5号館を出て

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レッサーパンダの酷使:やっぱり叱られた

 ワシントン条約指定動物をコマーシャルに使うなど、ちょっと小首をかしげたくなるような直立するレッサーパンダ・ブームですが、あまりのはしゃぎすぎにWWFジャパンが注意を呼び掛ける文書を公表したとのことです(共同通信)。

 もともと立つのが珍しくもないレッサーパンダが立ったと言って騒ぎを誘導したあげくに、カメラを持って押し寄せる観客に当のレッサーパンダが調子を崩したという噂も聞きましたが、私たちの国ではどうしてこうなんでも大騒ぎになってしまうのでしょう。

 WWFの姿勢は、動物たちに気づかせないで動物を大切にしていくということを訴えているように見えます。

 今回の風太君にしても、人々に注目されているということを彼に意識された時点で、ある種の虐待状態になったのではないかと心が痛みます。

 野生動物はペットではないのですから、動物園では人との接触を彼らが意識しないですむように気を遣ってやって欲しいものです。

追記:
 こうした騒ぎの中で、新しい動物園の姿を提示したとして全国的に有名な存在になった旭山動物園のホームページを見てみると、いろいろと考えさせられることがあります。

 トップページ中央に立たずに4つ足で踏ん張るレッサーパンダが配置され、上方に「一連のレッサーパンダに係る意見に行き過ぎた表現があったことをお詫びします」というコメントが載せられています。それをクリックしてしまうと、いきなりお詫びの文章に飛んでしまうのですが、そこをこらえて以下のように巡ぐりに見ていってください。

 まず、サイトの中にはゲンちゃんの本音という副園長さんでもある獣医さんのエッセイ集があります。そこで、ゲンちゃんは2週間ほど前にレッサーパンダを『見せ物』にしないでねというエントリーを立てて、最近のレッサーパンダ騒動に警鐘を鳴らしていたようです。

 ところが、その中で

>レッサーパンダを「見せ物」にしないでください。

 と書いた後で、「動物園」に対する思いというエントリーを立て、

>動物園は「見せ物」ではないと信じています。

 と、「なぜに今?」と感じさせるタイミングで、正論を強く宣言しているのを読んで、「あれっ?」と思っていたところ、謎が解けた気がする新聞記事を発見しました。

 記事によると「「しょせん見せ物の動物園が『見せ物』とは何事だ」などの抗議のメールが市役所や旭川観光協会に寄せられ、インターネットの掲示板などでも賛否の書き込みが相次いだ」ということです。

 その結果としてゲンちゃんは行き過ぎた表現をお詫びしますというエントリーを出さざるを得なくなりました。

 しかし、この「お詫び」の文章も動物と動物園に対する熱い思いの伝わってくる格調の高い良い文章だと思いました。今までの発言の中には表現として不的確なところがあったことを認め、そのことについては素直にお詫びをしていながら、彼の考え方は決して譲っていません。

 最近、あちこちでちょっと過激な(あるいはまともすぎる)発言があると、それをバッシングするという現象がしばしば起こります。いわゆる炎上ですね。バッシングが起こるには、それなりのきっかけや「原因」があることは事実なのですが、意見として間違っているというものではないことも多いのです。それにもかかわらず、時としてバッシングを終わらせるためだけに「自分の考え方は間違いでした」と表明するという形で事態が収拾されることをしばしば目撃して、悲しい思いをしておりました。

 しかし、このゲンちゃん副園長さんはきちんとした文章を書くことで、謝るところは謝りつつも自分の考え方は間違っていないと再度主張しているところが、さわやかだと思いました。

 バッシング収拾の仕方として、今後の参考にしたいと思いました。

 頑張れ、ゲンちゃん! 頑張れ、旭山動物園!
by stochinai | 2005-06-08 20:31 | つぶやき | Comments(0)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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