5号館を出て

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HOKKAIDOサイエンスフェスティバル

 土曜日でしたが、9時前には大学に行っていてました。
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 2002年に文科省がスーパーサイエンスハイスクール(SSH)制度を始めた時には、全国で26校、北海道では札幌北高1校だけが指定されており、一部の高校のり家教育にだけ大量の資金をつぎ込むのは不公平であるばかりでなく、ほとんど効果は得られないだろうと言われていたものです。

 しかし、指定された高校では潤沢な資金によって理科実験設備が充実したばかりではなく、豊富な旅費により国内外のさまざまな研究所やフィールドの視察、各種学会などでの発表が自由にできることから、教育効果は高く、文科省も少数校に集中的に資金投入するだけではなく、より幅広い高校を支援することで高校の理科教育全体の底上げにもつながると考えたらしく、その後指定校は着々と増加して、2012年度には178校、2013年度には201校になるということです。北海道でも2012年度には10校にまで増えており、それらの高校が一堂に会して、各学校での取り組みを発表し合い、情報交換するとともに、各校の交流の機会として「第1回HOKKAIDOサイエンスフェスティバル」が開かれたというわけです。

 最近は、SSH指定校に限らず各種学会で高校生の理科研究発表をするケースも増えてきて、高校生のポスター発表を見る機会は珍しくなくなりました。また私は何回か北海道の高校生文化連合(高文連)の理科研究発表も何度か見たことがあるのですが、今回は始まってから10年以上たっているSSH指定校の集まりということもあり、全体に研究レベルとプレゼンテーションのスキルが向上していることを実感させられました。

 午前中はポスターセッションです。
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 ポスターは33枚ほどでしたが、数学も含めた理科全般ということで私には理解不能というくらいの難しい研究発表もありましたが、生物関連の話をひと通り聞くだけでも、午前中の時間だけでは足りないというくらい、生徒さんたちはていねいに研究の説明をしてくれましたし、どんな質問でもわかることには的確にそしてわからないことには真摯に対応してくれ、SSH校からの選りすぐりの生徒さんということもあるのでしょうが、今の若い人の【コミュニケーション能力ならびにスキル」の高さに驚かせられました。

 すぐに比較してしまうのですが、下手をすると大学生や大学院生よりもコミュニケーション能力が高いと思わされることもあり、ひょっとすると大学教育がこうした能力を押しつぶしているのかもしれないという不安さえ感じさせられたものです。

 午後からはスライドを使ったプレゼンテーションが2会場で行われました。
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 もちろん、純粋に「研究」のレベルやデータの量で考えると比較にならない面はあるのですが、イントロの「ツカミ」や結論に続く「オチ」の作り方など、おそらく先生の指導をはるかに越えた若い人のセンスでこちらも楽しませてもらいつつ、ある種の感動を覚えました。

 彼らの才能がどうして今の大多数の大学生・大学院生にないのかと考えると、そのもっとも大きな要因のひとつが、この子たちの前に立ちはだかる大学・大学院進学による選抜なのかもしれないとも思えます。

 今回、発表した生徒さんたちはおそらくプレゼンテーションの能力で表に出てきた人が多く、実はデータを撮ったり解析したりした人は裏に隠れてしまっているのかもしれません。そして、この後、大学・大学院へ進学出来る人は、今日はあまり表に出てこなかった人達が多いのだとしたら、私たちが大学・大学院で我々が出会う学生は、今日見たプレゼンテーションのうまい人達とは違うポピュレーションということになるのかもしれない、などということを考えながら今日の会を振り返っています。

 人を選んだり、育てたりすることって、ほんとうに難しいとまたまた頭をかかえております。
by stochinai | 2014-01-25 22:17 | 教育 | Comments(0)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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