5号館を出て

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猛吹雪、厳寒の翌日「小春日和」を実感する

 晩秋から初冬にかけて出現するポカポカと暖かい陽気の日を「小春日和」というのですが、なぜ「小春」なのかが今ひとつ実感できないで今日に至ったような気がします。札幌はこの1週間ほどほぼ毎日最低気温が零下を記録する冬日が続いていました。さらに、一昨日は猛吹雪、昨日は雪こそ止んだものの寒い真冬のような一日でした。これから本格的な冬に入ると昨日のような天気が普通のこととして毎日続くのは当然と覚悟していたのですが、一転して今日はポカポカと暖かい日が差す時間も長く、まさに「小春日和」の見本のような一日となりました。

 そんな日の昼下がり、家の内外を歩き回っているうちに、今日がが冬へと向かっている日なのか、春へと向かっている一日なのかがわからなくなる感覚に襲われました。もっと言うと、明らかに春の訪れを錯覚している自分を発見しました。その時、長年の謎「なぜ初冬に小春」なのかという疑問が氷解するのを感じたというわけです。
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 二階のベランダに置き忘れられた大きな鉢皿の中に溜まった氷もそのまわりにあった雪も解け出しています。
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 まさに「春の風景」です。
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 雨ドイの下には小さな滝と小さな川ができています。この雰囲気はこの春にも出会った懐かしいものなのです。

 太陽に照らされたオジギソウの葉からは、春を通り越して夏を感じさせられさえします。
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 その横にできた種のサヤに当たった光が、この3週間でグンと大きくなった種の存在を教えてくれます。
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 こちらの写真と比べてみてください。11月4日の様子です。

 室内の光の中で輝くヒメダイダイ(フユサンゴ)の青い実です。
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 こちらはお向かいさんの庭になったカキの実です。
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 同じように光に輝いていますが、こういう未熟な実を見ると「ハッ」と我に返って、今が冬の始まりであることを思い出します。

 室内に取り込まれた植物も、今日だけは暑さを訴えているように見えますが、明日からはまた厳しい冬の寒さが続くことになります。
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 これから冬へ向かうという時に、一日限りだけ味わうことが許される春、それが「小春日和」というわけです。

 これほどはっきりと「小春日和」を実感できたのは、生まれて初めてだったかもしれません。

 なんだか、宝物を見つけた子どものような気分になっています。素直にウレシイ!
by stochinai | 2012-11-25 20:49 | 札幌・北海道 | Comments(0)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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