5号館を出て

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2013年元旦「遠野物語」解禁

 今年もよろしくお願いいたします。2013年も寒い幕開けです。最高気温がマイナス4℃と冷凍庫状態で始まりました。それでも心配された大雪にもならず、まあまあ穏やかな年明けです。初日の出を見るほど早くは起きませんでしたが(といっても、今日の日の出は7時6分です)、なんとなく元旦の太陽といった雰囲気のものには会えたような気がします。
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 昨夜に降った雪で雪だるまが目隠しされていましたが、ひどい降雪になっていなかったので笑っているのがわかるような気がします。
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 2013年になったからといって、いきなり何かが変わるものではないのが普通ですが、今日を機にいきなり変わるものがあるのです。今日のITメディア・ニュースを引用します。
青空文庫に柳田国男「遠野物語」、吉川英治「私本太平記」など登場

青空文庫に1月1日、同日で著作権保護期間が終了した柳田国男や吉川英治、室生犀星ら12人の作品が公開された。

 著作権が保護される期間は著作者の死後50年。期間の計算を簡便にするため死亡の翌年の1月1日から起算されることから、保護期間が終了するのも元日となる。

 青空文庫は、著作者の死後の著作権保護期間を70年に延長しようという動きに反対し、2005年から、パブリックドメインとなった作品を元日に公開している。
 というわけで、今日から著作権フリーの人類共有の財産として青空文庫にいくつかの書籍が追加されました。
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 私が目を引かれるのは
やはり、私の先祖の出身地だと思われる遠野の民話を集めた柳田国男の「遠野物語」と北海道大学つながりで中谷宇吉郎の「雪」です。
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 いずれもhtmlファイルをウェブで読むことも、テキスト・ファイルをダウンロードすることもできますが、最近はiPadアプリのi文庫HDなどで本格的電子書籍として読めます。

 こちらがi文庫HDで見た「遠野物語」の表紙です。
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 なつかしい文庫本の香りがします。前書きです。
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 私はすでに文庫本で持っているはずですが、また新たな気持で読んでみようという気になります。

 もう一冊は、中谷宇吉郎の「雪」です。こちらも前書きをどうぞ。
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 そして彼が苦労して撮影した有名な雪の顕微鏡写真です。
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 いまだに雪の結晶というとこの写真をもとにデザインされたものが多いと思われるほど、インパクトの大きな顕微鏡写真でした。

 いずれも、どなたでも無料で読めるものですから、「日本人の教養」として読んでおこうと思います。

 著作権は著作者が生活するためには絶対に保護されるべきものだと思いますが、著作者が亡くなった場合にはその権利はできるだけすみやかに人類共通の財産とすべきだと思います。もちろん、権利を相続する方がいらっしゃることも理解できないわけではありませんが、配偶者および子どもくらいまでで相続の制限をするようにしないと、人類の文化活動の大きな損失になると思います。

 そう考えると25年くらいが妥当な線で、現行の死後50年でも長すぎるくらいだと思います。ましてや一部の人が主張するように70年や100年などというのは絶対にやめていただきたいところです。

 それにしても、昔の出版物が電子書籍で蘇るのは素晴らしい体験です。

 古典こそタブレットで、というキャッチフレーズを作りたくなるほどです。
Commented by ぢゅにあ at 2013-01-02 23:54 x
あけましておめでとうございます。
青空文庫は子供の読み聞かせに利用していたのですが、最近はすっかりご無沙汰してました。今年の初読みはipadで中谷氏の「雪」にしたいと思います。
Commented by stochinai at 2013-01-03 12:21
「遠野物語」の最初には、「この書を外国に在る人々に呈す」という献辞が書かれています。確かに青空文庫などは海外にいる日本人にはかなり重要な存在だと納得しました。

 今年もよろしくお願いします。
by stochinai | 2013-01-02 00:06 | つぶやき | Comments(2)

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