5号館を出て

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大卒もいろいろ博士もいろいろ

 どこかの人がコピペで博士論文を書いていたと問題になっていますが、指導する先生が投稿論文を書き、実験を主に実行したということで筆頭著者にさせてもらった学生が、その投稿論文の原稿をほぼそのままプリントアウトし直しただけで、博士論文として提出し認められたという例もあるというような話は、何度も聞いたことがあります。

 英語などほとんどできなくても、実験をたくさんしてデータをどんどん出す大学院生が重宝され、結局はポスドクとしても引く手あまただという現実が、少なくとも日本の市場(何の市場だ?)の一部では現実に存在していることを認めざるを得ないエピソードのひとつだと思います。

 もちろん、自力で実験をし、自力で英文をひねり出し、自力で博士論文を書いた実力者がたくさんいることも事実でしょうが、同じ「博士」という称号を持っていても、ピンからキリまでいるのは、同じ「学士」という大卒の学歴を持っていても、すべての学士が同等の実力をもっていると考えることができないのと同じ、という時代になってきたことを認めなければならないという現実だと思います。

 というわけで、この議論はいくらやってもあまり生産的ではなく、大卒がいろいろいるように、博士もいろいろいるという結論でピリオドということではないでしょうか。(もちろん、それではダメなのでどうにかするという議論が無駄だとはいいません。)

 それよりも私にとって心配なのは、中国からやってきているらしいPM2.5による煙霧です。ソースがはっきりしないニュースによれば、中国の煙霧にはウランを含んだ石炭を燃やした煙もあるようで、そんなものがこちらまで飛んでくるのでは恐ろしくてかないません。幸い今日は昨日よりはずいぶん薄くなり山も見えていました。
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 札幌の最高気温は13.6℃を記録し、まだ暖房が通っている室内は「暑い」昼でした。窓の下では、雪が溶けて、水になる前にどんどん蒸発して、雪と乾いた土が共存するという不思議な光景が展開されており、
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 マンホールのまわりには緑のフキノトウがたくさん並んでいます。
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 一気に春全開です。

 そして、昨日見たクラゲの正体もしっかりと確認できました。こちらが、太陽が手稲山に突き刺さり始めたところです。
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 そして、下の写真で山の輪郭が見えなければクラゲになります。
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 昨日の太陽はもうちょっと左側にあったのだと思いますが、確かな位置はわかりません。

 そして、太陽が見えなくなった手稲山頂。
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 本来ならばのんびりと夕刻を楽しみたいところですが、年度の切り替わりまでのカウントダウンが始まってしまった今、なんだか気分だけは慌ただしいのが残念なところです。
Commented by alchemist at 2014-03-28 09:17 x
昨日、ラボの出身者が帰国の挨拶に来ていました。ここ一月余り日本の学位はあんな風に簡単に取れるのかと質問攻めにあって閉口したと云ってました。そういう風に飛び火することに国内は鈍感ですね。
バブルの頃、日本企業の土地買い漁りでマンハッタンの不動産の賃料が大幅に値上がりして住民が困っていることが日本では殆ど報道されていないことを同じようなことかも知れません。
Commented by stochinai at 2014-03-28 12:00
簡単に取れるところがあちこちにあるのは事実だと思いますが、暗黙の了解として簡単にとった場合にはその後は研究職へは進まないものだと、なんとなく思っていました。そういう意味では、今回の「事件」は衝撃的だったと言えそうです。
Commented by alchemist at 2014-03-31 11:53 x
そういえば、国外に行った時は「PhD」と名乗らずに「Hakushi」と名乗って下さいね・・・みたいな話を聞いたこともあったような・・・。
Commented by stochinai at 2014-03-31 17:39
最近は博士(理学)でも、DSciではなくPhDと名乗る人が多くなったように思います。
by stochinai | 2014-03-27 19:13 | 大学・高等教育 | Comments(4)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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