5号館を出て

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新入生歓迎会

 今まで、新入生の歓迎会に参加していました。生物系1年20組の学生、約50名。しかし、この中の10名ほどは生物科学科へは進学できません。進学振り替えで、化学・物理系と入れ替えがあります。

 新入生の中に、高校生の時代に私と接触があったという学生が2人もいました。体験入学とか研究室見学とか、ほんの数時間の出会いですが、そのまま一生会わない人がほとんどという中、こんなふうに1・2年後に再会することもあります。

#最近は高文連などにも顔を出しているので、ひょっとしたら、どこかで顔を合わせたことがあるという人を含めると、もう数名いたような気もしますが、確信は持てません。

 そう言えば、数年前には小学生や中学生とメールのやりとりをしながら、「研究指導」のようなことをしたこともありました。もしも、彼らが来たりするとぶっ飛んでしまいますが、まさかですよね。

 ともかく研究室の紹介などをしている時には、その生徒の中からまさか自分の所属する学科や研究室に来る人が出るなどとは思ってもいないわけですが、実際にこうして再会してみると、なんとも不思議な感慨にとらわれるものです。

 自分が彼らの進路に影響を与えたなどという大それたことなどは思いもよりませんが、少なくともその時に「生物なんて、もういいや」と思われなかったということについては、もちろん嬉しい気持ちがするものではあります。

 ただし、こういうふうに素直に入学してきてくれる学生を見ていると、最近の広報活動としての大学の宣伝活動に関しては疑問(というか不安)を感じる点もあります。

 高校生を勧誘するために、「北大には、君のやりたい研究は何でも揃っています」的なちょっとした誇大広告がある傾向が否めないのです。実際に入ってきた学生に聞いてみると、「***の研究」とか「***で***をする」とか、明らかに「それは北大では無理だろう」というような夢を語る学生が意外と多いことにも驚かされます。

 まあ、「何をやりたいのかわかりません」とかよりは良いのかも知れませんが、「そんなことをやれるなんて、誰から聞いて来たんだ」みたいなことを言われるのも、また困るのです。

 古典的に「これから探したいと思います」という学生ももちろんいますけれども、なんかやっぱり我々の宣伝の仕方が間違ってないかな~、と反省もさせられてしまった今日の歓迎会でした。

 でも2年か3年たつと、ほとんどの学生が今日言った希望なんかどこ吹く風で、全然違う志望を持って研究室選びを始めるので、今の時点では「間違いだらけの大学選び」でもOKなのだという意見ももちろんあるでしょうが、どうせ変わるんだから嘘ついてだましてでも学生を集めろ、というのはやっぱり良心が痛むものです。 > 当局関係者どの
by stochinai | 2005-05-27 21:50 | 教育 | Comments(0)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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