5号館を出て

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Akiという名の芸術家

 「Aki」はもちろん「秋」のことですが、この季節、特に紅葉や黄葉の名所と呼ばれるところに行かなくても、そこかしこに芸術的な光景が出現します。
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 これは、我が家の玄関前の敷石の縁に置かれた石の間にツタやドクダミが生えてきて、その上に色々な色になった落ち葉が吹き寄せられただけの光景ですが、これだけのものを人間が絵で表現できたら十分「芸術」と呼べるものになるような気がします。それが、まったく人の手を借りることなく(というか、むしろ人が手を入れなかったからこそ)これだけのものができるのが秋です。

 今朝は結構な霧が出ていました。
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 秋に多い霧も景色を幻想的にしてくれます。

 春夏は様々な色をした華やかな花の季節ですが、秋は収穫と撤収の季節です。
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 これは猛毒のあるスズランの実ですが、思わず口に入れたくなる衝動を覚えるほど鮮やかに熟した色をしています。この赤は我々には警戒色になりますが、ひょっとすると食べても解毒できる動物もいるのではないかと、私は密かに思っています(笑)。

 来年へと命をつなぐ実(種)ができる一方では、半年間フル稼働で光合成をして二酸化炭素を炭水化物に加工してきた工場である「葉」は仕事納めで、光合成のもとになる葉緑素も壊れ、赤や黄色や茶色に変色して散っていきます。
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 これはベランダの柵にからみついたフジです。柵の外側の葉は寒さに当たって、ほとんどが黄色くなってしまいましたが、柵の内側は少しは温かいのか、まだ頑張って緑のままの葉もけっこうあります。

 こちらが仕事を終えた葉です。
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 気温さえ高ければまだまだ伸びようと思っていた若芽も立ち枯れてしまっています。
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 そしていずれは、このように散り落ちて朽ち、有機肥料として来年の植物へとリサイクルされていきます。
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 午後には、秋らしくない積雲がかいま見られました。
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 こういう景色に出会えるのもいかにも秋らしいと思う一日なのでした。
by stochinai | 2013-11-04 21:40 | 札幌・北海道 | Comments(0)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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