罪)の現場はT字路交差点で、生徒さん達と並行に進んで国道に入ってきた乗用車が青信号で左折しようとしますが、たくさんの生徒さん達が横断歩道を渡っていたので停車していたところに、右手から国道をまっすぐに走ってきたRV車が乗用車の右側面に衝突し、押し出されたその車と暴走RV車が横断歩道に突っ込んで、大惨事になったようです。
先生でもあるらしい「風のたより」さんがこの事故が学校行事の中で起こったことから「学校の責任も問われなくてはならないと思う。悪いのはドライバーに決まっているが、そんなことを決めても亡くなった若者たちの命を取り戻すことはできない」と、(おそらくは同僚としての自戒の気持ちも込めて)おっしゃっています。
事故の時には、横断歩道の両側には二人ずつの教職員の方々が生徒を指導していたということですので、事故は教職員の力では防ぎようがなかったと思われます。学校にとっては不可抗力だったでしょう。私としては、早朝4時過ぎという時間に行事をしたということまでは責めたくはない気がします。恒例の行事だったようですし、それなりの意義や楽しさがあったことのほうを積極的に評価したいと思います。
風のたよりさんは、免許証更新の講習会で担当者の言った「交差点の信号は、どちらが信号無視したから悪いというような、どちらが悪いかを決めるためについているのではなく、信号をつけなければ危ない場所であることを示しているのです」という言葉を引用しておられ、私もまったくその通りだと思いますが、自転車に乗っている私としては、さらに「信号を信用するのはあまりにも危険」だとも言いたいです。
逆説的な言い方になりますが、青信号で渡る時が一番危険な気がします。まさか、相手が赤で進入して来るとは思わないで油断しているからです。しかし、現実には青になった瞬間まではかなりの高い確率で突入してくる車が多いものです。
複数の人数で横断する時には、さらに危険度が高まります。ビートたけしではありませんが「赤信号、みんなで渡れば恐くない」という感じで、多人数が一斉に青信号を渡っている時には、ほとんどの人は車が進入してくるなどとは考えもしないでいると思います。一方、一人で渡る時には、青信号でも注意することが多いように思います。
また逆に、人や自転車などが赤信号を無視して渡る時には、最大限注意をしながら渡りますので、意外と事故は起こらないように思います。(ただし、年を取ってきたり、飲酒をしている時は絶対にダメです。信号無視あるいは、信号のないところの横断での事故が確実に多くなります。身体が俊敏に動かないと悟ったら、決して信号無視をしてはいけません。)
学校の行事などで、引率の先生がおられていろいろと注意してくれるし、仲間達と楽しく談笑しながら歩いている時には、高校生はまわりからの攻撃にほとんど無防備になっていたと思います。ましてや青信号だったのです。
「ドライバーに100 %の責任がある、といくら言ってみても、死んだ命はもう戻ってはこない」という点には、私もまったく同意見です。
だからこそ、横断歩道は青信号でも安全とは言えないという現実を、小学生くらいの頃から教えておくことが必要なのではないでしょうか。私たちが小学校の頃は車を信用するなという意味かどうかはわかりませんが「さあ青だ いやもう一度 右左」と教わったものです。
交通事故の責任を重くすることも大切だと思いますが、人間が運用している限り交通事故は根絶できるものではないということを前提に、信号などを安易に信用せずに自分の命を守る指導というものも必要なのではないでしょうか。
改めて、亡くなられた生徒さん達のご冥福をお祈りいたします。

この事故は、やりきれない思いでいっぱいです。
左折のために停まっていた車のせいで、横断歩道を
渡ろうとしていた生徒たちには、暴走してくる車が見えなかった
のではないかと思います。
親友を一人事故で亡くしました。
夜、青信号で交差点に侵入したところ、
信号無視で左方向から走ってきた車が
横から激突。
助手席に座っていた友人は亡くなりました。
大学4年生のことでした。
「恋もできたし、短い人生の中で楽しいことをいっぱいやれたから」
お母さんの言葉が心に残っています。
左折のために停まっていた車のせいで、横断歩道を
渡ろうとしていた生徒たちには、暴走してくる車が見えなかった
のではないかと思います。
親友を一人事故で亡くしました。
夜、青信号で交差点に侵入したところ、
信号無視で左方向から走ってきた車が
横から激突。
助手席に座っていた友人は亡くなりました。
大学4年生のことでした。
「恋もできたし、短い人生の中で楽しいことをいっぱいやれたから」
お母さんの言葉が心に残っています。
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トラックバック有り難うございました。
ご意見に同感です。青信号だから安全、というのは、交差点の真ん中で右折待ちをしているバイクと同じくらい、ドライバーを信じすぎていると私も思います。
記事には書かなかったのですが、3年生を担任している時、大晦日の深夜から「合格祈願」の初詣を(自由参加ですが)クラスで何度かやったことがあります。
仙台育英学園高校の新入生歓迎ウォークラリーと同じで、なかなかワクワクするイベントだったのですが、女子生徒もたくさん参加してくれたので、深夜のことで家まで無事に送り届けるまで気が抜けませんでした。
生徒たちはやる気十分ですし、担任の私もそれに応えてやろうと企画しているのですが、万が一事故が起きた時の責任は私が引き受けなければならない覚悟でやっていました。
万が一の事故を怖れるあまり、何かにつけて消極的になるのもおかしいと思うのですが、イベントだから楽しいから…という理由で、「危険性」に目をつむるのは避けるべきではないか、というのが私の考えです。
自分で守るしか誰も命を守ってはくれないのは悲しい現実ですけど、仕方ありませんね。
ご意見に同感です。青信号だから安全、というのは、交差点の真ん中で右折待ちをしているバイクと同じくらい、ドライバーを信じすぎていると私も思います。
記事には書かなかったのですが、3年生を担任している時、大晦日の深夜から「合格祈願」の初詣を(自由参加ですが)クラスで何度かやったことがあります。
仙台育英学園高校の新入生歓迎ウォークラリーと同じで、なかなかワクワクするイベントだったのですが、女子生徒もたくさん参加してくれたので、深夜のことで家まで無事に送り届けるまで気が抜けませんでした。
生徒たちはやる気十分ですし、担任の私もそれに応えてやろうと企画しているのですが、万が一事故が起きた時の責任は私が引き受けなければならない覚悟でやっていました。
万が一の事故を怖れるあまり、何かにつけて消極的になるのもおかしいと思うのですが、イベントだから楽しいから…という理由で、「危険性」に目をつむるのは避けるべきではないか、というのが私の考えです。
自分で守るしか誰も命を守ってはくれないのは悲しい現実ですけど、仕方ありませんね。
by stochinai
| 2005-05-24 17:36
| 教育
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Comments(2)