5号館を出て

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総長選挙

 国立大学法人北海道大学においては総長の任期が4年となっており、再任されることができますが、再任された場合の任期は2年で、「引き続き6年を超えて在任することはで きない 」となっています。佐伯現総長が来春に6年の任期を終えることになっているので、総長選挙が行われています。

 いろいろな手続があるので、結構長丁場なのですが、本日「意向聴取(意向聴取対象者による投票)」のための投票が、午前と午後の2回行われました。
総長選挙_c0025115_17544010.jpg
 このフローチャートで見るとしたから3段目のところですから、あとは最終の選考会議による投票を残すのみとなりました。

 本日行われた投票による意向聴取というのは、本学の教員と一部職員が投票することによって、どのような総長を望んでいるのかを調査するために行われるものです。
総長選挙_c0025115_17573856.jpg
 今回は第一次候補者が3名しかおりませんでしたので、1回目の投票が「第二次意向投票」となり、そこで過半数を越えた得票をとった候補者がいたらそれで終わりですが、予想通り上位2名による決戦意向投票が行われました。これで1位の得票を得た人が総長候補者になるというわけではなく、この投票は言わばシミュレーションのようなもので、その後のプロセスにはなんの拘束も与えません。

 つまり、この後の「選考会議による選考(投票)」は、「意向聴取(投票)」などまるでなかったのごとく、次のように行われます。
総長選挙_c0025115_18134100.jpg
 意向聴取投票と同じように振り出しの第1次候補者3名に対する投票から、13名の選考会議委員によって行われます。ここでも1回目の投票が「第二次選考投票」となり、そこで過半数を越えた得票をとった候補者がいたらそれで決定ですが、いなければ上位2名による最終投票が行われ、得票多数の方が総長候補者になります。

 この候補者を文科省に推薦し、文部科学大臣が最終的に総長となることを承認(?)することで、ようやく北大の次期総長が決定するということだったと思います。

 この意向投票の結果とその後の選考投票の結果が一致すれば問題はないのですが、全国あちこちの国立大学法人では、しばしばその結果が異なることとなり、意向投票がまったく権威のないものであることが白日のもとにさらわれるとともに、学内で抗争や時として裁判に持ち込まれることもありました。そこで、争いの種以外のなにものでもないということで、意向投票を止めてしまった大学もいくつかあります。法的には問題がないのかもしれませんが、国立大学が法人化される前には、学内選挙で学長が決められていたという長い歴史があるわけで、現在の法律では問題がないということでも、学内に不満がたまったり、紛争の種になったりすることは充分に予想されるものです。

 幸いなことに本学では、まだそうしたトラブルが起こったことはないのですが、今回の選挙もそうなるという保証はないので、関係者にとっては最終選考が行われる12月10日までは落ち着かない日々がつづくことでありましょう。

 お疲れさまなことでございます。
Commented by stochinai at 2012-12-10 17:07
次期総長候補者の決定について

 国立大学法人北海道大学総長選考会議は,平成24年12月10日(月)開催の同会議において,理事・副学長の 山口 佳三 氏を次期総長候補者として決定しました。
 なお,任期は平成25年4月1日から平成29年3月31日までとなります。
http://www.hokudai.ac.jp/news/2012/12/post-209.html
by stochinai | 2012-12-05 18:18 | 大学・高等教育 | Comments(1)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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